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「第 73-04 章」 |
『子育ちは 信じる人に 導かれ』
■子育ち12願語■
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『子育ち第4願語』
【信じていたい?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第73版では,「子育ち」をしている子どもたちが,育ちの発露としての願っていることに寄り添って考えてみようと思っています。育ちたいという思いを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちにしっかりと支援の手を伸ばすことができるでしょう。それは一方で,子育てをしている大人には,大人の出過ぎる願いを控えることにつながるはずです。子どもの願いという新たな12の指標盤を楽しんでください。
《信じていたい?》
人なつっこい子どもたちが,アンパンマンの敵役であるバイキンマンにも馴染んでいます。ヒーローの敵ですから,嫌われてもよさそうですが,意外に感じます。子どもに限らず大人も,明らかに悪役然としているものに何かしら安堵感を抱いています。例えば,悪人はサングラスを掛けてひげを生やしているといった固定的なイメージが定着しています。怖いというのは,よく分からないということから生じます。良い人か悪い人か分からないというのが,最も怖くて,信じられないことです。
とても怖いことですが,殺人事件の半数以上で,犯人が親族であるということです。最も信じ合っているはずの家族や親戚が,最も怖い存在になっているという時代なのです。虐待を受ける子どもは,頼りにしている親から理不尽な扱いを受けていても,自分が悪いからだと,あくまでも親を信じています。逆に言えば,親が子どもを信じようとしていないという,とても不幸な状況になっています。おそらく親自身が自分を信じていないから,子どもを信じることができないのでしょう。
親として,子どもが信じていたいという願いを抱きながら育つためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。例えば,知り合いとの付き合いを子どもが見ている場合,陰日向のある言動を見せないことです。表向きでは愛想良くしながら,陰では悪口や不満を言っていると,子どもは人の裏の顔に気付きます。人を信じていないという本音を知ると,相手も同じ裏を持っていると思い,信じることができなくなります。もう一人の自分が自分を信じられないと,人を信じられなくなります。
やって見せて,言って聞かせて,やらせてみて,ほめてやらねば,人は動かじ。話し合い,耳を傾け,承認し,任せてやらねば,人は育たず。やっている,姿を感謝で,見守って,信頼せねば,人は実らず。(山本五十六)。信頼によって,人は人間らしさを纏うことができます。しかし,人に対する信頼には限界があります。いささかの不信を受け入れることも迫られます。完全な信頼を結びたいという人の願いは,神という存在を創造していったのでしょう。
★落書き★
鬼門という方角があります。良くないことが起こる方角です。そこから,苦手な事柄や人物を指すこともあります。陰陽道で鬼が出入りするとして嫌われた丑寅(うしとら)の方角(北東)を鬼門といったことからだそうです。鬼が牛の角を生やし虎の革のパンツをはいているのは,方角の丑寅=うしとら=牛・虎の関連です。因みに,ね,うし,とら,う・・を時計の12時,1時,2時,3時・・・に対応させた後で,文字盤を方位盤に読み替えると,12時が北,3時が東に当たり,牛・虎は2時・3時の中間に対応する北東になります。
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