Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>きかんしゃトーマス号[C11]の組み立て
2016.2.27
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ネコ・パブリッシング(鉄道ホビダス)発売の、大井川鐵道きかんしゃトーマス号シリーズNo.1です。
「その1」があらぬ方向に進んだため、2回目の組み立てです。今度はちゃんと説明書に沿って組み立て、どういうスタイルになるのかを見たいです。
新しいキットで一から始めました。
前回は、最後のステッカー貼りや色さしを考えると気が重くなったので、今回は最初に全部終えてしまいました。これなら塗装印刷済みキットの組み立てと同じことですから、気分が上向きます。
生地はプラの成型色のままです。ずれたシールを貼り直したり、はみ出した色を削り取ったりするには楽です。
使った塗料は水性塗料なので、細かいはみ出しは硬化前なら、爪楊枝の先を濡らして擦るだけで結構取り除くことができます。爪楊枝の先を薄く削ってナイフのように使うと細かいところも除去できますし、先が塗料で詰まったらまた削って、新しい面を出せばOKです。
ここではすべての部品をランナーに付けたまま作業していますが、先に切り離したほうが塗りやすい部品もあります。
ボイラーバンドの赤線は、最初マスキングして赤で塗ってみました。しかしどうも他の赤線と比べて太くなってしまい、発色も悪かったので、結局はふき取ってステッカーに替えてしまいました。
窓廻りは最初に黒で塗ってから、黄色の枠のステッカーを適当に分割して貼りました。窓のひさしがあるためうまく馴染みませんので、公式側はひさし部分のみ、ステッカーを使わず黄色で塗ってみました。
デカールを馴染ませるときに使う「マークソフター」がステッカーにも効くかもしれないと思って使ってみましたが、効果はなかったようです。
サイドタンク側面は、ステッカーを赤線枠の外側ぎりぎりでカットして、中央のナンバーもろとも全面に貼りました。次に貼ったまま、赤線枠の内側ぎりぎりにナイフを入れて、内側の透明部を剥がし取って台紙に戻しました(これもナンバーごと)。これで赤線枠だけが車体に残ります。最後にナンバー「1」の周囲に切り込みを入れてサイドタンク中央に貼り付けました。
後部タンクの側面は、赤枠の4辺を1ラインずつ切り出して順に貼りました。結構、何度も貼り直したり、爪楊枝の先で押して位置を直したりしています。
なお、ステッカーを密着させようとしてあまり強く擦ると、印刷が剥がれて色が薄くなるので要注意です。
第一動輪の上に付く半月状のスプラッシャーは、赤線の外側からステッカーをカットして透明部ごと側面に貼り、貼ってから内側ぎりぎりにナイフを入れて透明部を剥がし取りました。
キャブ前後の窓は、断面を黒に塗ってから、フチに黄色を塗りました。ここはステッカーを使っていません。
これらの色差しはすべて面相筆による筆塗りですが、屋根の黒だけはエアブラシで塗りました。別にランナーに付けたまま塗る必要もなかったのですが、他の部品を紙で包んでテープでマスキングしてから塗りました。
黒のパーツは汽笛や煙室の配管に色差しをした程度で、ステッカーを貼る箇所はありません。
白成型のランボードは、本当は明るいグレーのようですが、このサイズの模型なら白でもよいと思いましたので、そのままにしました。
ランボード側面の赤線は、端梁を塗ったついでに赤で筆塗りしました。ここは赤のマジックでもいい感じになりそうでした。
同じ白ランナーの裏側です。端梁は筆で赤・黒・黄に塗りました。バッファー部分の黒丸はステッカーにも用意されています。
以上を3日くらいに分けて少しずつやりました。面倒な部分が全部終わったので、あとは組み立てのお楽しみだけです。一度一通り組み立てていることもあり、もう気がかりは何もありません。
なお、組み立て後に全体をクリアーコートし、つやを整えてステッカーを保護する予定です。
下廻りは、シリンダー側面と動輪側面のみ塗装しました。
輪心は材質的に塗装が剥がれやすいと思いますが、あまり難しく考えずアクリジョンをそのまま塗っています。もし剥がれても、そこだけ塗り足せばいいでしょう。
動輪はダイキャストブロックから外し、内側のギヤや軸受けをマスキングテープで包みました。ゴムタイヤは外し、フランジとタイヤ踏面、輪心中央にマスキングゾルを塗ってから、エアブラシでスカイブルーに塗りました。
下廻りの分解組み立てができる方なら、特に予想外の難しさはなく、あっさり塗れると思います。
説明書の手順3からスタートします。先日の「その1」と同じ手順をなぞっています。
パーツをランナーからカットします。
プラモデル用ニッパーで部品から少し離して切り、最後にナイフやヤスリで平らにします。
手順3で組み立てるパーツをすべて切り出しました。
すでに彩色が済んでいるので、見ているだけで楽しいです。
キャブの屋根に妻板を接着します。
最初のステップである、ここがずれると最後まで尾を引くので、また透明なゴム系接着剤(コニシ ボンドGクリヤー)を点付けして仮留めしました。
ホントはあまり好きな方法ではないですが、ゴム系接着剤は柔らかいので調整がきき、剥がすこともできるので、こうしました。
黒塗りした屋根(B-5)に、前後の妻板(B-7、B-8)を仮留めし、ずれがないことを確認してから、流し込みタイプの接着剤を裏側の合わせ目に少しずつ流して固定しました。
塗装を終えているため、接着剤がはみ出したり塗装面に付いたりしないよう、特に注意します。
側板(A-3,A-4)をキャブ屋根の左右に合わせて接着します。
ここも、少しでもずれて傾くとまずいので、先にゴム系接着剤で仮留めしました。
