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アイルランドの薔薇/石持浅海 |
2002年発表 カッパ・ノベルス(光文社) |
この作品の最大のポイントはやはり犯人の動機、正確にいえば、他に機会があるにもかかわらず、わざわざその場所で殺さなければならなかった理由、ではないでしょうか。殺したことを特定の人物に披露するというその目的は、非常にユニークだと思います。そしてそこに、殺人に対する禁忌のない兵士という犯人像が関わっているところが巧妙です。つまり、単にクローズドサークルを作るためだけではなく、特殊な動機(論理)を成立させるためにNCFという設定が導入されているのです。 これは余談ですが、この、特殊な論理の通用する舞台というのは、ある種のSFミステリに通じるところがあると思います。その意味で個人的には、SF設定が導入されている(らしい)新作『BG、あるいは死せるカイニス』が楽しみです。 2004.11.27読了 |
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