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電動ターンテーブルの組み立て(3)

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ピット

説明書の手順ではこちらを先に組み立てます。
最もこのキットらしいところで、数多くのアクリル平面板を貼り重ねて形作る構造です。ディテール部分のみエッチング板を貼り重ねます。

ピット底板

床板には表裏があります。説明書をよく見るとわかります。
この写真の面を上側として組み立てました。左右の角棒の入る穴(左が1箇所、右が2箇所)、および中央の数箇所の穴の配置に注意します。

犬釘の取り付け

ピット外周のガイドレール、およびその枕木を固定するための金属板(24)を、円周のスリットに差し込んでいきます。
ここは瞬間接着剤を使いました。

取り付け終わったところ

すべて取り付け終わったところです。裏側はツライチにしておきます。

枕木の固定

90度ずつ4枚に別れている枕木パーツ(25)を、取り付けた金属板にはめ込んで接着します。ここも瞬間接着剤を使っています。
うまく入らないところは、あらかじめヤスリで調整しておきます。

枕木を取り付けたところ

4枚を取り付けたところです。4枚の間はつながっていなくても構いません。

レールの取り付け

ガイドレールは円周の長さに大体合わせて印を付けてから、犬釘の間に少しずつ差し込んでいきます。

レールの継ぎ目固定

1周したら、継ぎ目をぴったり削り合わせ、外側からハンダ付けして固定しました。

ギヤベースにナットを埋め込む

ここから、ピット底板の裏側にギヤベースを、表側に外周板を貼り合わせていきます。

まずは、ピット底板の3箇所に、付属のナットをはめ込んで接着します。このとき下面がツライチになるようにナットを埋め込みます。
この写真で上になっている面が、完成設置後に上になるほう(ピット底板の下に密着する面)です。

ピット外周板を重ねる

ピット底板に外周板を重ね、裏側にはギヤベースを重ねてみたところです。

外周には2種類の記号で、レールのN極・S極の位置が記されています。9度刻みでずらりと並んでいるので、固定レイアウトに使えば実物に近い雰囲気が作れそうです。

外周板の接着

重ねるパーツの位置がずれないように、左右の角穴に通すためのアクリル角棒が3本あるので、それを利用します。
少々ガタがあるので、細かい調整は目視で行ないます。

外周板は、まず全周をゴム系接着剤にて接着しました。

瞬間接着剤を流す

次に裏側の合わせ目に瞬間接着剤を流していきました。普通のアロンアルフアです。
本当はアクリダインやアクリサンデーなどのアクリル用接着剤があれば、それを使うのがいいのかもしれません。

ピット内周板

表側の一番上には、幅の細いリング状のピット内周板が付きます。

内側の断面をヤスリで整えているうちに、ポッキリ折ってしまいました。まあこれは並べて貼り重ねれば問題ないです。うろたえつつも接着します。

反対側のくさび

しかし、円周にぴったり合うように接着してから反対側を見ると…なぜか位置決めの角棒からズレています。
裏表を間違えてしまったのかもしれません。固定してしまえば支障はないので、残った切り欠きを埋めるだけとしました。

表側完成

内周板を貼り重ねたところです。

レーザーカットの跡が、内側の断面にでこぼこしているので、なるべくきれいに整えてやりたいところです。
しかし、先ほどの内周ポッキリ事件があったので、ほどほどにしておきました。

ギヤベースの取り付け

今度は裏側です。

ナットを埋め込んだギヤベースを、裏表の間違いがないように取り付けます。
矢印で示した左右の角棒(左側1箇所、右側2箇所)と、中央の穴が合っていることを確かめて接着します。 ここもゴム系接着剤と瞬間接着剤を使いました。

中央集電板の取り付け

表側の中央に、前ページで仮組みした集電板を差し込んで接着します。
中央の穴がぴったり合うように特に注意します。また、固定後に付属の直径5mmのプラパイプを通してみて、軽く回るように整えます(広げすぎに注意)。

集電板の足を折り曲げる

裏側に出た集電板の先は、外側にしっかり折り曲げておきます。

後ほど、ここにパワーパック由来の走行用電流の配線(フィーダー線)を接続します。


駆動部分

私としては最も面白かった部分です。こういう電気仕掛け的なものを作るのが好きなので、プラ模型を買うときも、ディスプレイ版とモーターライズ版があるときは、必ずモーターライズを買っていました。

