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中国史全般予習復習

別冊歴史読本 中国4000年歴代皇帝人物辞典(新人物往来社)

中国で発行された本の翻訳で、内容は書名の通り歴代皇帝、后妃、宗室、公主紹介が
いなかった私としては少々不満ですが、主な皇帝関連人物についてざっと調べる分には
カバーできているかと思います。不満を一つ言えば、家系図が間違えているところが何箇所かあること。

その後河出書房より愛蔵版が出ましたが、間違いが直っているかどうか…。

 

別冊歴史読本 中国4000年歴代王朝秘史(新人物往来社)

 この本は上記の『中国歴代皇帝人物辞典』の姉妹本です。こちらは人物よりも歴史の中の

出来事や事件を多く掲載されています。この2冊を合わせて読めば中国史について、広く浅く知ることが出来ます。

こちらも河出書房より愛蔵版が出ています。

 

小説十八史略1〜6(陳舜臣著 講談社文庫他)

 中国史を取り扱う代表的な小説家である陳舜臣の十八史略本。

『十八史略』は殷〜宋末までの歴史を摘録したものですが(その為発行された当時、中国の歴史家の間では

あまりいい評判を聞かなかった)、この本は歴史書としてではなく、中国史をよく理解されている方が

書かれた、題名にもある良質の小説だと思います。後書きいわく“小説〜”とつけたのは、

架空の人物を出して話を進めようと思ったからだそうです。

結局はその人物像の厚さに架空の人物は出せなかったそうですが、原本の十八史略で未掲載の人物を

ばんばん出してくれたのが、小説の小説たる所以だといえます。ちなみに、尾崎の蘭陵王はまりきっかけ本でもあります。

 

絵で見る中国の歴史 全6巻(岡田 英弘監修 原書房)

 中国原始時代から清朝までの歴史の流れをわかりやすく絵物語化した本。全ページが絵で説明されているので、

これが一番わかりやすいかも。いわゆる連環画形式で見やすいです。

また歴史の流れだけでなく、その時代に興った文芸や科学、社会風俗についても書かれています。

中国で児童向けに発行された本を翻訳したものなので、使用されている絵も本場物でGOODです。

ただし、章ごとの絵が当たり外れの差は激しい…。

 

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中国南北朝ポイント狙い

東洋文庫 幽明録 遊仙窟他(前野直彬、尾上兼英他訳 平凡社)

 こちらに入れていいのかどうか悩んだのですが、中国南北朝時代の雰囲気を表している書物として

考え、こちらに掲載しました。

 中国南北朝時代に書かれた言い伝えや伝承をまとめた書物。題名にもなっている『幽明録』『遊仙窟』

以外にも『後捜神記』や「比較文学論」でも引用させて頂いている『旌異記』なども収録されています。

お話的にちょっと考えてしまうような話もありますが(「経を誦む舌」とか…)、内容的には読み易いかと

思います。最後の『幽明録』については後ろの解説を読むまで「何だこの調子のいい話は…」と思いましたよ、私(苦笑)

 

大唐帝国 中国の中世(宮崎市定編 中央公論社

 掲載されている時代は漢から隋唐までで、三国時代しか知らない人でも、後漢時代の動乱から丁寧に書かれて

いるので、導入もそんなに難しくなく、三国時代以降の流れを詳しく知るにはよいかと思います。文章も難しい

言葉はあまり使用されず、読みやすい文章です。この本の編者宮崎市定先生は主に隋唐時代について

数々の著作を残されている方です。また、中国南北朝末から隋までの時代の流れなどについては

次で紹介する『隋の煬帝』で詳しく書かれています。

 

隋の煬帝(宮崎市定著 中央公論社)

 尾崎が煬帝に転んだきっかけを与えてくれた本。中国南北朝の動乱に始まり隋の滅亡までを書いた本です。

中国南北朝時代がどのような時代であったか、その時代の中で如何にして隋という国が建国されたか、また煬帝の

高麗征伐が成功していれば、彼は名君と言われたかもしれないかということ等等とても興味深く読める本です。

資料を多く引用しながらも文章は読み易いのも良いです。

 

