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そして扉が閉ざされた/岡嶋二人 |
1987年発表 講談社文庫お35-12(講談社) |
きっちりとした推理がメインの作品ではありますが、それだけではなく、ダミーの解決、さらには意外な犯人というサプライズも仕掛けられています。 この“意外な犯人”を可能にしたのは、自分が殺したことに気づかないほど瞬時に殺害する方法であり、そのためにアイスピックという凶器、そして首の後ろという位置がうまく設定されています。 “視点人物=犯人”であっても、自分が犯人であることにまったく気づいていないので、いやらしさは感じられません。逆に、極限状況で推理を続けた末に自分が犯人だったと知ったときの、強烈な絶望感が強く伝わってきます。 ダミーの解決も、登場人物相互の関係をうまく利用したもので、説得力もあると思います。 やはり、細部まで計算し尽くされた傑作です。 2000.05.03再読了 |
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