Nゲージ蒸気機関車2008年のメモ>2008.4.14(EF55の台車改造)

EF55の台車改造

EF55

マイクロエースのEF55の先台車の改造は、多くの方が取り組まれて発表されています。私もやってみましたので簡単にご紹介します。

2008.4.14


マイクロエースのEF55をご存知ない方のために補足します。同社のEF55の下廻りは主台車が首を振る一般的な構造になっており、その前方に先台車が付いています。そのためカーブで先台車が大きく内側に振れるので、先輪が流線型のスカートに当たって走れません。そこで第1先輪をフランジなしのダミー車輪として固定し、2軸目のみが左右に可動するようになっています。これを何とか2軸先台車のままカーブを通過させたいというものです。

改造方法

雑誌の記事や改造例などで、次のような方法を拝見しています。

  1. スカート下部を水平に切り離し、先台車と一緒に首を振るようにする方法
  2. 先台車のセンターピンを床板に取り付けて、先台車がスカート内だけで首を振るようにし、それに続く主台車が大きく左右に振れるようにする方法
  3. 2個の先輪のホイールベースを短くしてできるだけ後方に寄せ、先台車が首を振ってもスカート内に当たりにくいようにする方法

先台車の外観が一番よいのは2ですが、主台車が大きく動くために動力伝達の問題があります。ワールド工芸製品ではモーターも前主台車と一緒に動きますが、マイクロエース製品を利用するときは大手術になってしまうので、簡単に済ませて無動力としました。駆動は後方の台車の2軸のみによります。
ちなみに私は1の方法も勢いがあって好きです。邪魔なものは切る、というストレートさが潔いです。

台車側方

まず先台車を作ります。製品の先台車の前に1.2mmプラ板を重ねて延長し、下側に溝を切って製品付属の展示用車輪(=まともな車輪)を取り付けます。

台車中央から床板まで貫通する穴をあけ、2mmサラビスとナットで止め、軽く左右に首を振るようにします。主台車はギヤ軸受けを根本近くから切り取って、先台車の後ろにぶら下げます。

台車上部

先台車と主台車の関節は製品のままでもよいですが、主台車がぶらぶらになって外れやすいので、ここもビスで止めておきました。ここが余裕を持って軽く動くようにしないと、カーブに差し掛かるときに脱線したり、空転したりします。

これだけでも走りますが、集電が不十分になることがあるので、元の集電シューに細長い燐青銅板をハンダ付けして前方に延長し、これがダイカストブロックの前方下部に接触するようにします。主台車の後部が大きく左右に振れるので、なるべく前方で接触させないと、カーブで集電シューが車体から外れてしまうからです。

台車下部

台車が軽く動くことを確認したら、ボディーをかぶせて完成です。

改造後

EF55 カーブ外側 R280に載せたところです。
EF55 カーブ内側 同じく内側からです。

少なくとも平地でスハ6〜7両は問題なく牽引できましたが、長編成で牽引力が不足するようなら補機をつけてあげるとよいと思います。
TMS誌2002年4月号で改造を試みておられる武尾様から伺いましたが、ゴム車輪を2つとも一番後ろの動軸に移せば牽引力はさらに向上するとのことで、集電も前方の台車で確保でき、普通のEF級に負けなくなるとのことです。6年後の今も経年の問題は起きていないそうです。

ところでこのEF55、窓ガラスがきちんとはめ込まれていない状態で接着剤で固められており、そのせいでボディーを動力にかぶせると外側に膨らんでしまいます。窓ガラスを外して付け直したいのですが、非常にガッチリ付いているので取れません。
→細いドライバーでこじり取るように引き剥がし、いくつかに分割してはめ直しました。


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