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「第 83-06 章」 |
『子育ちは 分かる喜び 日々重ね』
■子育て12心権■
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『子育て第6心権』
【考えを知る心権!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第83版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。子どもは「育つ権利」があるとされています。それは生きる者としての身体的な育ちが必要であると同時に,人間としての心情的な育ちが十分に備わっていなければなりません。食べさせないといった身体的虐待は育つ権利の侵害であることは自明のことですが,無視するという心情的虐待が育つ権利の侵害になると気づかれ難い面があります。
人として心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。子どもの育ちを見極めて,今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,育つ権利に相応しい指導や助言をしていただくことを願います。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。
《好き嫌いをしないこと》
面白い情報,楽しい情報を選んでしまうものですが,面白くない情報もきちんと取り入れるようとすることが大切です。例えば,学校で受け取る情報=教科は,面白くないかもしれません。でも,生きていく上で大事な知恵の元になる情報なのでしっかりと受け取らなければなりません。例えば,ゲーム関連の情報だけをたくさん集めても,生きていく上では片寄った知識になります。特に,命の大切さを心から信じるといった根源的な気持ちを育てることができなくなります。生きること,端的には暮らしにつながりのある情報をたくさん取り入れるようにしましょう。
《疑問を持たせる》
子どもにとって大切な学びは,疑問を持つことから始まります。これはなに? 何故こうなるの? どうすればいいの? そう思うことから考える営みが始動します。疑問を持たなければ,考えることはできないのです。半分という言葉を数字では0.5と表します。このときの「.」を小数点と呼びます。分数では1/2と表すことができます。このときの「/」は何と呼べばいいのでしょう? 疑問が出てきました。先生に尋ねようという学びの道に進んでいきます。因みに「/」は括線といいます。括弧が弧で括ることですが,線で括るという意味です。知れば楽しくなりますね?
《考えさせる》
子どもが考えるというのは,普通の意味でとらえると,無理があります。考える素材となる知識が未熟だからです。子どもに考えさせる目的は,自分が知らないことがあると気付かせることです。答えを見つけるのではなく,自分の知識から答えに向かう途中にある壁に向き合うとき,ここが分からないと意識することができます。そこで自分が持ち合わせていない新しい考えを学ぶ準備ができて,教わる喜びが育まれます。物事を理解するために整理されてきた考え=知識を得るために,子どもなりに考えるという下準備が必要です。どこまで考えることができたか,見届けてください。
《客観性が育つ》
子どもが物事を理解するとき,「〜みたい」という類似を手がかりにします。オモチャ遊びも本物に似ているからごっこになります。子どもなりに自分に納得のいくような翻訳をしているのです。お母さんみたいに優しい,ゾウさんみたいに大きい,そのような類似によって物事の理解を切り分けていきます。分けることが分かることになります。野菜と果物の違いは何でしょう? リンゴの木,ミカンの木のように,木に生るのが果物です。木があるかないかという区分けの知恵によって,分けることができます。自分の外にある物事を理解できること,そこが客観的な理解の入口です。
新学期が始まりバタバタしている内に,ゴールデンウイークも過ぎました。大人でもペースが揺れ動くこの時期,五月病は子どもにも起こっているようです。学校に行きたがらないとか,朝起きられない,やる気がないといった様子が見られませんか? なんとかしなくてはと急がずに,急かせずに,ごく普通に寄り添って,話しやすい時間を設けてください。一緒に暮らしているこの世で最も信頼できる人,親であるあなたが包み込んでやらなくて,だれが癒やしを与えてやれるでしょう?
★落書き★
江戸時代の男性の髪型は,額をそり上げて,後頭部で結い上げたもので,チョンマゲといいます。お相撲に力士さんの髪形に残っています。ところで,このチョンマゲの「チョン」とは何のことでしょう? 文字表記の中に繰り返し記号がありますが,その一つにチョン「ゝ」があります。チョンマゲの形が似ているので,この名前で呼ばれるようになりました。ところで,繰り返し記号の「〃」,「々」は何と呼ぶのでしょうか? 考えてみて,調べてみませんか。
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