陵王 上(娑姫羅 著 転倒坂学問所発行)

 実はこの本は同人誌なのですが、内容が素晴らしいので書かせていただきます。著者の蘭陵王に対する愛情が

高まった結果発行された「もっと蘭陵王について皆様に知ってもらいたい」意欲に彩られた本。

蘭陵王についてだけではなく、北斉について、蘭陵王の兄弟などの紹介があり、北斉や蘭陵王について詳しく

知りたかったらこの本を読みなさい!!とマジで布教本にできます。一緒に描かれているイラストもかわいくて、

尾崎的にはうらやましい限りです。また、転倒坂学問所さんでは史実の蘭陵王だけでなく、雅楽の蘭陵王についての本も

発行されています。こちらも読みやすくてお勧めです。

←『陵王 上』ですが、200012月をもって完売いたしました。再発行は残念なことに今のところないそうです。

 

思い込んだら試練の道を行くが女のど根性(娑姫羅 著 転倒坂学問所発行)

 いいじゃないですか同人誌紹介しても、ということで紹介させていただきます。200010月に「蘭陵王好き」が

高じて「蘭陵王お墓参りツアー」に行った時の旅行記です。個人旅行でそこまでやるかい!?という位、私ら

はちゃめちゃやってまいりました。尾崎も食道楽レポート書かせて頂いております。

 

魏晋南北朝(川勝 義雄著 講談社学術文庫)

 やっとお手ごろサイズになって読みやすくなりました!やっぱり南北朝時代は面白い!!と実感する一冊です。

秦漢と隋唐という間の時代を担うこの時代を民族や西洋の歴史を交えて説明しています。

中国南北朝時代を「華やかな暗黒時代」と表現したのが、あまりにぴったりしすぎてて素敵です。

 西洋のように文化が途中で途切れることなく形を変えながら「中華」という流れが継続していたのは

今考えてもすごいことなんですよね。中国も西洋に負けず劣らず分裂と混沌を繰り返したことを思えば。

文章以外の地図や年表関係史料も充実しています。文庫サイズでこれだけのボリュームがあって

史料として考えれば1,450円は安いですよ〜。

 

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専門的中国南北朝

酉陽雑俎(段成式著 今村与志雄 訳注 平凡社東洋文庫)

 唐代に書かれた『酉陽雑俎』の訳本。あまりにも長いので15巻の分冊となっております。

一言で言えば当時の奇怪なことや珍しいこと、面白い話を集めたエピソード集みたいなものです。

当時のエピソードだけではなく、前時代に関するエピソードも掲載されていて、資料としても読めます。ただ…ちょっと難しいかも…。

 

世界の歴史6 隋唐帝国と古代朝鮮 (礪波 護/武田 幸男著 中央公論社)

自由が丘の古本屋さんにて700円で購入。題名通り中国隋唐時代(含む両晋、五胡十国〜南北朝)

その頃の古代朝鮮についての流れについて書かれております。

 一応時間の流れにそって構成されてますが、各章の内容自体は結構ばらばらな感じ(褒め言葉)なので、自分の好きな章から

読むことが出来ます。宗教関係の記述が詳しいのがありがたいです。

 

増補 隋唐帝国形成史論(谷川 道雄著 筑摩書房)

 京都大学名誉教授である著者が195869年にかけて発表した論稿をまとめたもの。

どちらかというと北朝に関する論文が多いです(これは尾崎的には大変よろしいのですが、ええ)。

五胡十国時代から隋初までの興亡を主に政治的観点から書かれています。

ミーハー心だけで中国南北朝という時代を知った尾崎にとって正に「勉強させられる」本です。

学生時代の教科書っぽい。本文はいくつかの章に分かれて書かれているので、

必要な章だけ読んで知識を蓄える事も可能。

 

