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タラント氏の事件簿/C.D.キング
The Curious Mr.Tarrant/C.D.King |
1935年発表 中村有希訳(新樹社) |
一部の作品のみ。
- 「古写本の呪い」
- ハートマンからの電話がアリバイになると同時に、盗難の際の物音を隠蔽する手段となっているところが秀逸です。
- 「現れる幽霊」
- 邸に仕掛けがされているというのは見え見えですが、階段から転落させる手段は非常によくできています。
- 「釘と鎮魂曲」
- 床板が“あいじゃくり”で持ち上がらないということを明示しておいて、逆に“あいじゃくり”を利用してスライドさせるという解決は見事です。浴槽の下にある床板の穴と、床板に残った釘の孔とが離れているのも、よくできたミスディレクションになっています。
- 「『第四の拷問』」
- 巨大な蜘蛛に怯えて水に飛び込むという真相にはなるほどと思わされますが、それほど巨大な蜘蛛がモーターボートの中に住んでいるというのはやや無理があるでしょう。
- 「最後の取引」
- 名探偵の退場としても異色の作品だと思いますが、タラントの人間的な苦悩が非常に強く印象に残ります。
2002.03.28読了
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