Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>電動ターンテーブルの組み立て
説明書の手順ではこちらを先に組み立てます。
最もこのキットらしいところで、数多くのアクリル平面板を貼り重ねて形作る構造です。ディテール部分のみエッチング板を貼り重ねます。
床板には表裏があります。説明書をよく見るとわかります。 |
ピット外周のガイドレール、およびその枕木を固定するための金属板(24)を、円周のスリットに差し込んでいきます。 |
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すべて取り付け終わったところです。裏側はツライチにしておきます。 |
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90度ずつ4枚に別れている枕木パーツ(25)を、取り付けた金属板にはめ込んで接着します。ここも瞬間接着剤を使っています。 |
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4枚を取り付けたところです。4枚の間はつながっていなくても構いません。 |
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ガイドレールは円周の長さに大体合わせて印を付けてから、犬釘の間に少しずつ差し込んでいきます。 |
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1周したら、継ぎ目をぴったり削り合わせ、外側からハンダ付けして固定しました。 |
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ここから、ピット底板の裏側にギヤベースを、表側に外周板を貼り合わせていきます。 まずは、ピット底板の3箇所に、付属のナットをはめ込んで接着します。このとき下面がツライチになるようにナットを埋め込みます。 |
ピット底板に外周板を重ね、裏側にはギヤベースを重ねてみたところです。 外周には2種類の記号で、レールのN極・S極の位置が記されています。9度刻みでずらりと並んでいるので、固定レイアウトに使えば実物に近い雰囲気が作れそうです。 |
重ねるパーツの位置がずれないように、左右の角穴に通すためのアクリル角棒が3本あるので、それを利用します。 外周板は、まず全周をゴム系接着剤にて接着しました。 |
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次に裏側の合わせ目に瞬間接着剤を流していきました。普通のアロンアルフアです。 |
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表側の一番上には、幅の細いリング状のピット内周板が付きます。 内側の断面をヤスリで整えているうちに、ポッキリ折ってしまいました。まあこれは並べて貼り重ねれば問題ないです。うろたえつつも接着します。 |
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しかし、円周にぴったり合うように接着してから反対側を見ると…なぜか位置決めの角棒からズレています。 |
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内周板を貼り重ねたところです。 レーザーカットの跡が、内側の断面にでこぼこしているので、なるべくきれいに整えてやりたいところです。 |
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今度は裏側です。 ナットを埋め込んだギヤベースを、裏表の間違いがないように取り付けます。 |
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表側の中央に、前ページで仮組みした集電板を差し込んで接着します。 |
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裏側に出た集電板の先は、外側にしっかり折り曲げておきます。 後ほど、ここにパワーパック由来の走行用電流の配線(フィーダー線)を接続します。 |
私としては最も面白かった部分です。こういう電気仕掛け的なものを作るのが好きなので、プラ模型を買うときも、ディスプレイ版とモーターライズ版があるときは、必ずモーターライズを買っていました。
付属のアクリル棒をカッターで転がして切り、長さ6.5mm〜7mmぐらいのギヤ軸を3本作ります。 |
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透明な1.0mmアクリル製の大ギヤのうち3枚に、白い2.0mmアクリル製の小ギヤをはめ込みます。 小ギヤははめ込みやすい向きからはめ込んで、大ギヤの片面にツライチになるようにしておきます。つまり凸状に片側にだけ出っ張ります。 |
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実は運悪く、1枚のギヤの歯が最初から数箇所欠けていたので、そこに真鍮線を埋め込んで新しい歯を作りました。 部分的に江戸時代の歯車みたいになっていますが、このままちゃんと動きました。代わりの部品が届くまでの応急措置のつもりです。 ※海外製品なので部品の取り寄せに時間がかかるのですが、ギヤは磨耗する部分でもあるので、今後は代理店にて国内でも在庫するそうです。 |
