木蘭柴 |
|
盛唐・王維 |
秋山歛餘照,
飛鳥逐前侶。
彩翠時分明,
夕嵐無處所。
******
木蘭柴
秋山 餘照 を歛 め,
飛鳥 前侶 を逐 ふ。
彩翠 時に分明 ,
夕嵐 處所 無し。
****************
◎ 私感註釈
※王維:唐の詩人。701年(長安元年)?〜761年(上元二年)。字は摩詰。太原祁県(現・山西省祁県東南)の人。進士となり、右拾遺…尚書右丞等を歴任。晩年は仏教に傾倒した。
※木蘭柴:〔もくらんさい;Lu4zhai4●●〕地名。輞川(まうせん)の別荘の一地点の名。「柴」:〔さい;zhai4●〕≒「寨」字。(「柴」字は、通常は〔さい;chai2○〕)。
※秋山歛餘照:秋の山は、夕日の光を取り込んで。 ・歛:おさめる。とりこむ。とりいれる。 ・餘照:日没後に空に残っている光。夕日の光。
※飛鳥逐前侶:飛んで行く鳥は、前を行く連(つ)れをおいかけている。 ・逐:おいかける。 ・前侶:前を行く つれ、の意。
※彩翠時分明:美しい彩りのカワセミは、時として明らかになり。 ・彩翠:美しい彩りのカワセミ。 ・分明:〔ぶんめい;fen1ming2○○〕あきらか。
※夕嵐無処所:夕方の靄(もや)は、とどまったいどころが無い。 ・夕嵐:〔せきらん;xi1lan2○○〕夕方の靄(もや)。 ・嵐:山に立ち籠める青々とした気。 ・処所:いどころ。
***********
◎ 構成について
韻式は、「aa」。韻脚は「侶所」で、平水韻上声六語。この作品の平仄は、次の通り。この詩の節奏は、各句:「□□ □ □□」に揃えられている。(「□□ □ □□」,「□□ □ □□」。「□□ □ □□」,「□□ □ □□」。と)
○○●○●,
○●●○●。(韻)
●●○○○,
●●●●●。(韻)
2021.7.24 7.25 |
次の詩へ 前の詩へ 抒情詩選メニューへ ************ 詩詞概説 唐詩格律 之一 宋詞格律 詞牌・詞譜 詞韻 唐詩格律 之一 詩韻 詩詞用語解説 詩詞引用原文解説 詩詞民族呼称集 天安門革命詩抄 秋瑾詩詞 碧血の詩編 李U詞 辛棄疾詞 李C照詞 陶淵明集 花間集 婉約詞:香残詞 毛澤東詩詞 碇豐長自作詩詞 漢訳和歌 参考文献(詩詞格律) 参考文献(宋詞) 本ホームページの構成・他 |