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別路雲初起,
離亭葉正飛。
所嗟人雁異,
不作一行歸。
兄を送る
別路 雲 初めて起こり,
離亭 葉 正に飛ぶ。
嗟(なげ)く所は 人 雁と異なり,
一行に 歸るを 作さず。
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◎ 私感註釈
※七歳女子:則天武后(武則天)の時代・周(武周)の七歳の女子。則天武后(武則天)が神童ぶりを耳にし、召し出して送別詩を作ることを命じたところ、即座にこの詩を作ったという。
※送兄:兄を見送る。
※別路雲初起:(兄との)別れの路では雲が湧き起こって。 ・別路:別れの路(で)。 ・雲初起:雲が湧き起こり。
※離亭葉正飛:別れを告げた駅亭では木の葉がちょうど飛んでいる。 ・離亭:別れの場となった駅亭(旅亭)(では)。 ・葉正飛:(木の)葉がちょうど飛んでいる。
※所嗟人雁異:なげかわしいことに、人とガンとは異なっていて(ガンのように、一緒になって帰って行く、ということはできない)。この意とは別に「所嗟人雁異,不作一行歸」には、「なげかわしいことに、空飛ぶガンが「人」の字のように並んで鈎になって飛んで、「一」の字のように竿になって飛んで行くこととは、異なっていることだ。」というのがある。 ・所嗟:なげくところ。なげかわしいこと。なげくこと。 ・所-:動詞の前に附き、動詞を名詞化する働きがある。 ・嗟:〔さ;jie1,jue1◎〕なげく。 ・人:ひと。また、空飛ぶガンが「人」の字のように並んで飛ぶ(鈎(かぎ)になって飛ぶ)ことをも指す。 ・雁:〔がん;yan4●〕ガン。 ・異:…とは違う。…と異なる。
※不作一行歸:(ガンのようには)一緒に帰って行くことができない。 ・不作:…をしない。なさない。 ・一行:(旅などで)一緒に行く。同行する。また、空飛ぶガンが「一」の字のように並んで飛ぶ(竿(さお)になって飛ぶ)ことをも指す。 ・歸:本来の居場所にもどる。帰る。
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◎ 構成について
韻式は、「AA」。韻脚は「飛歸」で、平水韻上平五微。なお「起」は上声、「異」は去声で、ともに韻脚ではない。この作品の平仄は次の通り。
●●○○●,
○○●●○。(韻)
●○○●●,
●●●○○。(韻)
2005.5.22 |
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