【第1章 親と地域とのつながり】
まず,親はどのような地域生活をしているかについて,調査結果を見ていくことにします。
2.親と地域の子どもとのつながり(2)
○近所の子どもにあいさつや声かけをしてやってほしいのですが,
近所の子どもなら気軽に声をかけてやれます。しかし,5年の壁が現れています。近所の子どもの背後にはその親がついているからです。5年を過ぎて親とのつきあいが十分になると,声かけも一層進むというわけです。
○まして危険な遊びをしていたら,注意するべきなのでしょうが,
危険な遊びを注意するときは,かなり踏み込んだ言葉づかいが必要になります。「やめるまで注意する」は特徴的な居住年数依存性を示しています。1年未満では純粋に危ないという思いやりが発揮されます。しかし1年,3年と経つとその思いやりにブレーキがかかります。子どもの親への余計な気遣いがためらいをもたらすようになります。5年を過ぎると,親のつながりが信頼のある段階になるので,注意することができるようになります。
近所の子どもとのつきあいは親にとってはそれほど難しいものではないでしょう。関わりの割合が高いことでそのことが分かります。しかし,子どもの背後に地域の親を意識しないわけにはいきません。それが5年の壁として見えています。