歴史の長いKATOのキハ20系が、入門用の2両セットとして先月より売られています。
もう40年前の製品で、シンプルで安いのが特長です。構造・表現的には現代の鉄道コレクションシリーズに似たところがあります。動力車込みでたった3,675円(税込)です。
精密な現代のキハ20系としてはトミックス製品があり、住み分けができているのかもしれません。
旧国鉄標準色である「ブルー」のほうを買ってみました。
現在、単品のキハ20系には国鉄標準色のオレンジ+クリームと、首都圏色のタラコ色がありますが、かつて「横須賀色」という商品が発売されたことがあります。旧国鉄色を意識したものと思われますのでちょっと並べてみました。
旧単品(横須賀色) 1980年頃の品です。これはキハ25とキハ20(M)です。この頃のKATO製品は、すでに窓から動力が見えないものが主流でしたが、キハ20系は古いままでした。 |
今回の製品(キハ20系ブルー) フリー的な横須賀色ではなく旧国鉄標準色とされています。旧製品に見慣れていると、パッケージにスモークフィルムでも入っているように見えます。でもこれは透明フィルムです。 |
「オレンジ」はキハ25+キハ20の2両セットですが、「ブルー」はキハユニ26+キハ20の2両セットです。
以後「旧単品」と書けば横須賀色の旧単品、「新製品」と書けば今回の旧国鉄標準色(ブルー)を指します。
キハユニ26(新製品) (拡大写真) |
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キハ20(新製品) (拡大写真) 窓から見えない現在の動力ユニットです。 |
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キハ20(旧単品) (拡大写真) この頃の製品にはまだ黄色の検査証が入っていました。 新製品と比べると塗り分け線の高さも違います。 |
旧国鉄標準色は当時としては明るい配色だったことと思いますが、今見ると明るさも暗さも何とも微妙な感じです。
キハ20(新製品) 車体の基本的な型は旧製品と同じだと思います。 |
キハ20(旧単品) |
キハユニ26(新製品) 昔からですが屋根はキハ25の流用ではなく、専用のものです。 |
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キハ20(新製品) ちょっと露出オーバーにしました。いつの間にか、幌のディテールが少し変わっていたのですね。 |
キハ20(旧単品) |
キハ20(新製品) 塗り分けはずっとシャープになっています。 |
キハ20(旧単品) この頃はどうやって塗っていたのでしょう。ドアのあたりの吹き込み方から、テープによるマスキングのように見えます。クリーム帯の幅は一定ではなく、場所によって0.5mm程度の増減があります。 |
キハ20(新製品) 屋根も同じくかなり滑らかになっています。 |
キハ20(旧単品) ただ、旧製品も当時としては別に悪いとは感じていませんでした。各社とも、今とは全然違います。 |
キハ20(新製品) 新動力なので台車が変わり、車輪は黒色、カプラーポケットも短くなっています。 |
キハ20(旧単品) 旧動力ではM車のみ大きな車輪が付いていました。 |
ディテール面などでは現在の一般的な製品にかないませんが、低予算で揃えるには便利な模型です。メーカーの表現では「簡単!手軽!安価」となっています。数十年ぶりにNゲージに出戻ったという方にとっては懐かしく遊べそうです。
動力は新型といってもフライホイールのない頃のものですが、クセのない静かな走りで私は好きです。でも昔のガーガーうるさめの動力もディーゼルカーとしてはそれなりの味がありました。