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おんな牢秘抄/山田風太郎 |
1960年発表 角川文庫 緑356-33(角川書店) |
まずは六つの事件について。
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これらの六つの事件が被害者の刺青を介して一つにつながっていくわけですが、この刺青のうち、“蓮”(蓮蔵)や“玄妙”(玄妙法印)などは名前と重なっていますし、“色指南”(十平次)などは本人の性癖をそのまま示しているため、さほど不自然さは感じられません。このあたりはうまく工夫されていると思います。そして、刺青に隠された“南無妙法蓮華経”という文字から七人目の存在が浮かび上がり、それが有名な“天一坊事件”へとつながっていく展開は絶妙です。 “姫君お竜”を名乗って陰謀に迫る霞の代わりに、姫君お竜本人の命が奪われてしまう場面は衝撃的ですが、姫君お竜自身が霞の身代わりとして死ぬことを覚悟しているところが救いといえるでしょうか。 2003.02.07読了 |
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