*** 子育ち12章 ***
 

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「第 85-08 章」


『子育ちは し遂げた後の 喜びで』


■子育ち12親心■

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『子育ち第8親心』

【魂の静けさを送る親心!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第85版では,子どもたちの育ちに寄り添う親がどのような心であればいいのか,確認をするポイントを総括します。子どもの育ちは周りからの多様な支援と結びついて一体化する設計図とも言える様式があります。順序が違ったり,逆につながったりすると,本来の属性が機能せずに,育ちに不都合が織り込まれてしまうこともあります。
 人間として心豊かに育ってほしいという親の願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるためには,日々の子育てを確認することが必至です。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標毎に親からの支援のつながりを確認してみましょう。

○仕事はけりを付けなければ成就しません。中途半端な仕事は仕事になりません。けりを付ける癖が身についているかどうか,それは将来だけではなく,育ちの質に関わってきます。そのしつけは大切ですが,一筋縄にはいきません。5歳の男の子がおもちゃを出し放題にして放置。何度片付けるように言っても聞かないので,ママは頭にきて怒鳴ったところ…「ママだってここ(テレビの下)汚くしてるじゃないか!!」と逆ギレ。確かに,テレビの下はほこりとごみが・・・。ものを言う前に,きちんと仕事をしましょう。

 精一杯遊んで満足していますが,部屋中散らかっています。散らかっていても平気であるということは,気持ちの質が問題になります。外には,玄関で靴を脱ぎっぱなしにしても意に介さないなど,○○しっぱなしということがあれこれと思いつくはずです。後片付けがきちんとできる子どもは学業の成績も高くなることが知られています。遊んだ後を片付けると気持ちがいい,散らかしっぱなしにすると気持ちが悪い,そういう感性を育ててやりましょう。叱って片付けさせるのではなく,片付けてほめてやりましょう。魂を喜ばせることです。

 やり尽くしたという満足感が,次への意欲を育みます。ところで,やり尽くしたと思うためには,これで全部という判定ができなければなりません。始める前に,今日はこれとこれとこれという仕事の全体を予定しておくことが必要です。もちろん想定外のことが起こることもあります。それも含めて,し残しはないという確認が得られれば,気持ちの静けさが訪れるはずです。今日はここまでという予定を立てる,それは物事の段取りを決めて取り組む姿勢を育てることになります。明日につながる気持ちを持つことが大事です。

 終わりよければすべてよしという言葉があります。ところで,よければという判定をするためには,基準を持っていなければなりません。価値観です。したことが善きことか悪しきことか,真であるのか偽であるのか,美であるのか醜であるのか,もう一人の自分が判定できる能力を備えていれば,堅実な生き方ができるでしょう。さらには,善きことをしたときの充実感と,悪しきことをしたときの虚無感,そのような相反する情感を持つようになれば,人生針路に迷うことはありません。

 子どもは,ともすれば,面白いかどうかといったことを気にします。遊び事であればそれも大事なことですが,それ以外に気にした方がいいこともあります。それを教えてやるのが,親のフォローです。子どものしたことを面白さということとは別に,仕遂げたことや集中できたこと,協力できたことなど,よい面を見つけて真面目に受け止めてやります。もう一人の子どもが気付いていないことをきちんと認めてもらえることは,子どもにはとてもうれしいことです。能力を発揮する快感,機能快が育まれ,心は穏やかになります。

 例えば,勉強に対する動機付けには,二つの分かれ道があります。自分の知的能力,学力を高めて,競争に勝ち抜き,よい会社に入り,そこそこの暮らしをエンジョイしたいと思う道があります。もう一つは,今時皆無でしょうが,しっかり勉強してお金を儲けて親や兄弟を楽にしてやりたいと思う道です。自分のためか,家族のためか,途中までは同じですが終着点が違うと,勉強に対する覚悟に雲泥の差が現れます。子どもを家族から引き離し個人にすると,弱くなります。守りたい人がいる人は強いということを思い起こして下さい。

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※仕事が済んで,快く力を出し切った子どもには,精神的な魂の静けさをおくりながら現れなさい。
 子どもの仕事の最後はとても大切です。決して安っぽい褒め言葉や子どもだましで終わらないように。



 今子どもはもっとも進んだ世界に育っています。これほど便利な世界は昔の王侯貴族の世界など足下にも及びません。例えば,どこにも水道があり水洗便所があること,数世代前の人には信じられないことでした。この便利さが,人の意識に影響しないはずがありません。人間は自然の生き物であるという事実を見失っています。子どもは育っているということを忘れ,こうすればこうなるという機械仕掛けのような思惑を当てはめています。思うように育たない,それが当たり前であると思い起こさないと,親子ともつらいことになります。

★落書き★

 弓道で弓を支える左手を「押し手」と呼びます。一方で,自由に動かせる右手のことを「勝手」と呼びます。この呼び名が他所に波及しました。台所をお勝手と呼ぶようになったのです。女性が自由に使えるところだったからです。今の女性は,台所だけではなく,寝室もリビングも勝手に使っていますが,昔は女性の思い通りになる場所といえば、一切を任されている台所しかなかったのです。


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