古意
宋 陸游
千金募戰士,
萬里築長城。
何時靑冢月,
却照漢家營。
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古意
千金 戰士を 募り,
萬里 長城を 築く。
何れの時か 靑冢の 月は,
却って 照らさん 漢家の營を。
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◎ 私感訳註:
※千金募戰士:大金にてつわものをつのる。 ・千金:大金(にて)。 ・募:つのる。徴募する。 ・戰士:つわもの。
※萬里築長城:(戦士の愛国の血潮で、)万里の長城を築き上げ(、中原の防衛線を構築する)。・萬里:長大な距離(に亘って)。 ・築:きづく。 ・長城:北方異民族の寇掠を防ぎ護るための国境防備の牆壁。戦士の碧血で、万里の長城の如きものを造り、中原の防衛線を構築したいということ。この発想の伝統は、現在の中華人民共和國の国歌にも伝わり、田漢が「起來!不願做奴隸的人們!
把我們的血肉,
築成我們新的長城
!
中華民族到了最危險的時候,毎個人被迫著(着)發出最後的吼聲,起來!起來!起來!我們萬衆一心,冒著(着)敵人的炮火前進,冒著(着)敵人的炮火前進!前進!前進!進!」と『義勇軍進行曲』で歌い上げている。
※何時靑冢月:いつに(なったら、)靑冢のある夷狄の地の月は。何時になったら夷狄征伐の軍を起こすのか、の意。 ・何時:いつに(なったら)。 ・靑冢:青く草が茂った塚。王昭君
の墓のある地(現・内モンゴル・フホホト市の南)では草の色が白く薄いと謂われ、ひとり王昭君の墓だけに青い草が生えているので、彼女の墓をこう呼ぶ。「詠懷古跡五首」之三「羣山萬壑赴荊門,生長明妃(明妃=王昭君)尚有村。
一去紫臺連朔漠,獨留
靑塚
向黄昏
。畫圖省識春風面,環珮空歸月下魂。千載琵琶作胡語,分明怨恨曲中論。」
。毛沢東もこの詩を活用して作っている。
※却照漢家營:(いつになったら、靑冢のある夷狄の地の月は)宋の軍営を照らす(ような情況になる)のか。 ・却:反対に。それなのに。かえって。 ・漢家:宋を指す。 ・營:軍営。軍陣。戦場に展開している幕営のことであって、平時の内地での駐屯地、兵営のことではない。
◎ 構成について
換韻。韻式は「AAAbbbCCC」。韻脚は「城營」で、平水韻下平八庚。次の平仄はこの作品のもの。
○○●●●,
●●●○○。(平韻)
○○○●●,
●●●○○。(平韻)
2003.5.11
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