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ボールドウィン9号機の組み立て(2)

ボイラーやサイドタンクはホワイトメタルのため、接着による組み立てになります。

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下廻りの組み立て(2)

下廻り前方の組み立て
  1. つかみ棒を端梁に差し込んで固定。
  2. カプラーの取り付け座をダミーフレームに固定。中央の穴にはM1.4タップを立てます。
    ※普通カプラーの穴はM1.2ですが、トーマモデルワークスの場合はM1.4になっています。
  3. 真鍮ロストのシリンダーブロックをダミーフレームに固定。
下廻り後方の組み立て

後部にも、カプラーを取り付けるためのスペーサーを固定しました。
折り重ねて厚くしたワッシャーのような部品ですが、後ろが端梁に当たってしまうので、あらかじめ少しカットしておきます。

ブレーキシリンダーの接着

ホワイトメタルのブレーキシリンダーを接着しました。

ボイラー周りの組み立て

各部穴あけ

ボイラーとサイドタンクに、部品を取り付けるための穴を開けました。

手すりや砂撒き管などの細い部品の穴は0.4mmドリル、やや太い部品を付ける穴は0.8mm〜1.0mmドリルをピンバイスにくわえて使いました。

ボイラーの真下の穴は1.0mm〜1.2mmドリルで少し掘り、M1.4タップを立てておきました。

ボイラーの部品接着

開けた穴に各種部品を差し込み、瞬間接着剤で接着しました。

ボイラー側面の大半は、サイドタンクに隠れて横からは見えなくなります(上方からは見える)。
個人的には、4箇所の砂撒き管はボイラーと一体モールドでもよかったような気がします。

サイドタンクの部品接着

曲げ済みのタンク外板の曲がり具合を調整し、前端を合わせてサイドタンクに接着しました。

続いて、手すりやハッチなどを接着しました。

サイドタンクをキャブに固定

下廻りに仮留めしたキャブの前方のベロにサイドタンクを載せ、キャブ側にぴったり合わせて接着しました。
接着するのはあくまでもキャブとサイドタンクです。下廻りもろとも接着してしまうと、上下が分離できなくなり、モーターが取り付けられなくなります。

ボイラーをサイドタンクに固定

ボイラーの下の平らな部分をタンクに載せて接着しました。ボイラーの後端はキャブ前面に接着しました。
なお下側からはM1.4×5mmネジを2本通し、サイドタンクを貫いてボイラーをネジ留めしてあります。

上下は分離できるようにするので、うっかり煙室下部をシリンダーブロックの缶台に接着しないよう注意します。

ブレースを固定

上下をネジで仮留めしてから、斜めのブレースを煙室横に差し込み、下端を端梁とダミーフレームの合わせ目にしっかりハンダ付けしました。

固定後、上端の折り曲げ部はカットしてフリーにしました。差し込んだままうっかり上下を分離すると、壊してしまうからです。
それでもこの部分は強度的に弱く、最後まで根元からちぎれないかハラハラしました。まあ、取れたら取れたで、真鍮線などで簡単に作り直せる部品です。

ワールド工芸の8100形などでは、逆に上方を煙室にハンダ付けし、下端をフリーとしています。しかし、このキットはボイラーがホワイトメタルのため、上端をがっちりハンダ付けするのは難しいです。上を留めたければ、真鍮線で作って深く差し込み、接着するのがよいかもしれません。

生地完成

ここでひとまず生地完成です。ここまでは5〜6時間くらいでした。

塗装

塗装後

ズボラしてプライマーを省略し、アクリジョンのブラックとつや消しブラックを1:1に混ぜて吹き付けました。
標準希釈率はGSIクレオスのサイトによると塗料3にうすめ液1ですが、この色はそれだとすぐにエアブラシが詰まってしまったため、約2倍としました。吹き付け中は平滑度が悪く、かなりブツブツ・ザラザラの状態でしたが、完全に乾くとそこそこ落ち着きます。

なおスライドバー部分はマスキングのうえ塗装しています。

床板の前方の穴は、通電確保のため、もう一度M1.4タップを通して塗料をはがしました。

真鍮ロストワックスのベルは塗装後に差し込んでいます。煙突先端・安全弁の金や、前後端梁の赤は筆で塗りました。バッファーは、端梁の赤塗装が乾いてから接着しました。

下廻りの組み立て(3)

