写真を見て想像される通り、岩山の稜線に沿って上から人力で掘り進み、すべての仏間や仏像、彫刻群を一塊の石の
断崖から掘り出したのですから驚愕物です。 その真偽のほどは、彫刻に流れる石の微妙な色の変化や積層の文様
から充分に読み取る事が出来ます。 ジヤィナ教・ヒンドゥー教・仏教の三様三代にわたる石窟群が32窟に彫り分けられ
ています。 何と言っても圧巻はヒンドゥー教の第16窟 カイラーサナータ寺院(上記 パノラマ写真)です。
石の崖を見て、登れないから階段を掘ろうと言う事は考えますが、上から掘って三階建の鉄筋コンクリートの家をそこに置く
家具から仏様・居間の飾り物・礼拝場まで削り出すなんて誰が考えたのでしょう! 石の文様や亀裂まで間違いなく一つの
連続した石であることが誰の目にも明らかです。 一つぐらいは失敗もありそうですが、当時人生30年のインドでどうして
このような建造物?が作れたのか、次世代に設計が受け継がれたのか、計り知れないインドの底力を感じます(画面タッチ)
重機もダイナマイトもない時代に、こうした構造物をどのようにして削っていったのか不思議であり、人間の素可能性に計り知れ ないものを感じます。 兎に角継ぎ目なしに、柱も仏も建造物も彫り出されているのですから、その技術力は理解の他です。 |
世界遺産観光地に至る街道のごくありふれたインドの風景です。 この落差が堪らないと言う人もいれば、私のように 目を白黒させてしまう者もいる事でしょう。 男性はチャイを飲んでたむろし、女性はせっせと畑仕事や家事にいそしむ。 カースト制はなくなったと言われますし、都会のショッピングセンターなどでは最先端の女性を多く見かけますが、一歩地方に 足を踏み入れると「男尊女卑」の世界が厳然と感じられます。 |
右の写真はエローラ石窟寺院の観光基地空港となる「アウランガバード」にある「ビービー・カ・マクラバラー」と言う廟です。 誰でも知っている左の写真「タージマハル」とうり二つ、空気の澄んでいるのが救われますが、大理石は中央の塔のみの 模造品? この地を統治する帝王が母をしのんでタージマハルを模して建造したものだそうです。 |