Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




                    
                   
      詠懷古跡
              
                  杜甫 
羣山萬壑赴荊門,
生長明妃尚有邨。
一去紫臺連朔漠,
獨留青冢向黄昏。
畫圖省識春風面,
環珮空歸月夜魂。
千載琵琶作胡語,
分明怨恨曲中論。


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古跡を詠懷す       
                       
群山 萬壑
(ばんがく)  荊門(けいもん)に赴(おもむ)く,
明妃 生長し  尚
(な)ほ 村 有り。
一たび 紫臺を去れば  朔漠に連り,
獨り 青冢
(せいちょう)を留めて  黄昏に向かふ。
畫圖 省識
(しゃうしき)さる  春風の面を,
環珮
(くゎんぱい) 空(むな)しく歸る  月夜の魂。
千載  琵琶 胡語を 作
(な)し,
分明に 怨恨を  曲中に 論ず。

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◎ 私感註釈

※杜甫:盛唐の詩人。712年(先天元年)~770年(大暦五年)。字は子美。居処によって、少陵と号する。工部員外郎という官職から、工部と呼ぶ。晩唐の杜牧に対して、老杜と呼ぶ。さらに後世、詩聖と称える。鞏県(現・河南省)の人。官に志すが容れられず、安禄山の乱やその後の諸乱に遭って、流浪の一生を送った。そのため、詩風は時期によって複雑な感情を込めた悲痛な社会描写のものになる。

※詠懷古跡:詠史詩。これは連作五首のうちの第三首。王昭君が育った荊門。

※群山萬壑赴荊門:多くの山脈や谷間は、荊門山の方に向かっている。 *毛沢東はこの聯を活用して、七絶『失題』「
羣山萬壑赴荊門生長林彪尚有村一去紫臺連朔漠,獨留靑塚向黄昏。」を作った。 ・群山萬壑:〔ぐんざん ばんがく;qun2shan1 wan4huo4○○ ●●〕多くの山脈や谷間。 ・赴:〔ふ;fu4●〕向かっていく。おもむく。 ・荊門:〔けいもん;Jing1men2○○〕山の名。湖北西部の宜都県の西北にある1852メートルの山。武当山の南、虎牙山に向かい合って、巫峡の東にある。この荊門山の南西の麓が王昭君の出生地になる。

※生長明妃尚有村:(そこは)王昭君が育った(ところで、)村はまだある。 ・生長:〔せいちゃう;sheng1zhang3○●〕生まれ育つ。 ・明妃:〔めいひ;Ming2fei1○○〕王昭君のこと。前漢の元帝の宮女。竟寧元年(紀元前33年)、匈奴との和親のため、呼韓邪単于に嫁し、「寧胡閼氏」としてその地で没した。名は檣。ともするが、『漢書・元帝紀』では前者「檣」。昭君は字。明君、明妃は、「昭」字をさけたための晋以降の称。蛇足になるが、「竟寧」(辺境がやっと平和になった)という年号は、とても分かりよい。元帝の慶びが伝わってくる。そのような状況下での通婚である。この時代背景から推察するに、元帝がその美貌を惜しんだという話は後世のものになるのではないか。『漢書・本紀・元帝紀』に「竟寧元年春正月, 匈奴呼韓邪單于來朝。詔曰:「匈奴呼韓邪單于不忘恩德,鄕慕禮義,復修朝賀之禮,願保塞傳之無窮,邊垂長無兵革之事。其改元爲竟寧,賜單于待詔掖庭王檣閼氏。」とある「王檣」が王昭君のこと。「閼氏」とは、單于の正妻の称≒皇后。『漢書・匈奴傳・下』「王昭君號寧胡閼氏,生一男伊屠智牙師,爲右日逐王。」この外、多くの子供をもうけ、夫の没後は、匈奴の習慣に従った再婚をし、父子二代の妻となり、更に子供を儲けている。子供達の名も記録されている。当の本人の願望はともかく、漢・匈奴友好使節の役を果たしたとも謂え、辺疆安寧のための犠牲になったとも謂える。 ・尚:なおまだ。なお。 ・村:現・湖北省歸州の東二十キロメートルのところ。荊門山の南西の麓。

