Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>D51北海道型(リアル・ライン)を標準型に
2008.2.11
昨年話題になったリアル・ライン製品は、店頭で通常販売されたものは今のところ末期の北海道型だけです。色々なシーンで活躍させるのは少しつらいので、標準型に改造しました。
手っ取り早く作るため、KATOの上廻りにひとつ犠牲になってもらい、煙突とキャブを利用しました。
D51の煙突は難しいらしく、プラ製品では現在でも一番実物らしく表現されているのはKATO製品ではないかと思います。前面の造形が上手なリアル・ライン製品でも、煙突はアリイ同様で、ハカマのない土管形になっています。これを作り直すのは難しいので、KATOの煙突をそのまま移植しました。
(1) 元の煙突は、カッター各種とカッターのこなどを使って少し大きめに切り抜きました。裾を傷めないように少し大きめにします。この部分はボイラーと煙室のパーツが2枚重ねになっていて分厚いので、少し苦労します。 | |
(2) 裾の形を整え、下側から半丸ヤスリで少しずつ削って薄くしていきます。かなり薄くしても、取り付けると厚ぼったくなってしまいますが、あまり頑張りすぎて裾をちぎってしまうと台無しなので、ほどほどにします。 |
(3) 写真を撮り忘れましたが、次にリアル・ラインの煙突を切り取り、切り口をきれいに削り取ります。プラモデル用のニッパーで上部から、りんごの皮をむくようにらせん状に切り取っていきました。最後に根本を彫刻刀やナイフで丁寧に削って平らにしますが、ここが一番難しく、手が滑って給水温め器やドームに傷をつけないよう注意が必要です。
(4) 加工前の煙突。煙突スカートがないために、いっそうひょろ長く見えています。現在のアリイのD51もこんな感じです。 | |
(5) KATOの煙突をゴム系接着剤で接着したところです。手抜きっぽい工作ですが、それでも1時間以上はかかりました。もうちょっと何とかしたいところですが、自分の技量を考えてここで止めました。 |
大変情けないことに、視力の低下が著しく、煙突スカートを削るときは電気スタンドに部品がくっつくぐらいに照らさないと、何がどうなっているのかよく見えませんでした。
元の密閉キャブを加工して使うのは、形態的にちょっと厳しいです。ドアを取り除くと側板が狭すぎますし、修正も面倒なので、以前にアリイ製品でも使用したKATOのキャブを使いました。
(6) 上がKATO、下がリアル・ラインです。それぞれキャブの前方から丁寧に切り離します。 このあとリアル・ラインはランボードを1.8mmほど後ろから切り詰め、ボイラーを少々短くしました。 |
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(7) キャブはボイラーをまたぐように内側の形を整え、裾と屋根を少し切り詰めます。キャブの当たるボイラー周辺のモールドなども削り、ボイラーやテンダーとの高さを調整します。 |
(8) 仮組み中の様子です。キャブ窓も小さくするとよいのですが、面倒なので窓の下部のモールドを少し削る程度にしました。ナンバーは少し上に付けることになるので、元のナンバープレートを付けるくぼみは埋めておきます。 このまま組んで、開放キャブの北海道型にすることもできます。その場合、キャブの後ろ側に防風カーテンを取り付けると面白いかもしれません。材質に悩みそうです。 |
デフは切り詰めのない標準デフとします。ここでは、副灯とエプロンも取り外しました。
(9) 不要なパーツを取り外します。デフは下側のピンがランボードの穴に刺さっているので、裏側からキリなどで押して外します。前面手すりは前から接着されています。スノープローは切り取りました。 | |
(10) 副灯のレンズが給水温め器を貫通しているので、切り取ると断面が見えます。ここは瞬間接着剤で埋めて成型します。 シンダー除けは左右から削りますが、これが固くて大変でした。 |
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(11) デフは0.5mmプラ板で簡単に作りました。見せ方として大事なのは、前方の斜めの切り欠きの長さと角度です。案外、ここが不適切で似なくなることがあります。 | |
(12) 真鍮板をL形に曲げてデフの裏側に接着し、ランボードにゴム系接着剤で固定して様子を見ます。 なお、模型はランボードよりも上側の高さが少し高いので、スケールどおりにデフの寸法を作ると、たぶん低すぎると思います。 |
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(13) ランボードよりもシリンダーブロックが外側に出っ張っているので、デフを心持ち外側に付けたのですが、これではC58みたいですね。はがして付け直しました。 | |
(14) ついでに発電機の排気管を作ってちょっとだけディテールアップしました。しかし、すでに4本の配管でゴチャついているため、ATS発電機の配管は省略しました。消音機より後ろ側だけです。 |
(15) テンダーは、増炭覆いとライトを切り取り、石炭皿をプラ板で作るだけとしました。 | |
(16) なお、リアル・ラインのテンダーは少々多くのパーツから成っています。前方と同じく、ライト点灯式にしようとして止めた跡(もしくは、ライト点灯させやすいための配慮)があります。他にも何か仕組めそうに見えます。 |
加工後(標準型) いずれは498号機などもリアル・ラインより発売されるのかもしれません。ファンの絶対数では標準型が多いでしょうに、最初に北海道型を発売したのはちょっと不思議な気もしますが、お好きだったんでしょうね。 |
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加工前(北海道型) これとは逆に、市販されている標準型を改造して北海道型を作るというのが、今までのお決まりのパターンです。 |
デフは塗装後も数回付け直したので、裾のほうがもうボロボロです。またやる気が出たら作り直します。
これをKATOの新しいC62と一緒に使っても、スケール的な違和感は感じません。C62がちゃんと大きな機関車に見えます。颯爽と走るC62の隣で、ゆらゆらと貨物列車を牽いています。