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殺人四重奏/M.ルブランPleins Feux sur Sylvie/M.Lebrun |
1956年発表 鈴木 豊訳 創元推理文庫144-1(東京創元社) |
まず、訳題がネタバレ気味です。これでは“殺人者”が4人いるということが、当初から明らかになってしまいます。原題の方は、フランス語がまったくわからないので何ともいえませんが、あえて直訳すると『シルヴィーに対する多くの犯行』(?)でしょうか。『殺意の重奏』とか、そんな感じだとよかったのかもしれません。 内容の方では、自分が犯人だと思い込んでいる人物が3人もいるというのがユニークです。特にフレデリック・メイヤンとミッシェル・バロオについては、自分が殺したと思い込んだ理由に説得力があります。さらにいえば、メイヤンが犯人とならなかったのがバロオの、そしてバロオが犯人とならなかった(少なくとも自分が思いこんでいた方法では)のがジャン・ピエール・フランクの行動によるものだというところも面白いと思います。ただ、その意味で、ウイリイ・ブロオンの自白が完全に妄想だったというのが残念です。 ところで、“フレデリック(フレッド)”というのは男性の名前ではないのでしょうか。 2000.07.11読了 |
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