ギヤ軸の切り出し

付属のアクリル棒をカッターで転がして切り、長さ6.5mm〜7mmぐらいのギヤ軸を3本作ります。

ギヤの組み立て

透明な1.0mmアクリル製の大ギヤのうち3枚に、白い2.0mmアクリル製の小ギヤをはめ込みます。
大ギヤの中央に小ギヤの位置がレーザー刻印されていますが、抜けていないので、ここを丁寧に抜き取らなくてはいけません。
3枚中2枚は、軽くデザインナイフでなぞっているうちに取れましたが、1枚はどうしても切り抜けず、中央に穴を開けてヤスリで削っていくなど苦労しました(写真のようにヒビだらけ…)。

小ギヤははめ込みやすい向きからはめ込んで、大ギヤの片面にツライチになるようにしておきます。つまり凸状に片側にだけ出っ張ります。

からくり歯車

実は運悪く、1枚のギヤの歯が最初から数箇所欠けていたので、そこに真鍮線を埋め込んで新しい歯を作りました。

部分的に江戸時代の歯車みたいになっていますが、このままちゃんと動きました。代わりの部品が届くまでの応急措置のつもりです。

※海外製品なので部品の取り寄せに時間がかかるのですが、ギヤは磨耗する部分でもあるので、今後は代理店にて国内でも在庫するそうです。

ギヤケースとシャフトの取り付け

ギヤベースに、ギヤケースの外枠をぴったり合わせて貼り付けます(周囲3箇所のビス穴を合わせます)。

次に、矢印の3箇所の穴にアクリル製のギヤ軸を差し込んで立てます。これが曲がっていると回転に影響があります。ここではゴム系接着剤を使って立ててあるだけです。

ギヤ2枚の取り付け

ギヤを置いていきます。

まず一番大きいギヤ(90T)を、中央の回転軸の位置に置きます。
また、小さいほうから2番目のギヤ(70T)を、小ギヤを上にして、2本目のギヤ軸に差し込みます。

残りのギヤの取り付け

残った2枚のギヤ(60T、80T)を、小ギヤを下にして所定の位置に差し込みます。

一番上の60Tのギヤを指で回してみて、続く70T・80Tがうまく回転するかを確かめておきます。この60Tにモーターのピニオンが噛み合います。最も高速で回転するのが60Tなので、磨耗も大きいかもしれません。

無理がかかるので、絶対に反対側から(大きいギヤから)は回さないでください。

最後に、3つのギヤ軸の上に、余ったワッシャーを1枚ずつ置きました。ひっくり返すとギヤの噛み合わせが外れることがあったためです。

ギヤケースのふた

ギヤを収めたら、上にギヤケースのふたをかぶせ、ワッシャーを挟んでネジ留めします。
右上の1本は長さ6〜7mm、左と下の2本はあとで配電盤を重ねてからネジ留めするので長さ9mmぐらいが適当です。
ただ、ちょうどいいものは入っていないので、ネジが届く範囲で一番短いものを選び、少しペンチでカットして使いました(端をヤスリで整えて、一度ナットに通してやれば大丈夫です)。 この2mmネジは、ホームセンターなどで各種長さが普通に売られているので、失敗してもすぐ買いに行けます。

アクリル製のギヤ軸(3本)がふたの上に飛び出しているようなら、そこも削ってツライチにしておきます。

プラパイプを接着した90T

最初に置いた90Tですが、最後に上下から付属のプラパイプではさんでガーダーとネジ留めする構造になっています。
が、フタをしてからではまっすぐネジ留めするのが難しかったため、このあとプラパイプをギヤにゴム系接着剤で接着してから置き直しました。

モーターブラケットの取り付け

モーターブラケットは、RE-140モーターを包み込むような形に曲げます。
ブラケットの足の4つの穴は、少しヤスリで広げておくと、あとでピニオンの噛み合わせを微調整するときに楽です(というか広げないとほとんど調整できません)。

モーターの後ろに木ねじが1本ねじ込んであるので、これを一度はずし、ブラケットに取り付けてから再度ねじ込みます。締め過ぎると簡単にバカになってしまいます。

配電盤の準備

モーターベースは配電盤の端に取り付けるようになっています。
配電盤は、転車台の向いている方向にだけ通電できるように作られている仕掛けで、N極・S極それぞれのレールに配線するラグがぐるりと1周しています。 これらは細い仮ブリッジでつながっていますが、アクリル板に接着するまでは切り離さないようにします。

