*** 子育ち12章 ***
 

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「第 95-10 章」


『子育ちは 今日の目当てに 直向きに』


■子育ち12資質■

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『子育ち第10資質』

【明日の幸せを期待できる】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第95版では,こどもができるようになっていく資質という面から育ちを考えていきます。こどもの健全な育ちというものの中身を具体的なできることに表してみます。それぞれが程度に違いがあってもそれは個性になりますが,そのことを自覚しておけば,幸せに生きていくことができます。何となく育っているように思えても,生きる喜びをしっかりと自覚する視点を身につけて欲しいのです。もちろんこれまでのように,健全な育ちを実現する羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思います。

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《期待するのは何故ですか?》
 思い通りにできない自分の弱さに耐えて,今の自分にできることを見つけようとすることが子育ちの第9の能力でした。やれなかったのではなくやらなかった後には,後悔しか残りません。ところで,明日の幸せを信じることができなければ,やってみようという気持ちにはなりません。
 毎日を漫然と暮らすのではなく,目標を思い定めておくと適度の緊張感が背中を押してくれます。どんなことでもいいから到達したい展望を持ち,そこにいたるステップとなる目標を定めます。今日はここまで,今週はここまで,今月はこの節目まで,今年はここまで進むという目標を設定します。大まかな計画です。もちろん計画は進み具合に応じて変更を余儀なくされますが,そこは柔軟に対応します。怠けるのではなく,より実現性を高める見直しをするのです。
 何処に行こうかという先があやふやな状態では足を踏み出せませんが,あそこに行こうとなると歩きだすことができます。継続は力なり。その継続を促すのが具体的な目標です。継続という努力はゴールを目指して発揮されるものです。
 明日に楽しいこと、うれしいことを見つけると、今日をがんばることができます。
 親は子どもの弱点を見るとき,今のままでは困るという発想にとらわれますが,今のままであるはずがないと気付くべきです。そうしないと,子どもは明日の幸せに向かって育つ意欲を封止されます。
 親は子どもの将来を期待します。その期待に応えようとして,子どもは育ちに励みます。将来の期待は子どもにはとても遠くて重すぎるので,期待を小分けにします。大人になってどうこうという想像が難しい期待ではなく,身近ですぐ届くような分かりやすい期待にしましょう。

 チャップリンの映画ライムライトで語られる台詞があります。「生きていくのに大切なことが三つある。希望,勇気,そして些かの蓄えである」。経済的な資産は些かでよいのです。希望と勇気こそが生きている証しというのです。自分にできないことをしようとする無茶ではなく,できることを見つけて実行しようとする勇気は,希望とセットになっているのです。どちらが欠けても,いけないのです。

 自殺というあってはならない選択がありますが,日本では若年層が衝動的にという例が多いのですが,欧米では老人が厭世的にということのようです。子どもの自殺に対し原因を追求すると,引金が推測されたり,思い当たらなかったりします。大事なことは,自殺の誘惑という危機を乗切れることです。自殺に引き込もうとする悪魔の誘惑は根絶することは出来ません,個人差もあります。テストが悪く自殺を決意というときに,思いとどまれるのは,「人間(私)の生命は学校の成績とは比較にならないほど尊い」という生きる目的を確信していることです。

 幸田露伴が,リンゴの木になぞらえて,幸福の状態を4つに分類してくれています。
    有福:おいしい果実を実らせているリンゴの木の持ち主
    惜福:樹の健全をはかって,果実をみだりに取ることをしない工夫
    分福:ご近所や友達に分けて,皆が得る福によって自分の福とする
    植福:種を蒔いたり,苗を育て,手入れをし,利益の源泉を作り出す
 植福は,喜びの種蒔きになるのです。明日の幸せという収穫は,今日の種まきという苦労によってもたらされるのですが,人は順序を逆に受け止めて,明日の幸せを目指して今日の苦労はきちんと引き受けようとするのです。



 前の切り抜きに悲しい出来事が載っていました。小学6年生が冬休みの宿題の書き初めをしていて,うっかりして絨毯に墨を零してしまいました。ティッシュで拭いたのですが,とれません。習字紙に「ごめんなさい」と書き置いて,高層アパートのベランダから飛び降り自殺をしました。書き初めの文字は「希望の光」でした。レンタルビデオを紛失して自殺をした高校生がいます。卒論の修正が間に合わなくて自殺した大学生がいました。失敗は恐ろしいこと,取り返しが効かないことであり,あまりに脅しが効きすぎていないでしょうか?

★落書き★

 紙コップ式の自動販売機では,ジュースにコーヒー,コーラのどれを買っても,同じところから紙コップが出て,同じ注ぎ口から飲み物が注がれています。ところで,前の人がコーヒーを買った後でオレンジジュースを買うと,味が混ざってしまうのではと心配したことはありませんか。紙コップに直接コーヒーやジュースを注いでいるのではなく,何段階かに分けて注ぎ,最後に注ぐお湯や水でパイプを洗うようになっているので、心配は無用のようです。

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