1216年 (建保4年 丙子)
 
 

5月9日 [皇帝紀抄]
  流人宣下の事有り。僧盛圓を常陸の国に遣わす。長源同国。堪盛は伊豆の国。仙秀は
  佐渡の国。覺秀は出羽の国。仙幸は越後の国。延應は隠岐の国。禅定は上総の国。安
  意は安房の国。勝圓は下野の国。観賢は能登の国。増秀は越前の国。幸秀は遠江の国。
  實幸は下総の国。義圓は信濃の国。これ安楽寺の悪徒十七人の内なり。
 

5月10日 壬戌 霽
  御所の御持仏堂に七仏薬師像を安置せらる。また供養の儀有り。導師は小河法印忠快。
  即ち同人を以て七仏薬師法を修せらる。
 

5月13日 乙丑
  将軍家法華堂に参らしめ給う。仏事を修せらると。
 

5月18日 庚午 晴
  七仏薬師法結願。施物已下の事美を尽くさる。相州・武州・遠江の守・駿河の守以下
  着座す。堂上花の如し。
 

5月24日 丙子
  将軍家山内の辺を歴覧せしめ給う。期せざるの間諸人追って馳参すと。
 

5月25日 丁丑
  恩沢の沙汰有り。また新御堂寺領の事定めらると。