*** 子育ち12章 ***
 

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「第 96-09 章」


『子育ちは 今日の一歩が 明日育ち』


■子育ち12視標■

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『子育ち第9視標』

【進化あり】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第96版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,見えて感じることができる視標という面から育ちを考えていきます。それぞれの完成度に違いがあってもそれは個性になり,一応の評価ができるようなら,幸せに育っているということができます。子どもの育ちは見えにくいものですが,羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思っています。

《何故育つのか(私の育ち)?》
 「子どもを不幸にする一番確実な方法は何か? それをあなたは知っているだろうか。それはいつでも何でも手に入れられるようにしてやることだ」。欲しがるものを与えれば子どもは喜びますが,手に入れるために子どもは何もしていません。欲しいという気持ちが育ちに組み込まれていません。欲しいと思うことと手に入ることとは違うということ,そこに我慢を持ちだして,自分はどうすればよいかと,気持ちの変動をすることが育ちのプロセスに入ることになるのです。

 3人兄妹の真ん中の子が発達障害です。ある日母親が2つのケーキを買ってきて,兄妹に半分ずつ,真ん中の子に1個を与えました。真ん中の子は食べようとしません。母親は気付いて,母親と半分にしました。真ん中の子は喜んで食べました。自分だけが1個というひいきをされたら,食べられなかったのです。知恵が遅れているという見方に固定するのではなく,自由に変動する見方をすることで,子どもの良さを育ててやることができます。

 子どもは可能性を持っており,それを伸ばすことが育ちです。何もできない子どもが,育ちによってできるようになっていきます。昨日の子どもは明日の子どもに変動をしていきます。そして今日の子どもは,自分の可能性に向かう自己変動の活動をしています。人は日々変動しています。子どもの時に思っていた通りの人生を突き通すことはできません。さまざまな紆余曲折があり,それに対処できるように自分を変動させていく,それが育っていくということです。昨日は弱くていい,明日は少し変わっていくから・・・。



 試験をしていて感じることがあります。最近の受験の態度についてのことです。限られた経験でしかありませんが,問題を見ても,手つかずのままに放置して,0点に甘んじている学生が増えているということです。勉強というのは,今できることをして,壁を見つけることがなければ進みません。育ちが変動であるなら,何が変わればいいかという課題を発見しなければ対処しようがありません。変動とは,壁を突破することです。できるところまでは今の力で進んでいく,それが育ちのスタートダッシュなのです。

★落書き★

 リングといえば輪っかです。ところで,格闘技の行われる場所をリングと呼びますが,四角です。ボクシングの歴史を眺めてみます。18世紀にイギリスでボクシングがスポーツとして整備されました。その時の試合場は地面に書かれた輪でした。そこで,リンクと呼ばれていました。後に,観客が応援しやすいように,一段高い台を設けてリングにしました。このとき,選手の落下防止策としてロープが張られましたが,丸よりも四角いほうがロープを固定する柱の数が少なくて済みます。そこで四角いリングが生まれてしまいました。

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