魏晋南北朝通史 内編(岡崎 文夫著 東洋文庫506 平凡社)

 昭和7年に発行された『魏晋南北朝通史』を底本として書かれた本。後漢末の動乱から隋統一までを書いた本…ですが、

はっきり言って文体が古めかしいので、少々読みにくいかもしれません。でも内容は詳しく書かれていてお勉強できます。

 

顔氏家訓12(顔之推著 宇都宮 清吉訳注 東洋文庫511514 平凡社)

 中国南北朝時代を生きた士大夫の顔之推が自分の子孫の為に書き残した人生指南書の翻訳本。顔之推という人は

最初南朝梁の役人だったのが、内乱により北朝に仕え、隋朝まで生きた人物です。

 内容は子弟の教育、家族間のあり方やみだしなみ、冠婚葬祭、北と南の風俗の違い、学問のへの心構えや仏教、果ては、音韻や諸文芸に

ついて幅広く書かれ、当時の人々がどのような生活を送っていたのかがわかる本でもあります。

特に、教育・家族間のあり方についての章は、現在にも通じるところが有り、昔も今も親は躾に頭を悩ませていのか〜と妙な親近感を覚えました。

 顔之推は北斉に仕えていた時期に蘭陵王たちと交際したらしいみたいで、この本にも一箇所だけ蘭陵王の名が出てくるところがあります。

 

最新歴史年表(平田俊春著 朋友出版)

 最新’と銘打ってありますが、これ自身の発行が平成5年なので平成6年以降の年表は当たり前ですが、掲載されておりません。

 この本の一番の特徴は、日本と東洋、西洋の時代の流れが同時にわかるというところです。スペースの関係上、事件の事柄に

ついては詳しく載っていないので、自分で調べるのしかないのですが、巻末付録に各国の王朝の系図があることと、索引が年号、

人名、事件別に調べることが出来る優れもの。

 

騎馬民族史 正史北狄伝(1)(2) (内田吟風、田村実造 佐口透 山田信夫 護雅夫 訳注 平凡社東洋文庫)

 北朝好きが高じてとうとう買ってしまいました。中華の人々に「北狄」と呼ばれた突厥や鮮卑ら北方民族についての伝を翻訳したもの。

民族のはじまり記述から既に中華思想…。

 

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漢籍への誘(いざな)い

北史全十巻、北斉書全二巻、隋書全五巻(中華書房)

 もうそのまま正史です。ただし、尾崎は自分の必要な個所しか読んでいないので、未だにそれぞれの

正史の全体像を把握しきっていない馬鹿者です。

 

北朝四史人名索引 上下(中華書房)

 上記に挙げた本と北周書を合わせた北朝四史に掲載されている人物達の索引本です。正史のページと

呼応しているので「この人物って何処に掲載されていたっけ?」と調べたページ数で、正史を探せば

すぐにわかるという優れもの。人物名だけでなく、役職名や封爵名でも引けるので便利です。

 

中国帝王皇后親王公主世系図 上下(柏楊著 中国友誼出版公司)

 その名の通り、帝王や皇后、親王公主などの姓名や封爵が国ごとに分かれ表になってまとまっている本。

それだけではなく、歴代王朝の興亡の流れや歴代建都表なども掲載されています。表という形で掲載されている

ので非常に見やすく、あまりページを割かれない親王や公主たちのことも細かく書かれているところが、大ヒット!

