たいてい終わり間際に色々やらかします。
塗装はまたカラープライマーの1パス塗りにしました。ちょっと薄めが足りなかったようで、「濡れ」が十分でないまま表面が乾燥してしまい(非常に微粒子なので、それでもブツブツにはなりません)、若干擦り跡がつきやすくなったような気がします。 空気作用管、汽笛、安全弁などを取り付け、ライトに銀を入れて窓ガラスを貼ります。あまり好きではない空気作用管を取り付けるために、知恵の輪のようにあちこちの配管をくぐらせているうち、少々塗装面を傷めたところもあってタッチアップしました。 |
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前デッキのテールライトは、ボンドなどでレンズを表現してもいいと思いますが、これは黒のマジックを塗っているだけです。黒のマジックは濃い赤チン(死語でしょうか…)のような独特のテカリがあるので、つや消し黒の車体に塗ると何となく赤っぽく見えます。まあ、クリアーレッドのほうがいいだろうとは思うのですが、簡単でしたので。 |
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動輪を台枠の軸受けにはめ込み、ブレーキシューのついた動輪押さえ板を当ててネジ止めします(ネジの行き先には全部タップを立てておきます。ロッドを除いて1.4mm)。 昔からですが、ブレーキシューの左右間隔が少々狭くてフランジと干渉することがあります。私は根本から曲げて少し広げていますが、柔らかい素材なので、加減してやらないとちぎってしまいます。 以後、1工程ごとに曲線レールの上で転がして動きを確かめます。ここでは急カーブのR249を使用しています。ただR249では動輪は回っても、他の部分がショートしたりして結構厳しいです。R280は最低限クリアするようにしています。 |
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ラジアスロッドを付けます。バルブスピンドルガイドの表現を後ろからシリンダーに差し込み、加減リンクを折り返して重ね(折り線が切れやすいので、ハンダ留めか接着するとよいです)、上側からモーションプレートに差し込みます。後ろのネジはここだけ1.0mmタップです。 そのあと、加減リンクの下端を外側に90度折り曲げて、あとでエキセントリックロッドを差し込めるようにします。 |
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サイドロッドをクランクピンで第一・第三動輪に取り付け、スムーズに転がるかどうかを確かめます。 ただ、この段階ではフリーの第二動輪に引っかかることがあるので、予備のピン1本で片側の第二動輪にも差し込んでいます。 クランクピンは一見きちんと差し込まれているようでも、まっすぐになっていないことがあり、その場合回転が悪くなります。 |
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最近、エキセントリックロッドを取り付けると具合が悪くなることが多いので、先にエキセントリックロッドの調子を整えます。 エキセントリックロッドは一番長いところで切断し、先端を加減リンクの穴に差し込みます。長すぎてつっかえるときは少しずつ削りますが、このC55の場合その必要はないと思います。後ろのリターンクランクはサイドロッドを貫通して第二動輪に止めます。 たぶん、回転がしぶいと思います。リターンクランクとそのピンは直角ではなく、少し角度が付いているのですが、傾きすぎているとうまく回転しません。慎重にピンの角度を直角に近づけて調整します。 また、リターンクランクの第二動輪への差し込みが深すぎたり、浅すぎたりすると、エキセントリックロッドが加減リンクの穴をまっすぐに往復しないので、ちょうどいい深さを見つけておきます。そのあと、一度外します。 |
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クロスヘッドについているピストン棒は、説明書によると根本のつばから7.5mmで切断することになっています。ただ切断のときに目盛を読み間違えたことがあるので、1mmほど長く切って削っていきました。この作例では8.0mmでもうまく動いています。 クロスヘッドをスライドバーに引っ掛けてピストン棒をシリンダーに差し込みます。シリンダーブロックの組み立てが悪いと、内張りが浮いて穴をふさいでいることがあるので、調べて修正します。 メインロッドの穴を第二動輪の位置でサイドロッドに重ね、その上からリターンクランクのピンを差し込みます。少しゆるかったので、先端をヤットコでぎゅっと潰して差し込みました。以前は、ゆるいときはニッパーでピンにキズを付ける方法が説明書で紹介されていましたが、力余って切断してしまう恐れもあるので注意が必要です。 |
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メインロッドは第一動輪ピンに干渉しやすいので、少し曲げてピンを避けるようにしておきます。 第一動輪ピンも出すぎないように差し込みますが、あまり深く差し込むと、カーブで動輪が左右に動くときに動きがしぶくなります。 うまくいくと本当に滑らかに転がるようになります。 |
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コンビネーションレバーは横向きにして上端をバルブスピンドルガイドの穴に引っ掛け、下端をユニオンリンクに通してから先端を閉じます。 細かいので結構イライラします。また、ユニオンリンクの具合によっては、矢印のフランジの部分にコンビネーションレバーが引っかかって、動きが悪くなります。 |
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シリンダーブロックにハンダ付けしたカラーにスプリングを通し、先台車をはめて下からワッシャとネジで止めます。 次に車輪をはめて車輪押さえをネジ止めします。何か派手に曲がっています。 |
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従台車は先端の穴にカラーを差し込んで台枠の下に重ね、従台車の下側にバネを入れてワッシャとネジで止めます。 このあと、前後2本のネジで上廻りと下廻りを合体するのですが…。 |
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先台車を先につけてしまうと、台枠をネジ止めできないのでした(斜めにドライバーを入れて無理にできないこともないです)。 というわけで一度先台車をバラしてやり直しています。これにより先ほどの派手な曲がりもリセットされた模様です。 |