配電盤ラグの接着

配電盤ラグはゴム系接着剤で接着しました。
また、モーターの取り付け穴にナットを4個埋め込んで接着しました。設置時の下側の面(写真手前側)に、ナットがツライチになるようにしました。

モーターを固定

モーターを4本のネジで固定し、裏側(設置時の上側)から見たところです。

付属のネジのうち一番短いのは5mmネジですが、これでも長いと思うので、少しカットしました。
特に1本は、長すぎると60Tギヤに当たりそうに見えるので、念のため注意してください。

ピニオンギヤを選ぶ

説明書には記載がありませんが、モーター軸にはピニオンギヤを取り付けます。
金属のものとプラ製のものが1つずつ付属していました。どちらも歯数・高さともに同じですが、最初はプラ製を付けて様子を見ることにしました。
噛み合わせが未調整のまま、金属ギヤでアクリルのギヤをガリッとやってしまいそうな気がしまして…。

ピニオンギヤの取り付け

ピニオンギヤを机に置いて、真上からモーター軸を当て、ゆっくりと両手でモーターを押し込むようにします。
昔は軸の反対側からハンマーで叩き込むような説明がよくあったものですが、現在のマブチモーターの説明書では、手で押し込むようにと記載されています。

モーターと配電盤の固定

モーターの付いた配電盤を、長さを調整した2本のネジでギヤケースにネジ留めします。
このとき、モーターのピニオンが60Tギヤに噛み合うことに注意します。噛み合っていないのに無理に押し込むとギヤを傷めます。

配電盤のラグは、中央のギャップで正極・負極に分離するので、つながっている仮ブリッジ8箇所をカッターやニッパーで切断し、電気的に分離します。

外周レールにつながる個々のラグ同士も最終的に必要なところを切断します。この配電盤を使わないとき(中央接点を付けないとき)はこの限りではありません。

主軸の取り付け

いよいよ大詰めです。
主軸となる長さ15mmのネジに、中央接点とアクリルのスペーサーをはめ、5mmプラパイプを通します(最終的にプラパイプはギヤに接着しました)。
それを内部の90Tギヤの中心穴に刺し通します。

主軸のナット

反対側はナットで止めますが、周囲に6箇所の刻みがついた板にナットをはめ込み、その上に主軸ヘッドを重ねて接着します。
主軸ヘッドと同じ形の穴が、主桁の裏側に開いています。

主軸をナットで留める

表側に出た15mmビスに5mmプラパイプを差し込み(90Tギヤに接着済み)、その上からナットを合わせて、15mmビスを下から締めます。

プラパイプの断面が滑るので、あまりしっかり止まった感じがしませんが、完成後に間違ってガーダー側を回してしまったときなどに、これがスリップクラッチの働きをしてくれるかもしれません。 もっとも締め付けが甘すぎると、回転途中に空転することがあります。

動力部完成

中央接点が転車台と同じ向きになるように調整します。また、中央接点の先と元が、ギャップをまたいで配電盤のラグに双方とも接触するようにします。

見てのとおりですが、これにより右のラグがN極のときに、左のラグの同じ番号がS極となります。中央ギャップを越えて転車台が回転すると、自動的にプラス・マイナスの極性が切り替わります。

転車台生地完成

主桁を載せる前に、パワーパックをモーターにつなぎ、低電圧でそっと通電して(モーターは3V用)、回転をテストします。

パワーパック・スタンダードなら、目盛り1程度でちょうどよい速さで回転するはずです。それより電圧を上げないと動き出さなかったり、「ガガガ…」とすごい音がするようなら、噛み合わせがうまくいっていません。

ギヤケースのふたを開け、モーターと60Tのみでまずは回転をチェックします。最重要なのはピニオンと60Tの噛み合わせの深さ(浅さ)です。深すぎると先ほどのようになりますし、浅すぎると表面をひっかくだけで回りません。 モーターの取り付けネジを少しゆるめ、通電しながら微妙にモーターをずらして最適な位置をさぐります。その後、1枚ずつギヤを足して様子をみていきます。