 

柏楊版 資治通鑑363738394041(柏楊著 遠流出版公司)

 上記と同じ人が出した『資治通鑑』の分冊。本家の『資治通鑑』は周〜五代の終わりまでを編年体で

記したものですが、台湾では分冊で発行されているので、自分の欲しい時代だけ買えるのが嬉しいです。

更に巻末に役職制度や後宮官位の一覧表が付いているので、感激しまくりでした。色々な人に勧めてます、いやマジで。

 

魏晋南北朝社会生活史 (朱大渭 劉馳 梁満倉 陳勇 共著 中国社会科学出版社)

 先日神保町の内山書店で見つけたり出し物。資料の少ない中国南北朝時代にあって、今まで服装や冠婚葬祭、

宗教、行事、娯楽、教育、医薬などの生活について、少数民族の生活様式についての資料をまとめたものです。

今のところ、北斉の部分だけ拾い読み状態ですが、ホームページや漫画に反映させたいです。

この本はシリーズ物で、他に秦漢、隋唐五代、宋、明時代の社会生活史があります。

 

中国歴代后妃大観

以前から持っていたのですが、今回やっと紹介できます。伝説時代から清朝までの主な后妃達の紹介本です。

尾崎が今まで出した女性紹介本の基礎資料でもあります。女性達について知りたい場合にはこれがお勧めです。

ただ一部生年に間違いあり。それさえ無ければいい本なんですけどねえ。

 

中国歴史地図集 第四冊 東晋十六国・南北朝時期(譚其驤主編 地図出版社)

 引越しの整理をしていたらひょっこり出てきたという、ちょっと可哀想な本。

題名どおり、東晋十六国・南北朝時期の地理や地名を収めた本です。時代や王朝の流れに沿って変化していくの

で、その時代の地図を見たいときには適任です。また、地図上には現在の地名なども記載されているので

比較するにはよろしいのではないかと思います。遺跡調べにもいいかもしれない…。

 

二十五史人物大辞典(上)(下) (黄惠賢 主編 中州古籍出版社)

 その名の通り、中国二十五史に掲載されている人物達の辞典です。これでどの時代にはまっても大丈夫♪

←そういう問題じゃないだろう,自分。

 

新編中国歴朝紀事本末(上)(下)魏晋南北朝編(山西教育出版社)

 北京の北京図書大厦で購入した成果の本たち。最初瑠璃チャンで見つけたのですが、ここでは何と

バラ売りしてくれなかった(全13冊も買えるか!!) のですが、西単の図書大厦で再び見つけました。そして、

バラ売りオッケーだと知ったときの感激といったら。内容は題名通り魏晋南北朝時代の歴史上の出来ことをまとめたものです。

章の題名に「蘭陵王入陣曲」というのがあったので、それに惹かれました。うふふ。

 
ギョウ城歴史故事(侯延生編 国際文化出版公司)

 邯鄲のギョウ城跡地で購入した本。印刷が薄かったりかすれていたりして、読みにくいですが、

日本では絶対手に入らない資料なので、とても嬉しい。三国時代からの業?城に関わる故事を掲載しています。

しかし!この本で一番の目玉は挿絵の高洋上半身裸だ!!しかも若い!!別ページの高演はひげ生えているのに……。

 

ギョウ城曁北朝史研究(劉心長 馬忠理 主編 河北人民出版社)

 邯鄲のギョウ城跡地にて購入した本の一冊。今回の旅で案内してくださった馬老師の御本でございます。

北魏から北斉までの業?城に関する論文がまとめてあります。勿論馬老師の「磁県北朝墓群―東魏北斉陵墓?域考」

も掲載されています。有難う老師!他には北斉蘭陵王高粛墓誌などの、東魏〜北斉の墓誌も掲載されています。

墓誌の文章を拝めるのも馬老師が二ヶ月以上も粘ってくれたお陰です!!ボンノー……

 

大専用書 隋唐史(王壽南 著 三民書局)

 200012月に台湾行ったとき購入した本。こういう本が日本語訳になってくれることを切に願います。

それくらい隋〜唐末までほぼ完璧にカバーしている本です。でも不肖尾崎はまだ第一章の隋代的統一興建設まで

しか読んでおりません。目次見る限りですと、安氏の乱以降の歴史等もきちんと押さえられています。

唐末まできちんと押さえてある本って、意外と少ないですよね。こういう本を読みこなせれば、隋唐に関する

知識は完璧ですね。「大専用書」とあるので大学講義用の本です。でもいい。

 

