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C59(新)の組み立て その2

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主台枠

最近のキットでは下廻りの構造はほとんど同じです。直近のC53と同様、外側から後台枠を重ね付けします。

主台枠の組み立て
  1. 主台枠の左右を直角に折り曲げ、ずれないように左右の内張りを重ねて組み合わせます。断面にハンダを流すなどして貼り合わせます。
  2. 後台枠を折り曲げ、主台枠に差し込んで固定。
    前方の斜めの部分に、模様の付いた板を貼り重ねますが(この写真ではまだ)、説明書のH2-4右・H2-4左の指示は逆かと思います。
  3. 牽引力増強装置テコを貼り重ねます。次で差し込む4.の真鍮線を支点に、軽く上下に動くようにします。
  4. テコ先端に外側から0.4mm真鍮線を通し、抜けないようにします。
  5. フタをして、上面を平らにヤスります。
  6. モーションプレート台座を組み立てて固定。
台枠後部

後ろ側はこんな感じです。てこの端が軽く上下に動くようにするのですが…どうも上側に動かしたときにつっかえます。

てこ前端

てこの先端の角が、モーションプレート台座の後ろに当たっていました。
しかも0.4mm真鍮線と間違えて、1本だけ別の袋に入っていた0.5mm真鍮線を使っていました(実はテンダーの溢水管用)。アソビが少なくて余計当たりやすくなっていたのかもしれませんね。ここまで固定してから削り合わせるのは面倒でした。

間違えた真鍮線はそのまま使いました。

シリンダーブロックの組み立て1

シリンダーブロックを組み立てます。写真を撮り忘れたので、同じ組み方のC61から持ってきました。

  1. 前後の丸い部分を180度折り返します。断面にハンダを流したら、下部のつなぎ目をヤスリ落としておきます。
  2. 前方にバルブカバーを取り付けます。
  3. 後方にバルブスピンドルガイドを取り付けます。
  4. 側面の下側は少し丸めておきます。
  5. 側面内張りの下部は、少し内側に曲げて傾斜を付けておきます。曲げすぎるとピストン棒にぶつかるかもしれません。
シリンダーブロックの組み立て2
  1. 全体を四角形に組み立て、模様の付いた側面部を密着させて固定します。
    丸みに沿ってあまりぐいぐい押し付けると、中央部が凹んでしまいます。
  2. 左右のスライドバーをまっすぐ差し込み、特にしっかり固定します。付け根に細い部分があり、そこから曲がりやすくて怖いです。でも実物もこうなんですよね。
  3. ドレンコックを固定。
  4. 底面の先台車固定穴に1.4mmのタップを立て、L3.5mmカラーをネジで仮止めしてハンダ付け。その後ネジを外しておきます。
シリンダーブロックの取り付け

シリンダーブロックを台枠の溝に差し込み、水平になるように固定します。

取り付けのときにスライドバーが邪魔になるので、先にシリンダーブロックを取り付け、モーションプレート廻りは最後に取り付けるほうがよさそうです。いつも深く考えずに後ろから順に進めていました。

従台車バネとイコライザー

従台車のバネとイコライザーを折り曲げ、台枠後部にぴったりはめ込んで平らになるよう固定します。

前方のネジ穴の部分は、内側に折り重ねて2枚重ねになります。しっかり貼り合わせないと、タップを立てるときに内側に折り返した部分がちぎれることがあります。

先台車・従台車の組み立て

先台車・従台車と、それぞれの車輪押さえを折り曲げて組み立てます。従台車の軸箱はロスト部品を別付けします。

機関部生地完成

これで機関部は生地完成です。右下にある2枚のリン青銅板は、塗装後に火室の裏側に貼り付けます。

テンダー

船底テンダーの構造は、一昨年のC61のときに改良されており、動力部の取り付けが以前より安定したものになりました。今回も小改良はありますがその流れです。

テンダーの主な部品

しかしこれ、何からどうすればいいんでしょうね(笑)。
よく見ればわかりますが、本当にただの平板なので、最初は面食らいます。

右上に独立している妻板は、形態のバリエーションとして付属しているものです。ここでは使っていません。

後部妻板の折り曲げ
  1. 後部妻板を折り返す前に、溢水管の取り付け部を起こしておきます。
  2. 妻板を慎重に折り重ねつつ、起こした部分の角度を調整しながら妻板の横穴に一致するようにし、はめ込みながら重ねます。きちんと入ってから直角に修正します。
側板の折り曲げ
  1. 増炭枠を180度外側に折り重ねます。下側にはあとで外板のフチが当たるので、ハンダが回らないようにしておきます。
  2. 側板を直角に曲げます。それから重ね合わせた後部妻板をしっかり貼り合わせます。
テンダー妻板の組み立て
  1. 左右を軽く斜めに折り曲げて後退角を付けます。角度を決めるためのゲージ(A5-3)が付属しています。
  2. ATS配管など前面のディテールを折り重ねて貼り合わせ。
  3. 石炭皿などパーツを差し込んで固定。
  4. ドローバーを前方に曲げ、ドローバーピン(ロッドピンと同じもの)を取り付け。ドローバーは説明書にあるように少し下側に曲げます。
テンダー側板の組み立て
  1. 今回、側板の底部は曲げ加工されていません※1。自分で曲げます。
    説明書には、「底部分の角度は治具A5-2使用」とありますが、A5-2はキャブ妻板用ですから角度が違います。実際のテンダー妻板の角度に合わせればよいと思います。
  2. 上部にステンレスのフチをハンダ付け。
    C61のときはここから腐った…ので、今回は極端に長時間水洗いしました。

