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白水滿時雙鷺下, 綠槐高處一蝉吟。 酒醒門外三竿日, 臥看溪南十畝陰。 |
溪陰堂
白水 滿つる時雙鷺 下 り,
綠槐 高き處一蝉 吟ず。
酒は醒 む 門外三竿 の日,
臥 して看る溪南 十畝 の陰 。
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◎ 私感訳註:
※蘇軾:北宋の詩人、文化人、政治家。字は子瞻。号は東坡。現・四川省眉山の人。景祐三年(1036年)~建中靖國元年(1101年)。三蘇の一で、(父:)蘇洵の老蘇、(弟:)蘇轍の小蘇に対して、大蘇といわれる。
※渓陰堂:『渓前堂』ともする。固有名詞とすれば、揚州儀真県の東、范氏の園の堂の名。 *全篇、対句で構成されている。
※白水満時双鷺下:透き通った清らかな水が満ちてきた時に、つがいになったサギが降りてきて。 ・白水:清らかな水。きれいな水。透き通っている水。 ・双鷺:つがいになっているサギ。
※緑槐高処一蝉吟:青々としたエンジュの高いところで、一匹の蝉(セミ)が鳴いている。 ・緑槐:青々としたエンジュ。「槐」:〔くゎい;huai2○〕エンジュ。 ・吟:(セミが)鳴く。なお、「セミが鳴く」場合の「なく」は、「鳴」「吟」「譟(噪)」(「叫」)などと表す。
※酒醒門外三竿日:酒が醒めれば、門外には、陽(ひ)が高々と上がっており。 ・酒醒:酒が醒める意。 ・三竿日:日が竹竿を三本つぎ合わせたほどの高さに上(のぼ)る。陽(ひ)が高々と上がっているさま。=日高三竿。=日上三竿。中唐・劉禹錫の『竹枝』に「日出三竿春霧消,江頭蜀客駐蘭橈。憑寄狂夫書一紙,住在成都萬里橋。」とある。
※臥看渓南十畝陰:寝転んで、谷の南側一帯の日陰の地を見ている。 ・臥看:寝転んでみる。 ・渓南:谷の南側。 ・十畝:10畝(ほ(ぽ))。約60アール。「畝」:〔ほ;mu3●〕耕地の面積の単位。1畝は約1.82アール。なお「畝」を「せ」と読む場合は、日本の耕地の面積の単位の時。 ・陰:曇(くもり)。曇っている。 「十畝陰」:谷一帯の日陰の地を指す。
◎ 構成について
2016.9.2 9.3 |