柏楊歴史研究叢書 中国歴史年表上下巻(柏楊 著 星光出版社)

 その名の通り中国歴史年表本。その範囲は神話時代〜清滅亡まで幅広くカバーしています。

この本と似たような本は日本語でも持っている(最新歴史年表(平田俊春著 朋友出版))いるのですが、

今回購入した本の何がいい!かといえば、国が乱立したときの国号が全部掲載されているところと、

「漢字」の持つ「情報量の多さ」を生かした簡潔かつ適切な文章というところです。漢字の持つ情報量については

中国語では当たり前のことなんでしょうが、これって結構重要だと思う。

 中国以外の西洋の事件等についても触れているので、色々比較対照できるのもまた楽しいです。

でもこの本上下巻とも厚さ3センチもあるので読み応えアリ(苦笑)。

 

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ヴィジュアル専門

中国古代服飾史(周?保 著 中国戯劇出版社)

服飾史だけあって、時代ごとの服飾や髪形についての説明がされています。

図も多いので参考にしやすい一冊です。本体が重くてコピー取るとき持っていくと非常に疲れるのが欠点。

 

中国古代人物服式与画法(胡海超 編 上海人民美術出版社)

 上記の本が「服飾の歴史」に重点を置いているのに対し、この本は「描き方」に重点の置かれた本。

服飾、髪型の基本だけではなく、人物のポーズ付けや、冠や襟のデザイン、室内の装飾や楽器なども

掲載されています。尾崎が構図で困ったときの助っ人でもあります。

 

中国一百帝王図、中国一百后妃図(新世紀出版社)

 それぞれの時代の皇帝や妃達を紹介している本です。掲載されているイラストがとても参考になるので、

こちらに載せました。いや本文の説明も非常に参考にしていますが、とてもイラストが綺麗でつい…。

 

中国一百仕女図(嶺南美術出版社)

史実・伝説織り交ぜ、中国歴史上に名を残す女性達の紹介です。上記の『帝王図』『后妃図』と同じ形態で

構成されております。尾崎の知らない女性達も結構紹介されていたので、読み物としても面白いです。

 

中国服装色彩史論(李慶強 著 南天書局有限公司)

 2000年7月に台湾行ったときに購入した本です。各時代の儀礼服や普段着などの色彩について書かれています。

各時代の流行色や実際の服の色や、色の作り方配分表も載っています。

 

中国古代建築(喬勺・劉叙杰・傳熹年・郭黛(女亘)・潘谷西・孫大章・夏南悉 合著 木馬文化出版)

 台湾旅行で買ってきた建築本。A4より一回り大きいサイズで300ページ以上、しかもハードカバーという

持って帰るのにえらく体力を必要とした本ですが、この本何が好いかと言いますと、フルカラーなんです。

本当きれいです。見ててあきないですね〜。中国南北朝という時代に限定すると、ページ数は少なくなって

しまいますが、それは仕方が無いと言うことで。

 巻末に簡単な「中国古代建築大事紀略」と「中国古代建築部分名詞」付。

 

以下の本はイラストを書いていて行き詰まったときに利用する心の友達()。いつも頼ってばかりです。

内容が内容なので本の説明は省略しました。

 

世界文様辞典(西川ハルオ著 創元社)

中国文様辞典(周燕麗 片野孝志 編 河出書房新社)

龍と鳳凰図案集(劉大為編絵 趙春堂責任編集 発行(株)MPC

敦煌図案集(欧陽琳 史葦湘 史敦宇編絵 上海書店出版社)

 神保町で見つけた本。北魏〜元までに敦煌莫高窟で描かれた壁画などを線画で起こしたものです。

唐代図案集(故宮博物院陳列設計組織編 北京人民美術出版社)