※1 翌年発売のC59 127では、再びメーカー曲げ済みになりました。助かります。

動力部取り付け部

テンダー内側に付く、動力部の取り付け座です。

  1. 左右の穴の部分を、外側に180度折り返します。
  2. 前後のフチを90度折り曲げて立ち上げます。
  3. 貼り重ねた部分にハンダを流してしっかり固定します。左右の丸穴には1.4mmタップを立てます。

左右がつながったままテンダーに取り付け、あとで中央部を切り離し、左右の穴の部分だけが残ることになります。

テンダー組み合わせ
  1. 左右の側板をぴったり重ね、内側のハンダ穴からハンダを流して固定します。
  2. 内側に動力部の取り付け座と、上板を挟み込み、仮留めしながら歪みのないよう固定します。
妻板の固定
  1. 妻板を固定。ぴったり合わないときは後退角を調整してみます。
  2. 動力取り付け部の中央部をカットし、左右の台座のみ残します。
後部妻板のディテール
  1. 後部妻板のステップや手すりを取り付けます。
  2. カプラー解放テコを取り付け。
  3. 電気配管を取り付け。
  4. ライトを取り付け。下部に出っ張っている標識板用の突起はカットします。
テンダー上部完成
  1. 0.5mm真鍮線を通して固定。付属の0.5mm線は、間違えて牽引力増強装置の支点軸に使ってしまったので、別に用意しました。
  2. エアホースを固定。
  3. カプラーポケットを固定。
  4. 炭庫仕切り板に給水口と手すりを付け、テンダー後部に固定。

石炭ウエイトは入りやすいように周囲を軽く削りました。4の板の下にウエイト後部を潜り込ませてから、前方を下ろします。

テンダー底部

船底テンダーの左右の床板です。

  1. 左右数箇所の梁などを折り返して固定。
  2. 配管受けを下側に曲げ、先端の輪を90度ひねって真鍮線を通せるようにします。これもあまり根元ぎりぎりから曲げようとすると、ちぎれることがあるかもしれません。
  3. 暖房管は0.6mm真鍮線を通して固定します。ハンダ付けのときにもたもたしていると、熱で膨張し、床板が反ってしまうことがあります。ただ、この床板は最後にネジ留めするときにも反りやすいです。
  4. ATS配管はA2板のガイド穴を利用して曲げ、穴に通して固定します。

動力ユニット用の部材

動力ユニットハンダ部分

動力ユニットのパーツのうち、塗装前にハンダ付けの必要な部分を組み立てておきます。

  1. 2枚のベース板を貼り重ねてハンダ固定し、下部には真鍮のボス2個をハンダ付けします。
  2. モーター枠を直角に折り曲げて固定。
  3. 車輪座の取り付け部を起こし、ハンダでしっかり補強します。ここが最終的にテンダーの重量を支えます。
  4. ATS車上子を折り曲げてハンダ補強し、ホワイトメタルのブレーキシリンダーを固定。

このあとATS車上子を床に落とし、慌てて拾おうとしたら踏んづけてペシャンコにしたのでした。ボケに磨きをかけても仕方ないのですが。

台車枠周辺
  1. ホワイトメタルの台車枠は、1.5mmドリルで取り付け部の穴を開孔し、取り付け用のタッピングビスを一度ねじ込んでネジを切っておきました。
  2. 車輪座の台車枠取り付け部は、車輪の圧入後に折り曲げることになっていますが、塗装前にハンダ補強したかったのでここで曲げました。一応圧入はできます。使う万力によって、どうしても折り曲げた取り付け部が当たって圧入できないときは、車輪と万力との間に何か挟めばよいのではないかと思います。

塗装準備〜塗装

生地完成

ネジ切りが必要な部分は、塗装前にタップを立ててバリを削っておくのがよいと思います。

全体をルーペで調べ、部品の曲がりやハンダ不良、はみ出しなどを修正します。
特にステンレス製の部品は、付いたように見えて付いていないことがあるので、ピンセットですべての取り付け部を引っ張って確認します。

終わったら十分水洗いし、クレンザーと中性洗剤で洗浄のうえ乾燥させます。
そのあとプライマー塗装、黒塗装の順に進めます。

色差し
  1. 安全弁と汽笛を接着。
  2. 前後のライトを銀に塗り、木工用ボンドでレンズを貼り付け。
  3. 空気作用管は塗装をはがし、黒に銅色を混ぜて筆塗りしました。
  4. ランボードの白線は、付属の白線板を灰色に塗って接着しました。
  5. 窓ガラスに透明板を貼り付け。キャブ側面のみ貼りました。
  6. ナンバープレート、札差しなどを磨き出し、貼り付け。
  7. 火室下部を艦底色に塗って貼り付け。
  8. テールライトレンズを接着。細かいので飛ばさないように…。実は片方を飛ばしたのですが、何かに跳ね返ってもとの場所に戻ってきました。