左右の側板の裾が平行になるよう注意して、最後に内側の合わせ目に流し込みタイプの接着剤を流して固定しました。
ここまで終えたところです。天窓が開いているのがちょっと楽しいです。組み立ててしまうとモーターしか見えませんけど…。
後部タンクの上蓋(A-2)を取り付けますが、前後にランナーの切り残しがないか、ヤスリでもう一度平らにしているところです。
タンク上蓋を合わせ、内側から接着剤を流して固定しています。
その上に石炭囲い(B-1)を接着します。
タンク後部(B-6)をぴったりはめ込んで接着します。これで車体後部は安定します。
手順4で組み立てるパーツを切り出したところです。
ランナーの切り口の処理が不十分だと、表から隙間が見える部品がいくつかあるので、十分注意して平らにしておきます。
左右のボイラー(A-5,A-6)が隙間なく合うよう確認してから、合わせ目を接着します。
サンドドーム、スチームドームの上部を接着しました。なるべく継ぎ目が目立たないように合わせます。
タンクのハッチ(B-12)を接着します。はめ合わせが少しゆるいので、曲がらないように気をつけます。
ハッチを付けたサイドタンク上面を、本体に接着しました。
接着剤を付け過ぎると、合わせ目の角から表に出てきますから十分気をつけます。
先に組み立てたボイラーをキャブとタンクに合わせ、曲がらないよう注意して接着します。
ボイラーを接着したところです。サイドタンクの前側はボイラーに密着せず、少し隙間が開いているのが正解です。
ここから黒成型・白成型のパーツが加わります。
左右の煙室(C-12,C-13)を接着し、煙突(C-14)を傾かないように接着します。
この後ろに消音器(C-1)が付きますが、前回何度もへし折ったので、最後に付けることにしました(実は最後につけてもへし折った)。
組み立てた煙室をボイラーに接着しました。ボイラーの軸線から曲がらないよう注意します。
ランボード上にテールライト(C-16)を接着します。
小さいうえ、はめ込みが若干きついので、ピンセットでパチンとはじいて飛ばしてしまわないか、ヒヤヒヤしました。
前端に端梁(D-10)を接着します。曲がらないよう、少しずつ接着剤を付けて固定していきました。
後端の仮ブリッジは、溝に沿ってカットしておきました。
組み立てたランボードを本体に接着しました。
このとき、ランボード後端とサイドタンクの前端の合わせ目に、隙間ができないように接着します。
これで本体の基本部分はおしまいです。
なお、動力部に被せると、やはり同じ箇所が干渉しましたので、ナイフで車体内側を少し削り取りました。
この手順で使うパーツを切り出したところです。
切り口を処理するときに、カプラー解放テコを中央で折ってしまい、接着剤でつなぎました。
後部ライトに銀を入れるのをすっかり忘れていました。
カプラー(C-8)と解放テコ(C-11)、ライト(D-7)、スプラッシャー(B-14)を接着しました。端梁に解放テコを接着する前に、接着面の塗料は削り落としておきました。
手前につかみ棒が転がっていますが、これはあとで接着することにしました。
コンプレッサー上部(C-3)、汽笛(C-7)、スプラッシャー(B-15)を接着しました。左右のスプラッシャーは厚みが違います。
後部ヘッドライト(B-4)、テールライト(D-8)、石炭(C-2)を接着しました。
あとは、顔を付けるだけです。
他に「ラスティー」が付属していますがスルーされています…。
目玉は目線の違う3種が付属しています。黒目はマジックで塗りましたが、左右同じ大きさできれいに入れるのは結構難しいです。黒目のステッカーも付属しています。
顔と目玉を取り付けたところです。あっち向いています。
接着はせず、煙室にはめ込むだけです。あとで別な目玉と入れ替えることができます。
動力部をはめ込み、試運転をしておきました。
顔と目玉を外し、車体全体を水性塗料の半光沢クリアーで塗装しました。
見かけに大変化はありませんが、全体の光沢が揃い、手で持ってもプラむき出しの感触がなくなります。ステッカーの断面の糊のべたつきもなくなります。
塗装後に消音器とつかみ棒を接着しました。
今度はきかんしゃトーマス号として完成しました。
微妙なカメラ目線。
細かいステッカーを切り出して貼るのはそれなりに大変ですが、このステッカーの付属がなければ大変ではすみませんでした。
正面向きの目玉に変更してみました。
種車となったKATOのC11と比べてみました。どこがどう化けていますか。
KATO C11
「かわね路」号に入っている現行商品です。
きかんしゃトーマス号使用のC11
「その1」で気が変わって作ったC11 227号機風味です。
きかんしゃトーマス号
キットの素組みです。そもそも色が違うので印象ががらりと変わります。
KATO C11 | きかんしゃトーマス号使用のC11 |
きかんしゃトーマス号 |
先に色を塗ってステッカーを貼りますと、思った以上にやる気が出まして、とても楽しい組み立てでした。
Nゲージの誕生から50年たって、ついに蒸気機関車のコンバージョンプラキットが発売されたというのも感慨深いです。
ここで引いているのは普通のスハ43ですが、きかんしゃトーマス号の「茶色い客車4両セット」も一緒に発売されています。
このキット、せっかくC11の金型が作られているので、今後も派生キットが出ないかなと思います。KATOとは別形状のC11キットというのもいいですし、C10も面白いかと…。
今後もNゲージ蒸気機関車のプラキットの路線が続いてくれると嬉しいです。
(おわり)
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