床板ははめ込み式なので、ピンセットなどでツメのありそうな場所を持ち上げると外れます。
第1動輪を持ち上げてみると、軸受けの部分にリン青銅のバネが見えます。C56と同じですね。 |
最初はおっかなびっくりです。
まず、側面暖房管の前端のピンを、デッキ先端から横に引き抜きます。前面の端梁下にある暖房管とはつながっていませんから、心配要りません。 |
後ろから見ると、床板の直下に、ダイキャストフレームの溝がほんの少し見えます。そこに薄いマイナスドライバーを少し差し込んで、ひねるようにすると簡単にキャブ側が浮きます。 |
なお、ドーム内に入っているウェイトが転がり落ちるかもしれません。
ウォームの前後に2個のフライホイールが並び、後方にコアレスモーターという、D51に似た構成です。
しかしボイラーが細いため、特に上部にD51よりも余裕がないようです。
このフライホイールがものすごくよく効きます。過走はトミックスのED79等に匹敵するほどで、国内のプラ蒸機では最大ではないでしょうか。
もちろんじわじわと速度を落としてゆっくり止めれば、望みの位置で簡単に止められます。出足も軽くてとてもスムーズです。
煙室周辺の部品構成です。大体今までのものと同じです。 最初に煙室扉を外し、デフのステーを折らないように注意しながら煙室枠を前方に抜き取ります(ライトの脇あたりのピンでボイラーに差し込まれています)。 |
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こちらはキャブです。 |
4次形は船底テンダーです。今回の九州タイプは、後部に段差のないストレートタイプです。
前方に寄った増炭枠が作られています。実際にはこの後ろにも石炭が入って(こぼれて)いて、あとで前のほうに移して使われたりもしました。 |
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このC57は最小通過曲線がR249とされています(C62はR282でした)。 |
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前作のD51 北海道形(密閉キャブ)と同様、石炭皿がキャブ内に入り込むので、レールに載せるときには注意して噛み合わせます。 |
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船底テンダーの後部。埋め込み形(薄型)テールライトがついています。右側の後部ステップには暖房管ホースがぶら下がっています。 写真のカプラーは付属のナックルカプラーです。いずれMT-7を付けるか、トリップピンを付けるかして自動解放可能にします。 |
テンダーは台車を外し、床に出ている2つのツメを外せば中身が取れて分解できます。 構造はD51等と同じです。内部のダイキャストフレームには、今までどおりスピーカーとサウンドデコーダーを組み込むためのくぼみがあります。 |
試しに、壊してしまったMRC1637(今はMRC1956に代替わり)を入れてみたところです。スピーカーと本体は簡単に入ります。 |
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スピーカーは斜めにセットされます。 |
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ふたをしたところ。配線の取り回しは工夫する必要がありますが、サウンドや重連操作でDCCの利用が効果的な蒸機では、ありがたい配慮です(DCCなら停止中だろうが走行中だろうが、ライトの点灯・消灯も自由にできます)。 |
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後部ライトは点灯しませんが、導光材は内側に向けてセットされているので、ライト基板を仕込めば点灯化は容易でしょう。このあたりもD51と同様です。 |
このC57は、走行性能・外観の双方がさらに向上し、コスト・パフォーマンスの高さは相当なものです。正直、この内容の濃さは実際に買ってみるまでわかりませんでした。KATOの蒸機で過去最高だと感じる方もいらっしゃると思います。
(向こうはワールド工芸のC55流改九州タイプ)
最近のプラ蒸機は、そのつど何かしらの感動がある出来ですが、やはりこの流れの最初にあったのは2007年のC62東海道形だったと思います。その後トミックスのC57で走りが別ランクに高まり、さらにD51のコアレスモーター化でもうやりたい放題(笑)という感じです。
でもそのスイッチの元の部分には、リアル・ラインの挑戦とか、マイクロエースの多品種攻勢など、多くの環境変化があったのでしょうね。