『子育ちは 今の自分を 明日に向け』
■子育ち12心情■
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『子育ち第13心情』
【遠いつもりで近いのが未来 近いつもりで遠いのが過去!】
《まえがき》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を意識します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の針路構成となります。
この第78版では,77版に重ねて,子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えます。育ちたいという健気な心積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添います。それによって,子育ての願いも目の前の子どもにきちんと重なっていくはずです。子どもが向かっている心づもりを理解できる新たな12の指標盤を楽しんでください。
《遠いつもりで近いのが未来!》
長期の休み前には,終わりの日はまだ先のことと思っていますが,あっという間に今日で休みは終わりという日になります。まだ先のことと思っていると,未来は思いのほかすぐにやってきます。宿題をする場合に,今日はしないで明日にしようと先送りにすることがあります。明日は未来の文字通り未だ来ていないので,何もできないままに放置されます。今日を着実につかまえないと,明日を無駄にします。明日と出会っているのは,今日,それも今このときです。未来は今というごく近くでしかつながっていないのです。
《近いつもりで遠いのが過去!》
経験を語るとき,人は過去を今のことのように思い浮かべることができます。すぐ近くにあるように思いますが,過去は決して届かない遠くにあります。その過去は今につながっているとすれば,後悔という形が多いのが普通です。過去のあのとき○○しておけばよかった,今更悔いてもどうしようもないがとなり,過去は手の届かない遠くにあります。後悔しないためには,今○○しておこうという取組しかありません。明日になって「あのときしておいてよかった」と安堵できる過去にすることができます。
《親としての関わりは?》
子どもが「未来を目指し過去に引き込まれない」という心情を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもは過去を経験で認識しています。してみてできたから今もできる,してもできなかったから今もできない,といった形で過去の自分につながります。親は,今日という未来とのつながりを教えて,過去から未来へ今日の努力で自分が変わっていくことができると励ましてやってください。成長,育ちは今日頑張って明日という可能性をつかまえる過程なのです。
子どもが賢くなる一つの方法は,楽しさを見つけることです。何事かを成し遂げている人を見ると,そんなことの何が楽しいのと思います。端からは苦労に見えても,当人は楽しくて仕方がないと思っています。イヤイヤすることは身体が拒否するので身につきません。賢さとは生き生きと活動していることであり,目一杯生きているということです。賢く立ち回るといった下世話な次元を超越しています。賢く生きる,生きる賢さ,両方が整合していることが本当の賢さです。
★落書き★
魚は骨があるから,子どもに食べさせるときには気を遣います。料理するときは,その骨を抜き去る骨抜きをします。ところで,骨には「中心」とか「肝心」といった意味もあり,そこから,肝心の部分を抜き去り,内容のないものにするという意味を込めて「骨抜き」にするという言い方が生まれてきました。食べる上では骨は邪魔者で,一方では骨は肝心要のものという相反する意味があると,混乱します。生きる上で肝心なものは,食べられる場面では邪魔にする,人の傲慢さが思い知らされます。
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