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「ABC」殺人事件/有栖川有栖・他 |
2001年発表 講談社文庫 あ58-9(講談社) |
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A.クリスティ『ABC殺人事件』との対比
以下の部分には、A.クリスティ『ABC殺人事件』のネタバレが含まれています。未読の方はご注意下さい。 *******
ネタバレ感想にも書いているように、『ABC殺人事件』の中心となるネタは“複数の被害者の中に本来の標的を紛れ込ませる”というもので、事件の連続性を強調するために“ABC”というモチーフが使われているわけです。つまり、被害者が選ばれた理由は始めから提示されているのですから、いわゆる“ミッシング・リンク”――複数の被害者同士のつながりがわからない――とは明らかに一線を画しているのです。この点には注意を払う必要があると思うのですが、残念ながらこのアンソロジーには“ミッシング・リンク”をテーマとした作品が含まれています。誤解なのか、他に書きようがなかったのかはわかりませんが……。 *******
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結果的には、このアンソロジーにふさわしい作品は「ABCキラー」と「猫の家のアリス」の2作だけ、といえるのではないでしょうか。テーマの縛りが厳しすぎては困るでしょうが、この内容でq class="v">“女王・クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに”(カバーより)と謳われるのはどうかと思います。関係者の猛省を促したいところです。 |
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