香蓮十頃陂舉棹。 小姑貪戲採蓮遲年少。 晩來弄水船頭濕舉棹, 更脱紅裙裹鴨兒年少。 |
採蓮子
其一
香蓮 十頃の 陂(いけ)舉棹。
小姑 戲(あそび)に貪(ふけ)り 蓮を採ること遲し年少。
晩來 水を 弄びて 船頭 濕る舉棹,
更に 紅裙を脱して 鴨兒を裹む年少。
****************** ◎私感訳注: ※採蓮子:詞牌の一。詞の形式名。単調 二十八字。平声一韻到底。唐の教坊の曲名で、歌が広く伝わり、後に詞調と見なされるようになった。形式は、七言絶句に同じ。第一句と三句の後に「舉棹」と、おはやしを入れ、第二句と四句の後には「年少」と、皆でお囃子を入れる。この作品の詞牌は、本意。 ※皇甫松:皇甫が姓。睦州の人(現・浙江建徳)。皇甫Gの息子。生没年不詳。唐代の人。花間集では「皇甫先輩松」とある。唐代では、進士を先輩と呼ぶので、進士で、出仕しないで終わったか。 ※舉棹:第一句と三句の後に来るおはやしのことば。「(舟を漕ぐ)さおをあげて」 ※年少:第二句と四句の後に来るお囃子のことば。「年が若い(者)」 ※:ハスの花。はちす。 ※香蓮:薫り高いハス。 ※頃:面積の単位。一頃=百畝で、周代では、1、82ヘクタール。現代語では、一頃:一ヘクタール。碧波万頃(広い水面)という風に広さの表現。 ※陂:(ひ;bei1)古語:堤。池。現代語:池。ここでは、池。 ※小姑:女の子。少女。 ※貪戲:遊びほうけている。 ※採蓮遲:ハスを採るのがなかなか進まない。 ※晩來:薄暗くなってきて。 ※弄水:水遊びをしている。 ※船頭濕:船の上が濡れる。船頭:へさき。船首のこと。船頭さんのことではない。 ※更:おまけに。 ※脱:(衣服を)ぬぐ。 ※紅裙:紅いスカート(状の着物)。 ※裹:(くゎ;guo3)つつむ。 ※鴨兒:アヒル。カモ。児は、名詞などに付く接尾辞。現代語では、可愛い感じを出す場合もあるが、特に意味はない。アヒルの子、ヒヨコという意味は普通ない。 ◎ 構成について
単調 二十八字。単調 二十八字。平声一韻到底。元唐の教坊の曲名で、歌が広く伝わり、後に詞調と見なされるようになった。形式は、七言絶句に同じ。第一句と三句の後に「舉棹」と、おはやしを入れ、第二句と四句の後には「年少」と、皆でお囃子を入れる。平声韻一韻到底。第一、二、四句押韻。韻式は「AAA」。韻脚:「陂遲兒」は第三部平声。この作品の詞調は次の通り ●●○○●●○,(韻) ●○○●●○○。(韻)。 ●○●●○○●, ●●○○●●○。(韻) となる。 |
2001.9.28完 |
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