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自君之出矣 | |
盛唐・張九齡 |
自君之出矣,
不復理殘機。
思君如滿月,
夜夜減淸輝。
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君の出 でしより
君の出 でしより,
復 た殘機 を理 へず。
君を思ふこと 滿月の如 く,
夜夜 清輝 を減 ず。
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◎ 私感註釈
※張九齡:盛唐の詩人。字は子壽。(現・広東省)韶州曲江の人。673年(咸亨四年~740年(開元二十八年)。校書郎、左拾遺、中書舍人、冀州刺史…を歴任する。
※自君之出矣:あなたが旅に出てより。 *楽府旧題。 ・自:…より。 ・君:あなた。ここでは、出て行った男性を指す。 ・出:旅に出る。出征する。 ・矣:…た。…て、 *完了、過去を表す。また、断定や決定を表す句末の助字。ここは、前者の意。
※自君之出矣:あなたが旅立ってより。
※不復理殘機:織り残しがある機(はた)は、二度とは整えられなかった。 ・不復-:また…ず。部分否定で、「二度とは駄目だった。「不復-」と「復不-」は意味が異なるが、読みは同じ「また…ず」となる。 ・理:ととのえる。ただす。 ・殘機:編み上げられていない織物が未完成のまま機(はた)についているその機(はた)。 ・機:はた。織物をする道具。
※思君如満月:あなたを慕(した)う心は満月のようだ。 ・思君:あなたを慕(した)う。 ・思:慕(した)う。思う。 ・如:ようだ。ごとし。 ・満月:*満月は月の形からすれば、最大の時で、一番明るい月である。やがて、「満月」を過ぎた月は、時の経過と倶に、形や明るさは減っていく。
※夜夜減清輝:(満月を過ぎれば、月が欠けてゆき、)夜毎に月光が減ってゆく。 ・夜夜:〔やや;ye4ye4●●〕毎夜(まいよ)。夜毎(よごと)。 ・減:へる。 ・清輝:月光。清らかな輝き。ここでは愛慕の情をも謂う。
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◎ 構成について
韻式は、「aaa」。韻脚は「(矣)機輝」で、平水韻(上声四紙(矣))、上平五微(機暉)。この作品の平仄は、次の通り。
●○○●●,
●●●○○。(韻)
○○○●●,
○●○○●●○。(韻)。
2021.8.6 8.7 |
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