動輪・ロッド

これらの組み立て要領は、今までのキットとまるっきり同じなので省略します。

ロッド類のクリアランス

ロッド類のクリアランスはこんな感じにしました。R249を通過します。
メインロッドは第一動輪ピンを避けて外側に曲げますが、加減リンクが可動式になった最近のキットの場合、あまり外側に膨らませると、今度は加減リンクに当たることがあります。

ピストン棒の通るシリンダーの穴は少し広げてあります。「やりすぎ」がどのあたりにあるか不明ですが、たいていの場合、動きが良くなります。 また、動輪の軸受けに鉛筆を塗りこんでおくと、回転がとても滑らかになります。簡単な割に効果は絶大です。

下廻り完成

先台車のバネは車体前方が浮き上がらない程度に、従台車のバネは従台車が傾き過ぎないように数巻分カットしました。

牽引力増強装置のウエイトを接着しますが、あまり後ろに寄ると、ランボードの左右をつないでいるブリッジに接触することがあります。

上廻り合体

一度先台車を外し、上廻りと合体します。

第三動輪周辺のクリアランスがないので、フランジが内部のブリッジや取り付け足に触れていないか、火室下部に触れていないか要チェックです。

クランクピンが浅すぎると、コンプレッサーや給水ポンプの裏側に当たることもあります。メインロッドの油壺が、空気溜めの下に接触することもあるかもしれません。

エンジン側はすべての車輪が両側絶縁のため、車体はレールと完全に絶縁されていますが、テンダーの車体は電気的に左側レールと同じ極性のため、ドローバーで連結するとエンジン側も同じ極性となります(連結部の塗装が強固なら別です)。
もし、右側の車輪のタイヤやフランジが一瞬でも車体に触れると、そこでショートしてしまいます。

テンダードライブ

動力部の組み立て要領も、今までのキットと同じです。難しいところもありません。

ベースプレート

車輪座(軸受け)にギヤを取り付け、ベースプレートと組み合わせたところです。

赤色の部分が右のレールと導通し、青色の部分が左のレールと導通します。ベースプレートの4隅の穴でテンダーの車体にネジ留めするので、テンダーの車体も全体が青色と同じ極性になります。

つまり赤色の部分は車体に絶対に触れてはなりません。

駆動輪の圧入

ワッシャやカラーを通した駆動軸を車輪座(軸受け)に置き、左右から駆動輪を差し込んで万力で圧入します。

圧入自体は簡単です。ワッシャ類を変なところに挟まないように注意する程度です。少しぐらい締めすぎても、少しぐらい甘くても関係ありません。

モーターとウォームの固定

モーターをモーター枠にネジ留めして配線し、モーター枠をベースプレートにネジ留めします。

説明書に「ウォームギヤとモーター軸端がツライチになる様接着固定」とありますが、付属のウォームはモーター軸より長いので、ツライチにするのは無理です。テンダー内側やウエイトにつっかえないよう確かめて位置を決めます。

大ギヤとの噛み合わせの深さは、互いの歯の高さの半分程度が一応の目安かと思います(写真のとおり)。動きが重く、大きな音を立てるようなら、まず噛み合わせが深すぎます。モーター枠は左側だけがネジ留めされているので、反対側を持ち上げるようにすれば、噛み合わせを浅くすることができます。

上下合体

単体では走るし、石炭ウエイトを付けていない車体に取り付けても静かに走る。しかし石炭ウエイトを付けると強い摩擦音がする…ということが起きました。

ばらしてみると、モーターがひん曲がって噛み合わせが異常になっています。直角にした車輪座の取り付け部も大きく曲がっています。何回やり直しても同じ結果になります。
というわけで、ウエイトのどこかが、モーターやウォームのどこかに当たっていたようなのですが、それがどこかは突き止められませんでした。

最終的に、テンダー上板に0.5mmプラ板を載せて、石炭ウエイトを少し浮かせたら収束しました。

あとは床板と台車枠をネジ留めし、カプラーを取り付けます。
後方の台車枠は、後部のステップに当たることがあるので、少々カットします。

連結してレイアウトで走行させ、前進・後退ともに動輪がスムーズに転がることをチェックして終了です。R280・R249では先輪が時々浮いていますが、もともとR320未満はキットのスペック外なのでそのまま使っています。

完成

それほど派手な失敗はせずに組み立てられました。一部踏んづけましたけど(笑)。細かい点では色々思い残すところがありますが、全体に大きな失敗をしにくい構造のキットかと思います。

完成

完成

完成

完成

ところで、キットには必ずサービスパーツの「ホウキ」「スコップ」が入っているのですが、私は一度も使ったことがなくお別れしています…すみません。
(おわり)


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