 唐代の銀器や衣服、建築などに使われた図案をまとめたもの。

古典藝術図案精選()〜紋様篇、辺框篇、花卉篇〜

古典藝術図案精選()〜辺飾篇、龍鳳篇、瑞獣篇〜(共に呂玉琴主編 総合出版社)

 これまた台湾で購入した本たち。絵柄も大きくとても重宝しています。ちゃんと図案の裏が白なんです。

TRADITIONAL CHINESE DESIGNS 

Stanley Appelbaum編 Dover PublicationsInc.,New York

本自体は薄いけれど(中綴じだし)、使える図案多し。ペーパーバックフェアのときゲットしました。

The New Book of CHINESE LATTICE DESIGNS 

(Daniel Sheets Dye編 Dover PublicationsInc.,New York)

 題名通り中国の窓枠・格子戸デザイン中心の本です。

 

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中国5000年の妙技


中国喫茶文化史(布目潮風(本当はさんずいに風)著 岩波現代文庫)
やっと購入できた布目先生のお茶に関する歴史本。日本・中国に限らず東南アジア全般で普及しているお茶の起源、

普及の流れ、製茶方法や茶器、果ては茶作法に関する遍歴までカバーされていて文庫の割に高い(1,200)ですが、読む価値はあります。

勿論、お茶の歴史についてはずすことの出来ない陸羽の『茶経』についても押さえてあります。

 中国南北朝の喫茶に関する記述もあります。また、先生の体験談も読んでいて楽しいし、何よりも判りやすい文章で読みやすいです。

 

美女とは何か 日中美人の文化史(張競著 晶文社)

 下記でも紹介している『恋の中国文明史』の著者である張競先生がまたしても私好みの本を出して下さいましたよ。うふふ。

 それはいいとして。この本は簡単に言えば日中の古代美人について文学から史実から絵画からといった多方面において取り上げて、

時代とともに変貌していく「美」の基準について比較、検証した本です。日本の「美人」に対する文学表現がかなり中国の影響を受け

まくっていたのかよく分かります。

 興味深かったのが、西洋の美の基準が流れ込むにしたがって、それまで両国がそれぞれ持っている「美」の基準がどんどん西洋化

してきているという事実でした。まあ何時の時代も「白い肌」というのは美人の必須条件であったのですね、はい。

 

仙人の壷(南伸坊著 新潮社)

李白の月(南伸坊著 マガジンハウス)

 説話好き、物語り好きの尾崎が何故今まで購入しなかったのかが不思議なくらい、面白い本です。

おなじみの『捜神記』『唐代伝奇集』からあまり馴染みのないと思われる『酉陽雑俎』『幽明録』といった中国説話集から著者自身が

面白く且つ意味不明な最後で心を捕らえられた不思議な話を連環画という形式で描かれております。

 イラスト自体が簡素な為構図が勝負となるのですが、構図という点ではぴしりと決まっております。間の取り方が更にお話の

不可思議さを醸し出しております。作品の間にかかれている「蛇足」も面白いです。尾崎的お気に入りは「茶肆(ちゃみせ)の客」(『仙人の壷』収)、

「李白捉月」(『李白の月』収)

 

中国文章家列伝(井波律子 著 岩波新書)

 井波先生の御本は、文章がシンプルなので私結構好きだったりいたします。『中国史の女たち 破壊の女神』

(新書館)などなど。自分の本棚を探してみると井波先生の書かれた本が多いことに気付かされます。

 この新書は中国史上波乱な人生を送った10人の文章家についての本です。この中に『顔氏家訓』を著した

顔之推が掲載されていたのがきっかけで購入したのですが、その他の文章家たち蘇東坡や鄭板橋などの紹介も

されていて、興味深く読めます。最初に紹介されているのが司馬遷というのも、また頷けます。

 

恋の中国文明史(張競著 筑摩書房)

中国史を「恋愛」という視点から読んだ論文。中国という国が自分達の文化が一番だと自負していても

時代が下るにつれ外部の少数民族の文化をも吸収し、微妙に姿を変えつつ今まで生きてきたのであり、

これが多言語国家であり分裂を繰り返しながらも、現在まで存在しつづけた理由だと位置付けています。

 そして「文化」というものの変化は身近な日常生活にこそ多大な変化を及ぼすとして、その流れを

「恋愛と結婚」という観点から読んだもの…だと私は感じたのですが…。間違えてます?

