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「第 83-08 章」 |
『子育ちは 無理せず少し 良い向きに』
■子育て12心権■
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『子育て第8心権』
【良心を持つ心権!】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第83版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。子どもは「育つ権利」があるとされています。それは生きる者としての身体的な育ちが必要であると同時に,人間としての心情的な育ちが十分に備わっていなければなりません。食べさせないといった身体的虐待は育つ権利の侵害であることは自明のことですが,無視するという心情的虐待が育つ権利の侵害になると気づかれ難い面があります。
人として心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。子どもの育ちを見極めて,今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,育つ権利に相応しい指導や助言をしていただくことを願います。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。
《仲良くすること》
一人でいるとつまらないだけではなく,寂しく,気持ちが落ち込んでいきます。人の中に入るのが苦になる,苦手というのは辛いものです。周りの人と仲良くつきあえることがなによりです。周りの人が仲良くしてくれないと思っていては,なにも変わりません。周りの人を変えることはできないことです。できることは自分を変えることだけです。周りに対して求める気持ちが強く表れているから,周りの人は避けようとしています。求めるのではなく求められるような自分になるようにすれば,つながりは広がっていきます。
《判断させる》
行動を選ぶときには,先ずは自分にとって損か得かを考えますが,さらに正邪の物差しを使わなければなりません。したいけれどしてよいのか,という判断をすることが大切です。いくつかのパターンがあります。したければしてよいこと,したくてもしてはいけないこと,したくなければしないでよいこと,したくなくてもしなければならないことがあります。他には,しなくてもいいがした方がよいことという判断もあります。正邪の判断を怠ると,結局は損得に跳ね返ってきます。よいことやいけないことの理由を教えて,判断の物差しを持たせてください。
《気配りさせる》
自分の周りにいる人に気配りをすることが,社会生活の基本です。相手の立場に立って考えるということですが,それは「自分だったら」と想像することです。自分がされて嫌なことは相手にしない,自分がされてうれしいことは相手にしてあげる,その判断が第1段階です。その次にあるのが,誰かがしないといけないが誰もが嫌がることを,引き受けてするという強い判断です。例えば,すすんで掃除をするといった行動ができることです。自分だけではなく,周りの皆のことを考えた行動をすることが気配りとなります。
《品格が育つ》
価値観には,善悪,真偽,美醜があります。人の心には表と裏があります。自分のことしか考えていないのが裏の心であり,そこから出てくる行動は悪行,偽装,醜態になります。周りの人のことを考えているのが表の心であり,そこから出てくる振る舞いが善行,真実,美行となります。もちろん,人のことばかり構ってはいられないのが実状です。それでもできるだけ表の気持ちを持つように努力していると,品格が備わってきます。少なくとも卑しくはなりません。子どもの世界のいじめは卑怯という卑しさの表れであることを思い起こしておきましょう。
暇さえあればスマホにかがみ込んでいる,それが当たり前の日常になっています。子どもたちもそのパターンに巻き込まれて,引きずり回されています。つまり,惜しみなく与えられる情報に支配されて,自分の五感で見極めて自分の頭で判断するというプロセスを奪われています。だれがああした,こう言ったと知っていても,自分は何を感じてどう考えたのか,その自省がなければ,育ちはできません。ひとりでぼーっと自分を考える時間,成功した人が過ごした大事な時間なのです。
★落書き★
魔法使いサリーというマンガがありました。作者の横山光輝は当初「魔法使いサニー」という名前で書き始めていました。テレビアニメ化する際に,ソニーが「サニー」という言葉を商標登録をしていることが分かりました。ソニーは自社と類似した商標を使われるのを防ぐために,既にサニーという名前を押さえていたのです。そこで,「魔法使いサニー」は「サリー」に改名されて,人気アニメとなっていったのです。人の名前にはそのような排除はなく,あやかることもできてよかったです。
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