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ギヤベースに、ギヤケースの外枠をぴったり合わせて貼り付けます(周囲3箇所のビス穴を合わせます)。 次に、矢印の3箇所の穴にアクリル製のギヤ軸を差し込んで立てます。これが曲がっていると回転に影響があります。ここではゴム系接着剤を使って立ててあるだけです。 |
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ギヤを置いていきます。 まず一番大きいギヤ(90T)を、中央の回転軸の位置に置きます。 |
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残った2枚のギヤ(60T、80T)を、小ギヤを下にして所定の位置に差し込みます。 一番上の60Tのギヤを指で回してみて、続く70T・80Tがうまく回転するかを確かめておきます。この60Tにモーターのピニオンが噛み合います。最も高速で回転するのが60Tなので、磨耗も大きいかもしれません。 無理がかかるので、絶対に反対側から(大きいギヤから)は回さないでください。 最後に、3つのギヤ軸の上に、余ったワッシャーを1枚ずつ置きました。ひっくり返すとギヤの噛み合わせが外れることがあったためです。 |
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ギヤを収めたら、上にギヤケースのふたをかぶせ、ワッシャーを挟んでネジ留めします。 アクリル製のギヤ軸(3本)がふたの上に飛び出しているようなら、そこも削ってツライチにしておきます。 |
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最初に置いた90Tですが、最後に上下から付属のプラパイプではさんでガーダーとネジ留めする構造になっています。 |
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モーターブラケットは、RE-140モーターを包み込むような形に曲げます。 モーターの後ろに木ねじが1本ねじ込んであるので、これを一度はずし、ブラケットに取り付けてから再度ねじ込みます。締め過ぎると簡単にバカになってしまいます。 |
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モーターベースは配電盤の端に取り付けるようになっています。 |
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配電盤ラグはゴム系接着剤で接着しました。 |
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モーターを4本のネジで固定し、裏側(設置時の上側)から見たところです。 付属のネジのうち一番短いのは5mmネジですが、これでも長いと思うので、少しカットしました。 |
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説明書には記載がありませんが、モーター軸にはピニオンギヤを取り付けます。 |
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ピニオンギヤを机に置いて、真上からモーター軸を当て、ゆっくりと両手でモーターを押し込むようにします。 |
モーターの付いた配電盤を、長さを調整した2本のネジでギヤケースにネジ留めします。
このとき、モーターのピニオンが60Tギヤに噛み合うことに注意します。噛み合っていないのに無理に押し込むとギヤを傷めます。
配電盤のラグは、中央のギャップで正極・負極に分離するので、つながっている仮ブリッジ8箇所をカッターやニッパーで切断し、電気的に分離します。
外周レールにつながる個々のラグ同士も最終的に必要なところを切断します。この配電盤を使わないとき(中央接点を付けないとき)はこの限りではありません。
いよいよ大詰めです。
主軸となる長さ15mmのネジに、中央接点とアクリルのスペーサーをはめ、5mmプラパイプを通します(最終的にプラパイプはギヤに接着しました)。
それを内部の90Tギヤの中心穴に刺し通します。
反対側はナットで止めますが、周囲に6箇所の刻みがついた板にナットをはめ込み、その上に主軸ヘッドを重ねて接着します。
主軸ヘッドと同じ形の穴が、主桁の裏側に開いています。
表側に出た15mmビスに5mmプラパイプを差し込み(90Tギヤに接着済み)、その上からナットを合わせて、15mmビスを下から締めます。
プラパイプの断面が滑るので、あまりしっかり止まった感じがしませんが、完成後に間違ってガーダー側を回してしまったときなどに、これがスリップクラッチの働きをしてくれるかもしれません。 もっとも締め付けが甘すぎると、回転途中に空転することがあります。
