京師得家書
明・袁凱
江水三千里,
家書十五行。
行行無別語,
只道早還ク。
**********************
。
京師に 家書を 得
(う)
江水 三千里,
家書 十五行
(ぎゃう)
。
行行
(ぎゃうぎゃう)
別語 無く,
只
(た)
だ 道
(い)
ふ: 早
(と)
く ク
(くに)
に 還
(かへ)
れと。
******************
◎ 私感訳註:
※袁凱:明朝初期詩の第一人者。字は景文。袁白燕と称される。華亭(現・上海市松江)の人。洪武三年(1370年)に御史に任じられ、活躍する。
※京師得家書:都で、故郷からの便りを手に入れた。 ・京師:みやこ。 ・得:手に入れる。える。う。 ・家書:家よりの手紙。故郷からの便り。
※江水三千里:川の流れの遙かなところに故郷があり。 ・江水:川の流れ。長江の流れ。 ・三千里:遙かな距離をいう。故郷のあるところとの距離をいう。「三千」は実際の数値をいうものではない。数字で、
○
となるものは「三」と「千」のみになるためでもある。
※家書十五行:(遙かなところからわざわざ来たのに)手紙文は、たった十五行だけの簡潔なものである。 ・十五行:手紙文は、たった十五行だけ。簡単な表記であることをいう。「江水三千里」と、遙かな距離を渡ってきた手紙が、その内容では極めて簡潔であるという対比の妙と、郷里の親の帰郷を迫る切迫した感情を伝えている。
※行行無別語:どの行(ぎょう)にも、外(ほか)のことは載っていなくて。 ・行行:どの行(ぎょう)にも。手紙文のどこにも。 ・別語:その外のことば。「帰郷せよ」と言う以外のことば。
※只道早還ク:ただただ、早く還ってこいとのみ言っている。 ・只道:ただ…のみを言う。 ・道:いう。述べる。 ・早:はやい。早期の。時期的に、はやいうちに。なお、「速」「快」等は、動作のスピード感を表す「はやい」。 ・還ク:故郷に帰る。帰郷する。
◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「行ク」で、平水韻下平七陽。次の平仄はこの作品のもの。
○●○○●,
○○●●○。(韻)
○○○●●,
●●●○○。(韻)
2004.5. 4完
2005.1.29補
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