ナンバープレートなどを貼って機関部は完成です。 |
車輪座は外側の面を黒で塗り、軸受けを直径2.5mm程度まで丁寧に丸ヤスリで広げます。また、上部の大きい丸穴も、内側の塗料をきれいにはがして通電を確保するようにします。 ところで後ろ側に写っているフレーム、車輪座の支点を黒で塗ってあるのですが、手順がよくないです。このあとここを直角に折り曲げるのですが、先に黒を塗ってあると補強ハンダができません。結局、塗料を落とすはめになりました。 |
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車輪座にギヤスペーサを乗せて、小ギヤを小ギヤ軸で止めます。小ギヤ軸の表にバリが出ていれば削っておきます。 このあと小ギヤ軸の中心に、つまようじの先などで瞬間接着剤をごく少量垂らし、ゆるみ止めにします。…最近はそうしていたのですが、以前は特にそんなことはしていなかったので、今回もネジで留めるだけにしてみました。 |
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大ギヤに大ギヤ軸を通し、ギヤスペーサと両ボス回転座をはさんで、小ギヤのついた車輪座をフレームにネジ止めします。 説明書にはギヤスペーサのほかに、「大ギヤカラー」というものを重ねることになっていますが、それらしい部品が見当たらないので省略しました(これは以前からの謎です。入っていたためしがありません)。 |
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上から見るとこんな感じになります。うまく噛み合っており、回転もスムーズなので問題ないと思います。 |
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大ギヤの中央に、付属の絶縁用シールを貼っておきます。 向き合う側の車輪座にはギヤがないので、回転座をはさんでフレームにネジ止めするだけです。 |
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絶縁板のアンダーフレームに、ここまで組んだ左右のフレームを組み込んでネジ止めします。そのあと前後から見て、左右に傾いていないか確かめます。 |
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ギヤ軸の両側に車輪スペーサをはめて軸受けに置き、両側から車輪を差し込んで万力で圧入します。この要領は説明書に詳しく書かれています。 矢印の2箇所はゴムタイヤ付き車輪が付きます。圧入が終わったら、台車枠を留める4箇所のベロを外側に曲げます。 |
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モーターをネジ止めして配線します。赤い矢印の端子は、モーター台のヒゲを曲げてハンダ付けしますが、長さがぎりぎりなので、無理せずリード線にしてもよいと思います。 反対側はヒゲがないので、付属のリード線でモーターとフレームをハンダ付けします。これらは金属用フラックスを使わず、電気配線用のヤニ入りハンダでハンダ付けします。 これで通電し、モーターが回転することを確かめます。 |
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両端にウォームギヤを差し込んで、エポキシ系接着剤で接着します。昔はウォームの固定に接着剤はダメと言われたのですが、このモーター軸にハンダが効かないのかどうか、試したことがありません。 固まったら試運転です。何もこんなところでしなくても(路面電車の併軌道上)。 |
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ホワイトメタル製の台車枠は、取り付け部のへこみを1.2mmドリルで開口します。あらかじめ、ここに固定に使うネジ(M1.7タイト)をねじ込んで、セルフ・タッピングでネジを切っておくと楽です。 その後、車輪座の取り付け部に重ねてネジ止めします。中央にATS車上子、後部にカプラーなどを取り付けます。 あとは、後部の埋め込みテールライトをボンドで表現すれば終わりです。 |
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最大級のポカ。急を要する事態だったので写真がありません。 テンダー後部には埋め込みテールライトを表現する穴があって、ここにボンド(エポキシ)を盛ってレンズを表現するようになっています。エポキシを2液混合し、つまようじの先に付けていると、その横に無造作に置いてあったテンダーがぱたりと倒れて、混合したエポキシの上にべったり。 「ギャー」とか何とか叫んで流しに走り、石鹸液で必死に洗い落としましたが、そこに残ったのは指紋だらけのテカテカになった表面。本当にへこみましたが、気を取り直してそこだけ塗りなおしました。 そこで思い出しました。「確か、前にもやったよな…」。 |
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試運転の前に、一度机の上を片付けていると、謎の余った部品が。 ボイラーの内側にボイラーボスをハンダ付けするとき、これを重ねて一緒にハンダ付けするのでした。もう組み上がったし、まあいいや…。 |
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さらに最大級のポカ(笑)。 試運転です。するすると走り出して半周で、ガシッとギヤが噛み込んで停止。以後、うんともすんとも言いません。 おかしいと思ってテンダーを持ち上げると、中から小ギヤがぽろりと。意識的にしっかり留めたはずなのに、こんな光速で外れるとは何者。 こうなったら腹を決めて、分解できないはずの動力をこじ開けて、組みなおしました。がっくりきましたが、早く修理を始めればそれだけ早く終わります。 |
あちこち怪しいですが、ようやくできました。 私は当初門デフにあまり興味がなかったのですが、だんだんこれも好きになってきました。 |
ワールド工芸のC55やC57は、ランボードをはさんだ上下のバランスが絶妙でとてもいい感じです。動力や素材の厚みの制約が少ないので、設計された方のデザインセンスが遺憾なく発揮できたものと思います。しかし、全体の軸線を作るランボードもボイラーも曲がりやすく、組み立てにはそれなりに神経を使います。
目も指先もヤバげな私には結構つらくなってしまいましたが(それにしてもエポキシべったりはないぞ)、部品の位置決めの楽なキットなので、こういう工作がお好きな方はじっくり取り組めると思います。