船動湖光秋舉棹。 貪看年少信船流年少。 無端隔水抛蓮子舉棹, 遙被人知半日羞年少。 |
採蓮子
其二
船は 湖光を動かし たる 秋 舉棹。
年少を 貪り看て 船の流るるに 信(まか)す 年少。
端 無くも 水を隔てて 蓮子を抛れば 舉棹,
遙か 人に知られて 半日 羞づ 年少。
****************** 私感訳注: ※採蓮子:詞牌の一。詞の形式名。単調 二十八字。平声一韻到底。元唐の教坊の曲名で、歌が広く伝わり、後に詞調と見なされるようになった。形式は、七言絶句に同じ。第一句と三句の後に「舉棹」と、おはやしを入れ、第二句と四句の後には「年少」と、皆でお囃子を入れる。この作品の詞牌は、本意。 ※皇甫松:皇甫が姓。睦州の人(現・浙江建徳)。皇甫Gの息子。生没年不詳。唐代の人。花間集では「皇甫先輩松」とある。唐代では、進士を先輩と呼ぶので、進士で、出仕しないで終わったか。 ※舉棹:第一句と三句の後に来るおはやしのことば。「(舟を漕ぐ)さおをあげて」 ※年少:第二句と四句の後に来るお囃子のことば。「年が若い(者)」 ※船動湖光:船が湖面を波打たせたので、水面が動いて日の光がきらきらと反射しているさまをいう。 ※:水の揺れ動くさま。(月光等が水に映って)美しく光るさま。 ※貪看:蓮の実を採っている少女が、岸辺にいる若者をうっとりとみつめていること。 ※信船流:舟が流されていくがままにしている。 ※無端:訳もなく。故無く。 ※隔水:水を隔てて。舟から岸をめがけて。 ※抛:放り投げる。 ※蓮子:蓮の実。食用にする。蓮池の側でよく売っている。 ※遙被人知:遙か離れている所の人に見られてしまい。 ※半日:長時間。長い間。現代語での「半天」(はんにち)と同じで、「半日(はんにち)」の意とともに、「相当長時間」の意味がある。 ※羞:はじらう。 ◎ 構成について
単調 二十八字。単調 二十八字。平声一韻到底。元唐の教坊の曲名で、歌が広く伝わり、後に詞調と見なされるようになった。形式は、七言絶句に同じ。第一句と三句の後に「舉棹」と、おはやしを入れ、第二句と四句の後には「年少」と、皆でお囃子を入れる。平声韻一韻到底。第一、二、四句押韻。韻式は「AAA」。韻脚:「秋流羞」は第十二部平声。この作品の詞調は次の通り ●●○○●●○,(韻) ○○○●●○○。(韻)。 ○○●●○○●, ○●○○●●○。(韻) となる。 |
2001.3.16 3.17完 5.18補 2002.3.21 |
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