Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>D52改装形(3Dプリンター)
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塗装前に組み立てて、走行具合などをテストしました。
テンダーが長いため、元の集電シューが届きません。別なリン青銅板をハンダ付けして少し延長しました。
たぶんどれかの室内灯セットの集電シューの余りです。ちょっと長さが不ぞろいでカッコ悪いですけど…。
なお、これを取り付けなくても前の台車からは集電されるので、それで間に合うことも多いです。
台車を固定するビス穴などは、すべて予定より小さく造形されていたため、ドリルで拡大しました。もちろんそれを見込んだ寸法で作っていたのですが、それを上回ってしまいました。
それ以外に問題はなく、狙った通りに台車を取り付けることができました。このへんの構造は旧D51と同じに作ってあります。船底テンダーの外形に、平底テンダーのD51の構造をマージしています。
恐々と試運転しました。
最初、ピストン棒がシリンダーの前蓋につっかえてしまい走れませんでした。しまった…。データ作成の際、そこの寸法をまったく確認していませんでした(たぶん大丈夫だろう、程度に頭に浮かんだのは覚えています。根拠ありませんって)。
ドリルやヤスリでシリンダー前蓋を内側から削って修正し、今後のために元データも修正しておきました。
これでOKでした。先台車・従台車付近など、クリアランスがぎりぎりなところもありますが、問題なく走行しているようです。
アクリジョンでそのままつや消し黒に塗装し、最終組み立てを行って完成としました。
旧D51・C62と並べてみました。ひとつだけ明らかに異質ですが、夢ではなく現実を見ていただこうと、拡大写真も付けました。
KATO D51(旧) (拡大写真)
旧D51の最終製品です。
D52 改装形(3Dプリンター) (拡大写真)
今回作った謎模型です。
KATO C62(旧) (拡大写真)
旧C62の後期製品です。
というわけで、私のD52はこんなことになりましたが、それでもレイアウトを走っている姿を見ると率直に嬉しいです。
こんなふうにデータを作ったら、こんなふうに造形されました。
給水温め器の後部の配管は、データを完全にくっつけるのを忘れ、浮いたままになっていました。
しかし、幸い垂れることなく出力されていました。浮いている箇所のスパンが短かったからのようです。また、支える柱も一応立ててありました。
シリンダー前方です。D52は先輪の上の空間が大きいので、簡単な前部台枠やバネなどを作って目隠しにしておきました。
目隠しはうまくいきましたが、シリンダー側面に謎の強い線が出る現象は、C59に引き続き発生しました。プロテクターも付けましたが効果がありませんでした。
シリンダーは内部の形状変化も複雑なのと、もしかしたら表面のモデリング方法にも関係あるかもしれません。若干心当たりがあるので次回はそのへん気に留めておきたいと思います。
あと、シリンダーの造形がやや不良気味で、一部変形しているように見えます。
ボイラー上です。パネルの継ぎ目やボイラーバンドなどは、見えるか見えないか程度の0.05mmですが、PCの画面上では1ピクセルの実線になるので少々どぎつい感じです。
厚さ0.05mmの部分は「あることがわかる」程度には出ていました。小さい模型なので、もう少し強めにしてコントラストを上げてもよいかもしれませんが、まあいいです。
誤算だったのは洗口栓で、予想外にあっさりしすぎて目立ちません。彫り込みが埋まってしまったのかもしれません。
清缶剤挿入装置は機体によって色々で、配管の取り回しもまちまちなので、あまり追及せずにおきました。
キャブ下のディテールは、元の旧D51にもないので、これ幸いと何も付けませんでした。しかし、より古い旧C62ではモーターの支持方法が違うため、キャブ下にもディテールが付いていたりします。
全体的にそこそこ出力されてはいますが、凸凹した機器やディテールが多いせいか、平面部の積層縞がやや目立つ感じになりました。
それにしてもディテールがカッチリ出る箇所はひとつもありませんね。
前面です。なかなかD52らしくならず、何度やり直したかわかりません。もう、よくわからなくなってしまって、一度打ち切りました。
画面上の表示と、小さい模型の造形結果が、なかなか頭の中で一致してくれません。
まあ、いいや(笑)。
造形は、太くなりすぎた部分と、足りない部分が混在していまして、色々狙いは外れています。
照光むらもあるので、プラットフォームのどこで造形するかにより、結果が変わったりします。
煙室扉のふくらみは、実際の寸法通りに作るとぺしゃんこに見えることがありまして(私の印象です)、かなりデフォルメして膨らませています。個人用なら、このへん好きなようにできるのでいいです。
というわけで色々変ですが、まあデータを直してまた出力すればいいと、気楽に考えまして終わります。デジタル製作はデータの再利用性があるところがとてもいいんですね。
細かいデータ作成も、画面でうんと拡大して行えるので大変楽ですが、組み立てや塗装は普通の模型工作になるので、そこで細かい作業が必要になり現実に戻されます。
●関連リンク(縮尺1/140)
→C55流線形(3Dプリンター)
→C59戦前形(3Dプリンター)
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