Nゲージ蒸気機関車2010年のメモ>2010.12.30(2010年の蒸機)

2010年に発売された蒸気機関車

2010年の1年間に発売された9mmゲージ蒸気機関車を、それぞれのページから寄せ集めてみました。
※基本的に国内流通の日本型ですが、気まぐれで例外もあります。
これがすべてではなく、他に特別限定品的なものやイベント商品などもあるかもしれません。また謎の再生産がなされた例もあります。
キット・完成品があるものは、基本的にキットのほうを載せています。写真は一部前回ロットのものもあります(同一仕様の場合のみ)。


1月

C11 KATO
C11

KATOの定番商品のため、今年も再生産がありました。
ほぼ同時期のC62もD51もリニューアル済みのため、現在KATOの蒸機では最も古風な外観です。Nゲージの出戻り組の方にとっては懐かしい存在です。

3月

D51 60 北海道型ナメクジタイプ リアル・ライン
リアル・ライン製品は、限定品ではない品番S10XXのシリーズのみ載せました。ただ今年は買っていないので写真がひとつもありません。すみません。

C57 4次形 北海道仕様 ワールド工芸
ワールド工芸 C57 4次型北海道

この作例は下廻りにトミックスのC57 135を使っています。でも本来このキットの目玉は下廻り(バルブギヤ表現)の改良です…。


4月

D51北海道タイプ やえもんデザイン

やえもんデザイン D51北海道

コンバージョンキットの第5弾。実物の北海道タイプは最後まで残ったため全国で保存されているので、人気も高いようです。

● C55 20 流線型・改良品 マイクロエース
C55 20

● C55 16 一次型・旭川機関区 マイクロエース
C55 16

旧製品ではちゃんと使われていた水かき付きスポーク動輪が、なぜかただのスポーク動輪に変更されています。色々納得いかないので、理由を伺いたいんですよね。


5月

D51 4 深川機関区 リアル・ライン
D51 137 新得機関区 リアル・ライン


6月

C55流線型 ワールド工芸
C55流線型

動力部をフルリニューアルし、1996年の初代製品と比べ格段に走行性能がアップしました。上廻りの形状も見直されていますが、全体の構成は旧製品に似ています。

C53 43流線型 ワールド工芸
C53 43

こちらも動力部中心のリニューアルです。前方のロストの組み合わせが複雑なので、C55より少々難しいかもしれません。


7月

チビロコセット KATO
チビロコセット

チビロコトータルセット KATO
チビロコトータルセット

塗色を変更しての再生産です。
この模型のオリジナルの機関車と客車は、実際に動いている姿を動画サイトなどで見つけることができます。旧製品のカラフルな客車も、実物のイメージをかなり忠実に模型化していたことがわかります。

チビロコトータルセットにはサウンド付きの簡易パワーパックが付属していますが、蒸気機関車のサウンドはありません。

スターターセットスペシャル C57「ばんえつ物語」 KATO
今年からスターターセットに加わった製品。機関車・客車は従来品を利用したものです。

C62 東海道形 KATO
C62東海道形

2010年版カタログには載っていませんが、7月に再生産がありました。

C62 15号機 山陽(呉)線時代 ワールド工芸
C62 15

C62 25号機 山陽(呉)線時代 ワールド工芸
C62 25

バルブギヤを最近の製品に合わせてリニューアルしたもので、他は従来のキットに順じます。

D51 96 滝川機関区 リアル・ライン


8月

D61 やえもんデザイン
D61

シリーズ第6弾。D51北海道型を元にしたキットで、2軸従台車が付属しています(車輪は各自が別途調達)。


9月

C57「SLばんえつ物語」基本セット KATO
C57 180

7月に発売されたスターターセットの車両部分です。写真は前回発売の機関車と客車セットです。
パッケージの写真を見ると、何となくナンバーは取り付け済みのように見えますが、実際には自分で取り付けます。細かい部品の扱いに不慣れな方にはここが頑張りどころ。

