絶句
明・劉基
人生無百歳,
百歳復如何。
古來英雄士,
各已歸山阿。
**********************
。
絶句
人生 百歳 無く,
百歳 復
(ま)
た 如何
(いかん)
。
古來 英雄の士,
各
ゝ(おのおの)
已
(すで)
に 山阿に 歸る。
******************
◎ 私感訳註:
※劉基:1311年(元・至大四年)〜1375年(明・洪武八年)。字は伯温。青田の人。元代の進士。この作品は、漢詩や晋詩の影響を受けていよう。
※人生無百歳:人生に百歳は無く。 ・人生:人が生きていくこと。人が生まれて。 ・百歳:『古詩十九首』之十五に「生年不滿百,常懷千歳憂。晝短苦夜長,何不秉燭遊。爲樂當及時,何能待來茲。愚者愛惜費,但爲後世嗤。仙人王子喬,難可與等期。」
とある。
※百歳復如何:百歳がまた、どうしたというのか。 ・復:また。反復、重複の語義ばかりではなく一定の言葉のリズムをとっている。古詩に多い用法。 ・如何:どのようであるか。いかが。明・劉基の『懊憹歌』に「白鵶養雛時,夜夜啼達曙。
如何
苧ヰャ
,各自東西去。」
とある。後世、現代人の陳毅は『梅嶺三章』で「
斷頭今日意
如何
?創業艱難百戰多。此去泉臺招舊部,旌旗十萬斬閻羅。」
と、同義で使う。
※古來英雄士:昔よりの英雄人物は。 ・古來:昔より。 ・英雄士:英雄人物。
※各已歸山阿:それぞれ、すでに山の隈(くま)の墓場で眠っているではないか。 *後出・陶淵明の詩句「託體同山阿」
(屍体を山腹に埋めて、山のくまと一体になる)に因る。 *陶淵明の『挽歌詩』其三「荒草何茫茫,白楊亦蕭蕭。嚴霜九月中,送我出遠郊。四面無人居,高墳正嶢。馬爲仰天鳴,風爲自蕭條。幽室一已閉,千年不復朝。千年不復朝,賢達無奈何。向來相送人,各自還其家。親戚或餘悲,他人亦已歌。死去何所道,
託體同
山阿
。」
に基づく。 ・各:おのおの。それぞれ。 ・已:とっくに。すでに。 ・歸:本来あるべき所、落ち着くべきところへかえる。死ぬ。 ・山阿:山阿:〔さんあ(さんお);shan1e1〕山のくま(隈)。山のくぼんでいるところ。墓場をいう。
◎ 構成について
韻式は「AA」。韻脚は「何阿」で、平水韻下平五歌。次の平仄はこの作品のもの。
○○○●●,
●●●○○。(韻)
●○○○●,
●●○○○。(韻)
2004. 5. 4完
2009. 6.26補
2012.12. 2
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