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「第 83-07 章」 |
『子育ちは 自分を活かす 動きから』
■子育て12心権■
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『子育て第7心権』
【活動をする心権!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第83版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。子どもは「育つ権利」があるとされています。それは生きる者としての身体的な育ちが必要であると同時に,人間としての心情的な育ちが十分に備わっていなければなりません。食べさせないといった身体的虐待は育つ権利の侵害であることは自明のことですが,無視するという心情的虐待が育つ権利の侵害になると気づかれ難い面があります。
人として心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。子どもの育ちを見極めて,今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,育つ権利に相応しい指導や助言をしていただくことを願います。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。
《身体を使うこと》
きつい,汚い,危険という3Kが嫌われるようになって久しくなります。危険は論外ですが,きついから嫌だ,汚れることはしたくないと思っていると,大切な能力の発育はできません。例えば,勉強の面で,書くのがきついからと手を使わずに済ませていると,覚えは悪いままになります。手を使って書くから,覚えられるのです。面倒なことをするから,手が器用に動くようになり,手の動きを支配している脳が機能を高めていきます。また,手に限らず全身を使うようにすることで,現実世界に根を下ろした知能を獲得することができます。
《実行させる》
子どもは見たり聞いたりして,いろんなことを知っていきます。気をつけておかないと,知っているという段階で止まることが多くなります。例えば,絵を描くということはどうすることか,知っています。でも,実際に絵を描かせると,思うようにはいきません。してみることによって,見たり聞いたりしたこととの違いに気がつき,見えていなかったことを身体で覚えることができます。知っているからといってできることとにはならないこと,したことのないことはできないということ,経験することが育ちであることを忘れないでください。
《用意させる》
登園や登校の前に,「忘れ物はないね」と念を押しているでしょう。いろんなことに対して対応できるように,事前に用意をしておくことが大切です。子ども向けの行事等で,お膳立てを大人が済ませて,子どもは途中から関わるパターンが普通でしょう。子どもはどのような準備が必要であるかを経験することができません。何かをするときには,材料や道具などを予め準備しなければ始まりません。この始まりから,つまり0からの出発がとても大事な経験になります。それをしていないと,あれがない,これがないと人頼みになってしまいます。
《創造性が育つ》
「何が食べたい?」と尋ねられて,夕食でごちそうを食べています。食べたいものが食べられます。ごちそうは買い物,調理,配膳,後片付けといった一連の作業をすることによって,可能になります。たまには,その一連の作業に子どもを付き合わせてみてください。食べるという部分だけではなく,全体を経験することで,多くのことを学ぶことができるはずです。あり合わせのものでごちそうを作ることができる日もあるでしょう。食事を作る過程を経験すれば,他の物事全般の創造をすることに生かすことができるようになります。
経験を活かすということがあります。活かす動き,活動することによって子どもは育っていきます。育ちにつながる動きは,家庭の暮らしです。いわゆる家事に関わらせることによって,子どもはごく自然に活動することができます。その活動をよいものとして経験する味付けが,親からの「アリガトウ,助かったよ」という言葉掛けです。お手伝いをしなさいという押しつけはただの作業であり,活動にはなりません。自分の能力を活かそうという動き,それが活動なのですから。
★落書き★
例年より早く梅雨に入ったということですが,この時期の風物詩として,ブロック塀に張り付いたカタツムリがあります。カタツムリは移動の途中にあるのではなく,食事中だそうです。ブロック塀を食べているのです。カタツムリの殻はカルシウムでできているのですが,その殻を作るために多量のカルシウムが必要なのです。森でなら石や仲間の貝殻から摂取できるのですが,町中では石灰分を含むブロック塀しか見当たらないということです。小さくて鋭い1万本の歯で囓り取っているのです。
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