中央接点が転車台と同じ向きになるように調整します。また、中央接点の先と元が、ギャップをまたいで配電盤のラグに双方とも接触するようにします。 見てのとおりですが、これにより右のラグがN極のときに、左のラグの同じ番号がS極となります。中央ギャップを越えて転車台が回転すると、自動的にプラス・マイナスの極性が切り替わります。 |
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主桁を載せる前に、パワーパックをモーターにつなぎ、低電圧でそっと通電して(モーターは3V用)、回転をテストします。 パワーパック・スタンダードなら、目盛り1程度でちょうどよい速さで回転するはずです。それより電圧を上げないと動き出さなかったり、「ガガガ…」とすごい音がするようなら、噛み合わせがうまくいっていません。 ギヤケースのふたを開け、モーターと60Tのみでまずは回転をチェックします。最重要なのはピニオンと60Tの噛み合わせの深さ(浅さ)です。深すぎると先ほどのようになりますし、浅すぎると表面をひっかくだけで回りません。 モーターの取り付けネジを少しゆるめ、通電しながら微妙にモーターをずらして最適な位置をさぐります。その後、1枚ずつギヤを足して様子をみていきます。 油を付けるのはスムーズに回転するようになってからです。各ギヤの小ギヤ付近に、いつも使っているタミヤのセラミックグリスを塗っておきました。 |
幸い10分程度の調整でうまくいきました。ただ回して見ているだけでも面白いです。
転車台の位置を定位させる仕掛けもストッパーもないのですが、パワーパックで非常にスロースピードにすることができるので、目視できるところに設置するのであれば問題ないようです。ただし、車両を定位置にぴったり止めるのと同程度の練習は要ります。
次は中央のレールへの通電です。これが一番難しかったのですが、これを解決しないと車両が走れません。
まずはテスト環境を整えました。 キットにはトグルスイッチが1個付属しており、パワーパックの電流を回転用・走行用に切り替えられるようになっています。 |
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転車台を回転させるときは、トグルスイッチを一方に切り替え、パワーパックの出力を転車台モーターに接続して操作します。 リバース用スイッチのついているパワーパックの場合は、それを利用する方法もあります。 このケースはジャンクのラジオのケースです。何かスピーカーの部分が転車台に似ていると思いまして。 |
スイッチボックスからの配線を、転車台に接続します。 駆動用電流のコードはそのままモーターに、走行用電流は中央集電板からのラグ(A・B)に接続します。 |
レールの集電用接点は、中央の集電板に常に接触していなくてはならないのですが、スプリングや弾性のある部分がないので、ちょっとしたことで非接触になりがちです。 ここは色々と調整したり、工夫したりする必要があります。 この2箇所の接点ともう1箇所で、3点支持のようになれば安定するのでしょうが、そのまま組んでみたところ、なかなかうまく接触しません。 |
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カプラースプリングをはめ込んでみるという方法が簡単でしたが、回転させているうちに集電板のギャップ部にスプリングが引っかかり、ほつれたり曲がったりしてそのままではだめでした。 |
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結局、そもそも接点が集電板に届いていなかったので、リン青銅の集電板をハンダ付けして延長し、先端を色々曲げて調整しました。 ピットの床も完全な平面ではありませんし、車両の移動によってシーソーのようにガーダーが傾いて接点が浮いたりもします。また特定の位置に回したときだけ不調になったりして、調整に2時間ぐらいかかりました。 最終的にスプリングをはめ、先端にシューを取り付けました。一応集電は完全になりました。耐久性に少々難がありそうですが、問題がないか様子を見ています。 |
それでも、思ったより苦労することなく完成しました。 |
金属部分はマッハのメタル用シールプライマーで下塗り後にMr.カラーで塗装しました。アクリル部分はそのまま塗装しましたが、手持ちの関係でタミヤカラー(水性)を使いました。
色調は手持ちの塗料を好きなように混ぜたもので、必然性はありません。参考までにおもな部分は次のような感じです。
・ガーダー…Mr.カラー 暗緑色(124):ライトグリーン(122):ブルー(5)=1:1:少々 →またも比率になっていない(笑)
・操作室…Mr.カラー ライトブルー(117)
・ピット…タミヤカラー ミディアムグレイ(XF-20):ニュートラルグレイ(XF-53)=1:1 ※ぼかし部分はニュートラルグレイ(XF-53)
・円形軌条…タミヤカラー フラットブラウン(XF-10)
ガーダー部は普通の金属工作なので辛かったですが、ピット部と動力部の組み立ては本当に楽しくて時間が経つのも忘れてしまいました。
これを自力で設計してキット形式に製品化する方がいるというのが驚きです。すごいですね。私なんか今までいくつ転車台を自作してもろくなものができなかったので、うまく動くようになってとても嬉しいです。
あとは、何か小型のモジュールパネルか何かに固定したいのですが、情景をきちんと作るのは大変なので、何か単純なものを考えたいと思います。