 

「正史」はいかに書かれてきたか〜中国の歴史書を読み解く(竹内康浩 大修館書店(あじあぶっくす))
 
久しぶりに読んだ中国史関連の書物。司馬遷の『史記』と班固の『漢書』を比較を軸にしながら、中国における
「正史」の立場や扱いについて述べています。他に正史ならではの皇帝異人表現方法についてや、洪秀全の立場についての
相対する書かれ方についてや、北魏中期に起こった「国史事件」についても書かれています。
 これを読むと『史記』が他の歴史書に比べていかに特殊な事情の書物であると同時に、歴史書を読むときには
記載されている全てを信じては駄目駄目〜と改めてよく分かります。本の文章自体は読みやすくてあっという間に
読み終えます。専門用語を簡単に書くということって意外と難しいんですけどね。

 

中国傑物伝(陳舜臣 中央公論新社〈中公文庫〉)
 
陳先生の好みで選ばれた中国史上の「傑物」16名について、史書と愛情を織り交ぜて書いた人物紹介本。

どの人物からも並々ならぬ愛情が感じられますが、特にというかやっぱりというか、曹操と耶律楚材の章は

愛情の度合いが別格な気が致します(笑)。私が読みたかったのは漢の宣帝劉詢と前秦符堅なんですけどね。

 今更この本を紹介するのも何だかなぁと思ったりしますが、この手の人物伝ってとかく書いた人の愛情が

真っ先に立つ所が目に付いて、史書をちょっとおろそかにしているかな〜?という個所見うけられるのですが、

陳先生の文章は史書と愛情をいい配分で織り交ぜているのがポイント高いのです。メジャーマイナー色々

おりますが、すんなりと読める上に新たな世界が広がると思われます。井波律子先生の解説も必読。

 

中国服飾史―五千年の歴史を検証する―(華梅著 施潔民訳 白帝社)

 中国で色々な学校で教本として使用されている 『中国服装史』の日本語訳。服飾専門用語が

比較的多いので最初読むときは「?」ばかりですが、巻末に服飾用語解説も付いているので 

そこまで読んでから再読、再読、再読。これはやっぱり専門書ですね。

 中国の古代から近現代まで色々な資料や調度品、詩文などから、その時代の服飾を読み解くという

アプローチで前半は進みます。後半は中国全土に56以上存在する少数民族の服飾説明。

読んでいくうちに段々こちらのほうが面白くなってきてしまいました。同じ国なのに服飾文化の豊富さ、

煌びやかさに興味をそそられました。図も比較的多いのでそちらもまた楽しいです。

しかし、キルギス族やロシア族って本当東欧系……。

 

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読書感想文

定本 北條民雄全集 上下巻(川端康成、川端香男里編集 東京創元社)

 雑誌の書評で読んで何故か心に引っかかったのですが、本屋で見かけたときについ買ってしまいました。

実は北條民雄という人について書評を読むまで全く知らなかったのですが、読んで衝撃を受けました。

 この北條民雄という人は、19歳のときハンセン氏病と診断され、その後診療所で静養を続けながら

制作活動をしているうちに作品が川端康成に認められますが、僅か24歳という若さで亡くなります。

 上巻は彼の発表した小説や未発表作品、下巻は彼の日記を中心とした随筆などで構成されています。

これを読んでハンセン氏病の実態というものがわかったということ以上に、そこにいる人たちの、

人間らしく生きていることに衝撃を受けました。両手両足を失い失明しながらでも、他の人を気遣う

心を見せる重患者。人々の誤解により世間から隔離された人たちの心の叫び。全てがショックでした。

 

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