Nゲージ蒸気機関車>2009年のメモ>2009.3.21(D50のテンダーを交換)
2009.3.21
D50のテンダーには大別して2種あり、マイクロエースのD50のテンダーはそのうち1種です。もう1種として、同社のキマロキセットのキ604のテンダーを使えば変化が出るのではないか?というヒントを頂きました。
実際にやってみました。使用するキ604によって、簡単にできる場合と、ひと手間必要な場合があります。
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キ604のテンダーはD50テンダーとされています(以前実際に、はるばる保存機を見に行きました)。もうひとつのキマロキセットのキ620はC58テンダーです。 これをD50に、そっくり移植すれば良さそうです。 |
キ604にはローターを回すためのモーターが内蔵されています。テンダーを分解してみると、内部には通常の蒸機と同様に集電板があり、台車集電シュー、ドローバー集電線など一通りの機構が組み込まれています。…というキ604をお持ちの方はラッキーです。最近買った方はそうでない場合もあるからです。 |
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もしこのタイプ(実は初回生産品)をお持ちの方は、D50からもとのテンダーを外し、キ604のテンダーを取り付けるだけでOKです。 ドローバーはD50のものを使います。2本の集電線を、台車集電シューの内側にはさみ、そのままテンダー下部のボスに差し込んでネジ留めします。 |
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テンダーを分解した場合は、内部のウエイトの裏表に注意が必要です。内部の集電板の中央部が上部に出っ張っているため、これが両方とも金属のウエイトに接触するとショートします。ウエイトをよく見ると、一方の集電板に当たる部分に絶縁テープが貼ってあるので、これを下側にして取り付けます。接触しなければ関係ないので、このようなテープがないものもあるかもしれません。 |
マイクロエースのD50の造形自体がこんな感じなので、そのテンダーも幅が大きく作られています。キ604のテンダーにすると幅も多少変わってしまいます。このへんは「そもそも…」と言い出すときりがないです。
キ604のキマロキセットは一度再生産されており(2009年現在)、新しいロットではテンダーの内部が違います(違いますと断じていますが、自分の買ったものでしか判断できませんのでご了承ください)。集電機構がばっさりとなくなっています。 たまたまこれだけ?とも思いましたが、台車集電シュー、内部の集電板、ドローバーの集電線がセットでなくなっていますので、どうもこのように仕様変更されたようです。 |
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ただし、テンダー内部の成型は初回品と変わっておらず、集電板の取り付け穴などもそのままです。 D50のテンダーから集電シュー付きの台車と集電板を取り外して、こちらに移植すれば、そのまま使えそうです。 |
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集電シューのツメが入りにくかったので、穴の脇にある四角い出っ張りの角を少し削りました。以前、別の機関車で無理やり押し込んでツメを折ったことがあるので、うまくいかないときは無理をしないでください。 台車はD50の台車をそのまま使います。 |
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再生産品では集電機構がないため、ウエイトの絶縁テープもありませんが、移植したD50の集電板は上側にはみ出していないため、ショートの心配はありませんでした。 |
諸般の事情で、このD50は実物そっくりにデザインされた模型になっているとはいえませんが、昔見たD50の面影とふと重なる一瞬があれば、それで十分かもしれません。見る人によってはギャグと片付けられておしまいですが…。
こうしたリベット組み立て式のテンダーにも、20立方とか12-17とか色々ありますが、途中で変更されたり、他の形式と振り替えられたりして、写真資料でも形態と記述が一致していないものがあります。複数の形式の機関車に使われている、同形に見えるテンダーの水容量が違っていたり、見かけとデータ上の大きさが逆になっている資料が出てきたりもします。このあたり非常に興味深いのですが、ここではあえてテンダーの名称について一切記載しませんでした。もし、何か整理された情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご指導いただければと思います。
キ604の再生産品は、名目上は単純再生産のため、パッケージの資材も同じものです。印刷の調子の違いや経年変化を除けば、パッケージの表から新旧製品を区別することはできません。 唯一?の識別点は、裏側にある「対象年齢14歳以上」のシールです。もとの「8歳以上」の上に張り重ねてあります。社名の印刷がもとの「有井製作所」のままなので、自社名の変更より対象年齢の変更のほうが重要だったのですね。 もしオークション等で購入される場合は、パッケージの裏側の拡大写真があるとは限りませんから、区別ができないこともあると思います。あと、キレイにはがれているものがあったら間違えますね。 |