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リサイクルビン/米田淳一 |
2000年発表 講談社ノベルス(講談社) |
“密室誘拐事件”の真相は、ミステリとしては完全に掟破りといえますが、後半のSF的展開の始まりを告げる合図と考えれば、まったく問題ないともいえるのではないでしょうか。その意味で、あまり伏線もなく(しいて挙げれば、残された“粘液状の物質”が伏線といえるでしょうか)あっさりと真相が示されるのも妥当かもしれません。 後半の展開はある意味でI.アシモフ『永遠の終り』にも通じるものがあると思いますが、華岡青洲まで登場しているのにはニヤリとさせられました。 カナコが持っていた特殊な機種のPHSによって危機を脱するあたりはご都合主義ともいえますが、あまり欠点とは感じられませんでした。個人的にはなかなか面白い物語だったと思います。 2001.02.11読了 |
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