春來不見春風, 遍山松。 ※2 点点白花愁苦,※3 寒意濃。 人群動, 雕欄上, 玉階中。※5 萬民痛哭總理, 涙矇。 |
春 来たれども 春風に見(まみ)えざる,
遍(あまね)き山の松。※2
点点たる白き花は 愁ひ苦しみ,※3
寒意 濃し。
人の群は 動く,
彫欄の上,※4
玉階の中。※5
万民は 総理に 痛哭す,
涙 矇たり。※6
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私感訳注:
※1烏夜啼:詞牌の一。双調36字。普通、詠い込む内容と 詞牌とは、関係がない。しかし、これは、「本意」かもしれない。「烏夜啼」の別名に「相見歓」がある。こちらの方が有名かもしれないが、到底、詞の内容からは「相見歓」とは、いえない。
※2松:歳寒三友の一としての松であって、苦難に耐える気概の有る者を指す。この場合周恩来を暗喩している。
※3愁苦:(現代語)心配し苦しむ
※4雕欄:詞語で、彫り物を施してある宮殿の欄干など。この場合、天安門広場の「人民英雄紀念碑」(「記念」=中国の古・現代語では、「紀念」と書くことが多い。)を指しているものと思われる。
※5玉階:詞語で、宮殿等の階(きざはし)。この場合も、「人民英雄紀念碑」を指しているものと思われる。
矇:目が(涙などで)かすむ意。「朦朧」ではない(朦朧:月がおぼろに見える)。
◎ 構成について
詞調:双調。三十六字。換韻。韻式は「AAA bbAA」
九字句は六字と三字等に分かれること(異体有り)。この作品の場合、初めから別の句として、分けられている。
○●○○,(A平韻)
●○○。(A平韻)
●○●・●○○。(A平韻)
●,(b仄韻)
○●。(b仄韻)
●○○。(A平韻)
●○●・●○○。(A平韻)
韻脚:「風松濃」は「第一部平声」。「動」と「上」は韻をふめていない。どちらも中古韻では上声。(動は中世以降は去声)「中朧」は「第一部平声」。
この作品は極めて正確に作られている。
99.6.20 00.5. 5補 5.27補 |
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