輪心を固定

輪心の向きを見た目で揃え、ゴム系接着剤で接着しました。
反対側は90度先行させて接着します。90度というのはそれほどシビアでなくても大丈夫です。

クランクピン

クランクピンにプラパイプを差し込み接着しました。ピンの長さには長短あり、取り付ける動輪が異なります。

クランクピンの取り付け

第2動輪には長いピンを、第3動輪には短いピンを接着します。ここはエポキシで固定しました。固定すると輪心の位置を調整できなくなるので、もう一度左右をよく調べておきます。

第1動輪にはピンを使わず、プラパイプのみ取り付けます。

モーターの取り付け

モーターにモーター台をネジ留めし、さらに床板にネジ留めしました。
モーターには向き(極性)があり、識別のための出っ張りが付いているので、説明書(P.2)を見て向きを確認しておきます。

ウォームの取り付け

ウォームはモーター軸の先端を基準に接着と書かれていますが、念のためギヤフレームを取り付けて、モーター軸の先端の位置とギヤの位置を確かめておきました。
組み立ては問題なさそうだったので、一度モーターを外し、ウォームの先端をモーター軸の先端に合わせてエポキシで接着しました。

回転チェック

接着剤が乾いてから、モーターに通電して動輪の回転を調べました。ここで回らないようなら、この先も回りそうにありませんものね。

うまく回らないときは、ウォームの噛み合わせが固くないか要チェックです。モーターやギヤフレームの取り付け位置を前後にずらすなどして調整してみます。私の場合、何もせずそのまま取り付ければ適正になりました。

モーター接点

通電用の接点をモーター端子にハンダ付けしました。金属用フラックスは使わず、配線用のヤニ入りハンダを使います。

上下は分離できるようにします。Aの部分は断面同士が強く突き当たって通電しています。
Bの部分はギヤフレームの端子と接しており、上下分離の際に離れます。うまく接触しないようなら、リード線のハンダ付けで直接通電すれば確実ですが、上下を分離するのは面倒になります。

サイドロッド
  1. 0.3mm洋白線(付属しません)を後ろから差し込み、接着しました。なくても走行には関係ありません。
  2. サイドロッドを先に第2動輪ピンに通し、次に第3動輪ピンにはめ込みました。
  3. 第2動輪ピンには、サイドロッドの上から、ワッシャを2枚重ねます。

反対側のサイドロッドはまだ付けません。

クロスヘッドとメインロッド
  1. クロスヘッドを2本のスライドバーの後ろから差し込み、ピストン棒をシリンダーの穴に差し込みます。
  2. メインロッドのビッグエンドを、ワッシャの上から第2動輪ピンにはめ込みます。

走行をチェックし、問題なければ反対側のロッドも組み立てます。

カプラー

カプラーは、マグネ・マティックカプラーNo.2001のショートシャンク(=No.2004)を使います。
中央の穴はM1.2用ですが、このキットではM1.4ネジを通すので、1.5mmドリルで広げておきました(ギリギリなのでちょっと怖い…)。

完成

上下を組み合わせ、ナンバープレート等を貼り付けて完成としました。組み立て時間はのべ8時間くらいだったので、土日で何とか組み立てられました。
塗装のアクリジョンは、この時点では丸1日経っていないので、まだ完全硬化はしていないのだろうと思います。

ボールドウィン9号機 完成

ボールドウィン9号機 完成

大して組み立てに苦労せずとも、大変よく走ります。走行用模型として十分に使えます(トミーのK.S.KタイプCタンクもこれぐらい走ってくれれば良かったのですが…)。
回転が安定しているので車輪の微細な浮きも少ないようで、小型機が止まりがちなポイントの通過も安心して見ていられます。
特に今までの小型蒸機の組み立て経験がある方なら、楽々成功しそうです(断言はしませんヨ)。

試しに…私のレイアウトは路面区間にR80という急曲線がありますが、通過できました。
曲線は通っても、幅の関係で電停などを通過できない車両も多いのですが、この機関車は幅も狭いので全線走行できました。
この流れで坊っちゃん列車ができるではないですか(笑)。
2014.5 その後、本当に出ることになるとは思いませんでした。

併用軌道通過

南薩5号機と。長さは同じくらいですが、動輪の大きさなどがずいぶん違います。

ボールドウィン9号機+南薩5号機

同じボールドウィンの大コンと。大コンがちゃんとNゲージで存在するのも驚きですが…。

ボールドウィン9号機+9200形

何かボールドウィンって配管の取り回しがテキトーっぽい気がしますね(笑)。それが独特の味わいを持っています。


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