※一去紫臺連朔漠:ひとたび王宮を去ってより、沙漠の地である匈奴のところに嫁いでから(は)。 ・一去:ひとたび去る。 ・紫臺:帝王の住まい。紫宮。 ・連:つながる。つらなる。匈奴に嫁いだことをいう。「王檣爲閼氏。」ということ。 ・朔漠:〔さくばく;shuo4mo4●●〕北方の沙漠の地。匈奴の地。

※獨留青冢向黄昏:ひとつ、ぽつんと、青い草の生えている塚が黄昏になろうとする中に、残されている。 ・獨留:ぽつんとひとつだけ遺っている。 ・青冢:〔せいちょう;qing1zhong3○●〕青い草の生えている塚。王昭君の陵墓をいう。王昭君の墓所には、冬でも青々と草が生えていた故事に因る。現・呼和浩特(フホホト)沙爾泌間の呼和浩特の南九キロメートルの大黒河の畔にある。 ・向:なろうとする。なんなんとする。於いて。≒於。 ・黄昏:たそがれ。宵闇。

※畫圖省識春風面:絵を描くのに、麗しい顔立ちを描くのに手抜きがあって(美貌が描かれなかったたために、異郷への旅立ちとなったのだ)。 ・畫圖:元帝の手元に置かれた、後宮の妃嬪たちの容姿を描いたアルバム集。皇帝は、それを見て意中の女性を決めたという。『西京雜記』卷第二『畫工棄市』(三秦出版社(2006年 西安)のものでは68-69ページ)に「元帝後宮既多,不得常兄見,乃使畫工圖形,按圖召幸之。諸宮人皆賂畫工,多者十萬,少者亦不減五萬。獨王嬙不肯,遂不得見。匈奴入朝,求美人爲閼氏,於是上案圖,以昭君行。及去,召見,貌爲后宮第一,善應對,擧止閑雅。帝悔之,而名籍已定。帝重信於外國,故不復更人。乃畫工棄市…」(棄市=獄門、晒し首。屍体は市に棄てたことに因る)とある。 ・省識:手を抜いて描く。省(はぶ)いて識(しる)す。 *王昭君は、画工に賄賂を渡さなかったために、手を抜いて醜く描かれたため、元帝の目にとまることなく、匈奴の許へ嫁ぐことになったことを指す。 ・春風面:芳しい顔。美貌。

※環珮空歸月夜魂:(王昭君の)帯び玉の音が、月夜には(響いて、)魂が帰ってきている(のが分かる)。 ・環珮:〔くゎんぱい;huan2pei4○●〕腰に下げる玉。帯び玉。歩く時に響きを立てる。王昭君のことになる。 ・空歸:むなしく魂だけが漢土に帰ってくる。 ・夜月:ここは「月夜」ともする。

※千載琵琶作胡語:千年の間、琵琶の音色は、(異郷の人となった王昭君の想いを伝える)胡人のことばを伝え遺して。 ・千載:千年。 ・琵琶:西域の弦楽器。王昭君は馬上で弾いたという故事が出来上がった。 ・作:なす。 ・胡語:(西方異民族の)外国語。

※分明怨恨曲中論:その怨みは、曲の中にはっきりと述べて表現されている。 ・分明:はっきりとわかる。 ・怨恨:うらみ。 ・曲中:音曲の上に。『昭君怨』の曲調に。 ・論:述べ語ること。あげつらう。表現する。平声になる部分で、動詞になる。

               ***********



◎ 構成について

 韻式は「AAAAA」。韻脚は「門邨昏魂論」で、平水韻上平十三元(魂門村論昏)。次の平仄はこの作品のもの。

○○●●●○○,(韻)
○●○○●●○。(韻)
●●●○○●●,
●○○●●○○。(韻)
●○●●○○●,
○●◎○●●○。(韻)
○●○○●○●,
○○●●●○○。(韻)

2005.8. 1
2009.4. 3補西京雜記
2014.5.1

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