『子育ちは したいと思い ひたすらに』
■子育ち12心情■
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『子育ち第11心情』
【長いつもりで短いのが意欲 短いつもりで長いのが怠惰!】
《まえがき》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を意識します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の針路構成となります。
この第78版では,77版に重ねて,子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えます。育ちたいという健気な心積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添います。それによって,子育ての願いも目の前の子どもにきちんと重なっていくはずです。子どもが向かっている心づもりを理解できる新たな12の指標盤を楽しんでください。
《長いつもりで短いのが意欲!》
育ちは車と同じで,走っていることです。子どもがじっとしていないのは,育っているからとも言えます。動くにはいろんな形の意欲が関わっています。見覚えの無いモノが見えるので,触ってみたくて近寄ります。人がしていることをまねしたくて,追いかけます。このように五感を通して入ってくる外部の状況に対応しようとする意欲に導かれ,能力を使い切って伸びていくことが育ちのプロセスです。ただ,その意欲が飽きっぽく途切れ途切れになっていると,能力としての育ちは未完成に止まります。継続が力です。
《短いつもりで長いのが怠惰!》
いつまでゲームをしているのと,叱られます。遊んでいるとつい時間を忘れます。勉強をしていると,早く終わりの時間にならないかと気にします。ちょっとの間だけとだらけていると,ついつい長引いてしまうものです。限られた時間を育ちに使うためには,予定や計画といった意欲とセットにした時間割が必須です。いわゆる規則正しい生活が育ちには何より有効なのです。ちょっとゆっくりと過ごしていたら,長い夏休みが終わってしまったという経験はしない方がいいようです。
《親としての関わりは?》
子どもが「意欲を目指し怠惰に引き込まれない」という心情を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。漫然と日々を過ごすのではなく,日日を意味のあるものに替える工夫として,今日一日をどう過ごしたかを振り返る時間を持ちます。何ができたか,できなかったか,明日は何ができるかを子どもと一緒に考えることで,意欲を持たせ計画が組み上がっていきます。やりっぱなしではなく,後始末を付けるようにすれば,日日が育ちの一歩に組み込まれていきます。反省が意欲を生みます。
子どもが賢くなる一つの方法は,何事にもけりをつけようとすることです。何かを始めたら,今日はここまではし終えるという区切りを決めます。区切りを付けることで,次のすることが見えてきます。一歩ずつというステップが意欲の形になります。仕事に段取りが不可欠のように,育ちにもけりをつけてステップを踏むことが有効です。何となく過ごしていくと,もう一人の自分が自分の育ちを見失います。そんなときは,親が育ちのステップを見せてやって,意欲を持たせてやりましょう。
★落書き★
陸上と水上のリレー競技の最終走者をアンカーと呼びます。もとは古くからある綱引き競技の用語です。綱引きでは相手から引き込まれないように重しの役目をする最後尾の選手をアンカーすなわち錨と呼んでいました。リレーでも最後であるということから,最終走者も意味するようになっています。動かないための選手がリレーのゴールに向かってひた走らなければならないとは皮肉ですね。子どもでなくても,どうしてそんな変な呼び方を残しているのか,不思議になります。
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