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野獣世代/ボアロー, ナルスジャック

L'age bete/P.Boileau & T.Narcejac

1978年発表 伊東守男訳 ハヤカワ・ミステリ1404(早川書房)

 作中、ドクター・シャイユーのライターに何度も言及されていたので、それが決め手になるだろうということは予想できたのですが、こういう結末になるとは思いもよりませんでした。物語終盤にドクター・シャイユーの様子がおかしかった(例えば139頁)のが伏線でしょうか。

 リュシアンは結局、事件を通じてエルヴェを失い、エリアンヌを失い、父親を失い、そして一度は手にした身代金も失ってしまったわけで、客観的にみれば何ともむなしい結末です。自由を手にすることになった本人は、今のところはそれほど気にかけている様子でもないようですが……。

2005.05.10読了

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