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死者は黄泉が得る/西澤保彦 |
1997年発表 講談社ノベルス(講談社) |
〈死後〉のパートに仕掛けられた、カットバックと思わせてそうではないという時系列の錯誤のトリックは、やはり非常に秀逸です。これを成立させているのはもちろん記憶のリセットによる人物の誤認ですが、さらに、“殺害”場面まで描かれていることで通常ならば時系列に沿って人数が減っていくのが当然なところ、死者の復活という設定により逆方向でも不自然さが感じられないのが見事です。そしてまた、〈死後 A〉で“最初のひとり”の謎(ひいては屋敷の謎)がクローズアップされていることが、ミスディレクションとして機能しているところも見逃せません。 |
一方、エピローグの“最後の一撃”については、いくつかの疑問が生じます。
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