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マイクロエース C10 2019年改良品(C10 8 大井川鐡道)

2019.7.30

初回受注から約2年たち、マイクロエースから「C10 8・大井川鐡道・改良品」が発売されました。
基本的には16年前の初回品と同じ格好ですが、キャブなどに作り変えがあり、動力部も変更されています。
初回製品には「C10 1 原型」もありましたが、今回の改良発売はありませんでした。


初回製品、およびトラムウェイ製品と並べてみました。

C10 8 初回品 マイクロエース

C10 8 大井川鐡道 初回品 2003年発売
(拡大写真)

Nゲージ初のC10プラ完成品として、C10 1と一緒に発売されました。スタイルとしてはまあ太め・高めの、当時のアリイ的なものになっています。ただ全長だけは当時から約1/150でした。

C10 8 改良品 マイクロエース

C10 8 大井川鐡道 改良品 2019年発売
(拡大写真)

今回の製品です。
全体のプロポーションはほぼ同じであるものの、よく見ると細々と改良点があります。

C10 トラムウェイ

C10(トラムウェイ) 2018年発売
(拡大写真)

一連のC11シリーズのあとに発売されました。これは特定機ではありません。

以下3枚はマイクロエースのC10 8(改良品)です。

公式側やや上方より

この個体、ライトがちょっと上向いていますね(笑)。これ結構ガッチリ固定されています。

非公式側後方から

動輪が左90度先行になってしまったのは退化した点かもしれませんが、あまりマイクロエースは重視していないような気もします。一時期、結構よく直っていたんですけどね。

非公式側前方から

旧製品との外見上のおもな違いです。

改良品 前面
改良品(今回)
ヘッドライトが縦縞入りの大型になり、つかみ棒が白成型になりました(写真が白飛びしていますが両側に付いています)。
他は塗りを除き初回品と同じなので、印象も初回品と同じです。
初回品 前面
初回品
マイクロエース2代目の首付きライトでした。

一番変わったのはキャブと後部タンクです。割と有意義です。

改良品 キャブ

改良品(今回)
キャブ外周や屋根にリベットが付いて精密感が増し、またC11に比べて重厚な感じも出ています。側タンクにリベットは追加されていませんが、現在のC10 8の側タンクには、原形のリベット列は残っていないのでこれでよいと思います。もしC10 1も一緒に再登場されていたら、そちらは側タンクにもリベット追加が望まれたでしょう。

キャブ窓の位置は微妙に下がりました。下部の配管も追加されました。
後部ディテールは完全に作り変えられ、ハシゴの位置も変更されています。また後部ライトは点灯式になりました。

初回品 キャブ

初回品
キャブにも後部にもリベットはなく、後部ライトはダミーで色入れはありませんでした。

改良品 タンク上部

改良品(今回)
なお、今回も側タンク・後部タンクに給水口が付いていません(マイクロエースのC10・C11・C12は全部そうです)。
簡単な給水口のふたを貼り付けるぐらいなら、加工ネタとして気楽にできそうですけども…などと思う割に、私はやったことがないんですよね。

動力部も変更されています。基本的には先に発売された、C11 207(SL大樹)と同様の変更です。

初回品 動力ユニット

初回品
ウェイト別体で、従台車からの集電用リード線がテープ留めされていました。もうベトベトで糸をひいています。

改良品 動力ユニット

改良品(今回)
モーターが細くなりました。後部ライト用のLEDが追加され、従台車からの集電はコイルバネによる接触式になりました。

C11とC10の改良品動力

先に発売されたC11 207(SL大樹)とは、後部LEDの基板と取り付け部品が異なります。
C11 207では後部にあったウェイトもなくなっています。SL大樹ほど重たいトレーラーを牽くことはない、との判断でしょうか。SL大樹セットは末尾のDE10が無動力で、これが特に重いのですよね。

C11とC10のボディー内側

C11 207(SL大樹)にはキャブ内側にもウェイトがありましたが、今回のC10 8にはありません。窓がふさがっていないので、外からキャブ内(動力ユニット後部ですが)が見えます。人形を乗せるぐらいのスペースもぎりぎりあると思います。

走りは初回品も別に悪くありませんでしたが、従台車の集電面で機嫌を損ねることもあったため、今回のほうが良くなったように感じます。KATOほど滑らかというわけではありませんが、低速から高速まで素直に動きます。

初回品と改良品のパッケージ

C10も、初回シリーズには貨車が1両付属していました。価格を他のテンダー機に揃えるためではないか、などと言われていました。
初回品の価格は8,600+税、今回は14,000+税です。ずいぶん上がったように見えますが、この16年でのマイクロエース製品の価格の上がり方と、C10は特に安くできるほどたくさん売れる形式ではないだろう(邪推です)と考えますと、まだ安く抑えてあるほうではないかと思います。

C10 8+かわね路号

基本は16年前の古い製品なので、KATOのC11のような現代の製品と同じ土俵で考えるのではなく、タイムトリップを楽しむという種類の製品ではないかと思ってみます。昔、初回品が欲しかったが事情で買えなかったので、今回の製品には興味がある…という方にはマッチするかもしれません。外観もできる範囲で改良されていますし(ただし全体のプロポーションなど、変わっていないところは変わっていません)、動力が良くなっているので走らせるのは楽しいと思います。


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