C57 4次形 重油タンクなし北海道タイプ ワールド工芸
ワールド工芸 C57 4次型重油タンクなし北海道

C51 271号機 ワールド工芸
ワールド工芸 C51 271

C51 274号機 ワールド工芸
ワールド工芸 C51 274

いずれも従来品のラインナップ追加で、基本的には下廻りを改良したものです。


10月

DT-650 南洋物産

台湾に渡ったD51。リアル・ラインが協力していますが、市販製品の改造品ではありません。特徴的なパーツを新製のうえ製造されたものです。


11月

● C56 91 吉松機関区・お召指定機 マイクロエース
C56 91

● C56 92 宮崎機関区・お召指定機 マイクロエース
C56 92

全体の雰囲気は従来の製品とまったく変わりませんが、各部には製造の簡略化も見られます。

D51 347 深川機関区 リアル・ライン
D51 498 G-3型デフ・重油兼用テンダー・集煙装置(高崎車両S) リアル・ライン
今年突然、D51 498が499号機風の変形デフになったため、それに合わせて発売されたもの。
498号機は限定品も合わせていくつもリアル・ラインから発売されましたが、ちょうどKATOのD51 498とかぶってしまいました。

C55 3次型九州タイプ ワールド工芸
ワールド工芸 C55 3次型九州タイプ

C55 3次型九州タイプ D51テンダー振替機 ワールド工芸
ワールド工芸 C55 3次型九州タイプ D51テンダー振替機

下廻りを更新したラインナップ追加です。
残念ながら、今年もワールド工芸からは国鉄蒸機シリーズの新形式は発売されませんでした。 昨年雑誌広告で表明されたC53標準型もその後音沙汰がありません。
C53・C54・D50のような形式を新規設計で納得のいく形で出せるのは、現在ワールド工芸しかないと思うのです。一定のファンがいても一般の認知度が著しく低いこれらは、今後どこからも出ないかもしれません(マイクロエースの再生産はあるかも…)。ということで期待をかけていたわけですが…。
KATOやトミックスの新製品は、どうしても復活運転されている形式が中心になりますし、マイクロエースが既存の蒸機シリーズを新たに作りなおすとしても、同様の傾向になりそうな気がします。
でも、この先のことはわかりません。

D51 498 KATO
D51 498

出たっ!これで煙たなびかせて遠くを走る蒸気機関車の編成を、実物に近い編成バランスで楽しめるようになりました(煙は出ませんが)。
もう、旧客の屋根から頭がボコッと飛び出すこともありません。


余談です:

「D51」の愛称には、デゴイチやデコイチがありますが、私の知っているものでもうひとつ「べこイチ(べごイチ)」というのがあります。
「べこ(べご)」というのはその地域で「牛」のことをいいます。どこかで「デコイチ(デゴイチ)」と言われていたのが、牛の連想で「ベコ(ベゴ)」に変化した可能性もあります。個人的な話なのですが、ちょっとそれに関連する話がありますので書かせていただきます。
なお、以後二重表記はしませんが、この地域では「ベコ」の発音は「ベゴ」に聞こえます。両者同じ音として使われている可能性があります。だから「デコイチ」「デゴイチ」の区別はあったとしてもわかりませんし、おそらくこの地域では意味がありません。

ある冬の豪雪で、その地域が孤立してしまいました。雪がやんでもいっこうに線路は開通しません。数日後(だったかどうかわかりませんが)ある少年が、「キマロキ(※1)の除雪隊が助けに来てくれる」と大人たちが会話しているのを聞きました。機関車はベコレイベコイチだと言っていたそうで、おそらくD50とD51だと思います。
やがて少年や大人たちの前に現れたのは、もくもくと煙や蒸気を吐いて、ぐんぐん雪を片付けていく見事な編成。大人たちもその力強さに「さすが、ベコ(牛)だ!」と感激していたそうです。だから少なくともその場では、牛という意味のベコ、すなわち「ベコイチ」と認識され、発音されていたようです。ただそれが指していた機関車がD51そのものだったかどうかは、残念ながら証拠はありません。
この話はその少年に聞きました。聞いたときには老人でしたが(笑)。他で「ベコイチ」について披露すると相手にされないと思うので、この場だけのことにしてください。本当に、その年の豪雪のときだけだったかもしれないのです。

※1 マニアックな集落のような感じがしますが、「キマロキ」は少年向けの本などにもしばしば登場していたので、一般の人が知っていることもありました。このほか、たとえば農産物を出荷するとき、「昨日はワムだったから一度に積めなかったが、今日はワキが来るから楽だ」のような会話もありました。これはトラックの2t、10tなどというのと同じ感覚で使っていたものと思われます。


来年以降期待したいのは、D51・C62・C57の後継シリーズもそうですが、残るC11のリニューアルです。 実現したら、後輩にバトンタッチした昔の車両を集めて、それらが走るレイアウトを昔の線路や建物で作ってみたいと考えています。


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