油を付けるのはスムーズに回転するようになってからです。各ギヤの小ギヤ付近に、いつも使っているタミヤのセラミックグリスを塗っておきました。

幸い10分程度の調整でうまくいきました。ただ回して見ているだけでも面白いです。
転車台の位置を定位させる仕掛けもストッパーもないのですが、パワーパックで非常にスロースピードにすることができるので、目視できるところに設置するのであれば問題ないようです。ただし、車両を定位置にぴったり止めるのと同程度の練習は要ります。


次は中央のレールへの通電です。これが一番難しかったのですが、これを解決しないと車両が走れません。

基本配線

スイッチボックスの作成

まずはテスト環境を整えました。

キットにはトグルスイッチが1個付属しており、パワーパックの電流を回転用・走行用に切り替えられるようになっています。
適当なケースにスイッチを取り付けて、写真のように配線しました。

スイッチボックス

転車台を回転させるときは、トグルスイッチを一方に切り替え、パワーパックの出力を転車台モーターに接続して操作します。
回転が終わったらトグルスイッチを他方に切り替えると、パワーパックの出力は中央軌道に接続されるので、車両を運転できます。

リバース用スイッチのついているパワーパックの場合は、それを利用する方法もあります。

このケースはジャンクのラジオのケースです。何かスピーカーの部分が転車台に似ていると思いまして。

スイッチボックスからの配線

スイッチボックスからの配線を、転車台に接続します。

駆動用電流のコードはそのままモーターに、走行用電流は中央集電板からのラグ(A・B)に接続します。
配電盤を使うときは、そこから配電盤にさらに配線します。ここではその配線はしましたが、外周にレールがまだないのでその先はありません。

レール集電用接点

レールの集電用接点は、中央の集電板に常に接触していなくてはならないのですが、スプリングや弾性のある部分がないので、ちょっとしたことで非接触になりがちです。 ここは色々と調整したり、工夫したりする必要があります。

この2箇所の接点ともう1箇所で、3点支持のようになれば安定するのでしょうが、そのまま組んでみたところ、なかなかうまく接触しません。

スプリング方式

カプラースプリングをはめ込んでみるという方法が簡単でしたが、回転させているうちに集電板のギャップ部にスプリングが引っかかり、ほつれたり曲がったりしてそのままではだめでした。
先端に何かシューを付けて工夫したいのですが、上下の隙間がほとんどないので色々工夫が必要なようです。

単純に延長

結局、そもそも接点が集電板に届いていなかったので、リン青銅の集電板をハンダ付けして延長し、先端を色々曲げて調整しました。

ピットの床も完全な平面ではありませんし、車両の移動によってシーソーのようにガーダーが傾いて接点が浮いたりもします。また特定の位置に回したときだけ不調になったりして、調整に2時間ぐらいかかりました。
もう一度ぐらい、きちんと考え直さなくてはいけないかもしれません。

最終的にスプリングをはめ、先端にシューを取り付けました。一応集電は完全になりました。耐久性に少々難がありそうですが、問題がないか様子を見ています。

調整完了

それでも、思ったより苦労することなく完成しました。
塗装するとまたダメになるような気もしますが、要点はわかったので再調整すればすみそうです。

塗装後

金属部分はマッハのメタル用シールプライマーで下塗り後にMr.カラーで塗装しました。アクリル部分はそのまま塗装しましたが、手持ちの関係でタミヤカラー(水性)を使いました。

塗装組立完了

色調は手持ちの塗料を好きなように混ぜたもので、必然性はありません。参考までにおもな部分は次のような感じです。
・ガーダー…Mr.カラー 暗緑色(124):ライトグリーン(122):ブルー(5)=1:1:少々 →またも比率になっていない(笑)
・操作室…Mr.カラー ライトブルー(117)
・ピット…タミヤカラー ミディアムグレイ(XF-20):ニュートラルグレイ(XF-53)=1:1 ※ぼかし部分はニュートラルグレイ(XF-53)
・円形軌条…タミヤカラー フラットブラウン(XF-10)

ガーダー部は普通の金属工作なので辛かったですが、ピット部と動力部の組み立ては本当に楽しくて時間が経つのも忘れてしまいました。
これを自力で設計してキット形式に製品化する方がいるというのが驚きです。すごいですね。私なんか今までいくつ転車台を自作してもろくなものができなかったので、うまく動くようになってとても嬉しいです。

あとは、何か小型のモジュールパネルか何かに固定したいのですが、情景をきちんと作るのは大変なので、何か単純なものを考えたいと思います。


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