Nゲージ蒸気機関車>2008年のメモ>2008.6.24(ドックサイダーの塗装修理)
短信ですが、バックマン(トミー扱い)のドックサイダー(Bタイプ小型蒸気機関車)が傷んでしまったため、少々レストアしました。
2008.6.24
写真の上のカブースは、実は30年以上前の購入後すぐ、煙突を根本から折ってしまいました。つい最近までただゴム系接着剤でくっつけていたのですが、とうとう紛失してしまい、真鍮パイプをハンダ付けして新しいものを作りました。
深刻だったのが下の蒸気機関車で、塗装が劣化した?のか、あちこちにひびが入ってパリパリと剥がれてきてしまいました。当時のバックマンの機関車にはごくまれにこうなるものがあります。ちょうどチョコレートがコーティングされたアイスキャンディーの表面がぱりぱり剥がれるような感じです。
仕方ないので塗りなおすことにしましたが、困るのが「BALTIMORE AND OHIO」の印刷です。面相筆で描くのは至難の業です。白色デカールを作る方法もありますが、頼みのMDプリンタは壊れて処分してしまいました。そこで、たったこれだけのことではありますが、特注でインレタを作ってもらうことにしました。
注文先は有名な「くろま屋」さんです。
原稿はIllustratorでそれらしく作りました。書体は同じものがないので適当に似たものを使いましたが、線が細すぎてきれいに出なかったり、うまく貼れなかったりする恐れがあるので、若干太めに調整しました。最後に必ずアウトライン化しておきます(先方に同じフォントがあるとは限らないため)。 注文のやりとりはメールだけですが、大変親切丁寧なご対応で、顧客満足度120%でした。ただ注文が混んでいると非常に時間がかかることがあるようなので、製作期間は十分余裕を見たほうが良いと思います(趣味であれば緊急性はないので…)。 写真は届いたインレタの一部拡大です。原稿をもとに一度フイルムができるので、フイルムと一緒に届けられました。この機関車の値段を超えるくらいの費用ですが、お金をかけてでも直しておきたかったです。 |
機関車はMr.カラーのうすめ液に漬けて塗装を洗い落としました。まるで牛乳を温めたときの皮のような感じで剥がれてきましたが、下地が侵されたり割れたりするようなことはありませんでした。その後黒1色で塗装しました。 印刷の位置は、ロットによっても個体によっても結構まちまちですが、あらかじめ写真を撮っておいて同じ位置に貼りました。このインレタは文字部分が柔らかく、リベットなど凸凹したところに貼ると傷みやすいので、注意して転写します。凸凹が大きくてうまく貼れない部分(そういう部分はもとの製品でもきれいに印刷されていなかった)は、面相筆で少し修正しました。 |
元の製品よりもきれいになって修復されました。インレタの表面保護は特にしていませんが、大事に扱えば結構もつと思います。残りもたくさんありますし(いつまでも使えるわけではありませんが)、ちょっとした補修は面相筆で済まそうと思っています。
しかし、なぜ塗料が「ぱりぱり」剥がれてきたのかはよくわかりません。まったく下地に食いついていないような感じでした。成型のときの油が残ったまま塗装されていたんでしょうか。ちょっと不思議です。