*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 89-13 章」


『子育ちは ずれを感じて 正しつつ』


■子育ち12情動■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第13情動』

【平穏情動!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第89版では,情動知能について触れてみるつもりです。内省的知能と対人的知能,つまり自分自身を見つめる知能と,人と人との間の関わりに関する知能に分けられています。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応しています。人としての育ちの全体的なイメージを構成できる助けになればと願っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《ずれて制御し安定に》
 もう一人の自分は,自分を制御しなければなりません。そのためには自分の今の状況を認知しなければなりません。例えば,自転車に乗っているときの制御は,少しの左右への傾きを感じてハンドル操作で補正をし続けることで可能になります。ずれがあるから制御できるのであり,もしずれがなければ制御しようがないので不安定になります。子どもの育ちも同じで,平穏に育っていくためには,自分の状態のずれを感じ取らなければならないのです。生きている実感が大事になります。

○お子さんは,うれしそうにしているときがありますか?

 遊びでも勉強でも、何かをしているとき,できた,分かったという瞬間には、うれしそうな様子が見て取れます。子ども自身も喜びの気持ちを感じていて,先ほどの何も感じない平穏な自分から少し育ったという実感を味わっています。日々の家庭や学校,地域での生活の中で,昨日と違った体験に向き合い,新しい経験をする毎に喜びを感じて育ちの制御ができていきます。周りの大人が「できたね」と認めてやることによって,喜んでいいという育ちの制御を会得できていきます。

○お子さんは,不機嫌であったり,浮かない様子になることはありませんか?

 事がうまく運ばないこともあります。そんなときは負の気持ちが子どもを襲います。理不尽なことに見舞われて怒りの気持ちがわき上がり,大事なものを失って哀しさに追い込まれ,平穏ではいられなくなります。今の自分は良くない状況にあるというサインを感じるのです。その状況から抜け出す制御をすることが必要です。助けを求めて環境を是正したり,自分の立ち位置を改正したりという対策により,平穏な状況を取り戻すようにします。健康面でいえば,熱が出て苦しいときは薬を飲んで平熱に戻すのです。

○お子さんは,うきうきと楽しそうにしていますか?

 子どもが好きなおかずのある夕ご飯前は,うきうきして「ま〜だ〜」とか言っています。食べ終わって満腹になると,どんよりしています。昔から腹八分が健康のもとと言われていて,満腹は不健康を招きます。満腹感を感じているときは,既に食べ過ぎになっているからです。食欲は反応が遅いのです。万事が少し満たされないという状況にあれば,楽しみになります。遊びでも,勉強でも,今日はここまでと区切っておけば,明日が楽しみになります。続きは明日とつないでいくようにすれば,平穏な状況が楽しみをもたらすように,育ちを制御できていくはずです。



 ご飯やパンは味がないとすると,食べたくありません。そこで,味のあるおかずが必要になります。ところで,味のあるものだけを食べていると,やがて濃い味しか感じなくなっていきます。ご飯を一緒に食べるから,味覚がリセットされて,薄い味に反応することができます。贅沢ばかりしていると,ありがたみがなくなって感激が薄れてくるという淵に呑み込まれます。平穏さを普段の状態にしておくことが,健全な暮らしの基盤なのです。ささやかな喜怒哀楽に幸せがあるようです。

★落書き★

 神社にお参りしたときにかしわ手を打ちます。3世紀後半に中国で書かれた魏志倭人伝にも,かしわ手についての記述があるそうで,古くからのものです。その意味ですが,たとえると,神様の部屋をノックする行為だということです。自分が神様の前にやってきたので、ちょっとこっちを向いてくださいという呼びかけなのです。神様は私たちのお参りを待ち構えておられるわけではなく,何かしらお忙しいようです。

「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第89-12章に戻ります
「子育ち12章」:第90-01章に進みます