Nゲージ蒸気機関車2008年のメモ>2008.7.12(単純なLEDライト)

単純なLEDライト

LEDライト

2008.7.12

アリイの初期の製品は電球が暗く、特に調光装置のないパワーパックでは暗いので、模型的に物足りないという方は多いようです。模型の点灯式ライトは、光っていないとかなり貧相に見えるというのもあると思います。実物は暗いうえ、非点灯だったことも多いのですが、非点灯でもライトははっきり見えました。
明るさだけなら市販のLEDを使って解決することができ、あまり難しく考える必要もありません。

以下の工作は筆者が試作した結果を晒したものであり、どこでも同じ結果になるとは限りません。失敗やケガについて責任を負うことはできませんので、ご自分の責任においてお試しください。間違った使い方をすると、LEDが突然破裂する可能性もないとはいえません。破片が目に飛び込んだりすると大変です。


しかし実際にはまるで緊張感なく工作をしております。私は思い立ったら直ちにその場で始めるのです(仕事とまったく逆)。

取り付けた様子

取り付けた様子

いきなりですが、取り付けた様子です。これは車高下げしたC11に取り付けたものなので、少しダイキャストが削られていますが、ライト交換とは関係ありません。

もとの電球のプリント基板を前方に引き抜き(このとき、側面のネジを少し緩めるとやりやすい)、代わりにLEDと抵抗器を直接差し込みます。

最近はチップLEDやチップ抵抗をよく見るので、ついそちらに感心が行きますが、むしろ従来のLEDと抵抗器のほうが簡単です。部品にある程度の大きさがあり、固めのリード線が初めから部品についているからです。小さい部品を基板に取り付ける必要も、リード線で配線する必要もないので簡単です。

取付方法

LEDと抵抗器

まずLED(発光ダイオード)と抵抗器が要ります。 用意したのは直径3mmの電球色LEDと、P型抵抗です。このLEDは3.6V、20mAの品です。直径5mmのものではたぶん取り付けられないと思います。

抵抗値を決めなくてはいけませんが、12Vのパワーパックで点灯させるので、最初に試作した前の写真では抵抗は500Ω前後にしました。常用域(せいぜい8V)で最も明るく点灯させることも実験するため、この写真の試作2号では220Ωを使っています。でも両者の明るさにそんなに差はありませんでした。

抵抗の求め方がわからない方は、LED販売店のサイトなど、詳しいサイトがあちこちにあるので参考になると思います。

LEDと抵抗器の接続

LEDと抵抗器は直列に接続して使います。 取り付け場所が狭いので、抵抗器の足の一方を折り返し、LEDの一方の足に重ねてハンダ付けします。もたもたハンダ付けすると、半導体であるLEDを熱で壊すので手早くやります。しかし、ゲルマニウム・ダイオードほど弱くはないようです。ヒート・ストッパなどで放熱しなくても、壊れることはめったにないとは思います。1本しかなければ心配ですが…。

LEDにはアノード(+側)・カソード(-側)の極性があり、逆方向だと光らないので、前進時(右側プラス)に光るようにします。しかし、間違えてもひっくり返せばよいので問題ありません。 抵抗器はLEDのアノード側、カソード側のどちらに付けてもよく、極性もありません。

余分な足を処理する

残ったLEDの足と抵抗器の足は、機関車のダイキャストブロックに差し込んで通電させます。

そのままでは長すぎるので、現物に合わせてカットし、先端を手前に180度折り返しておきました。こうすることでダイキャストブロックに差し込んだときに具合よく接触しました。ただし、2本のリード線が直接接触しないように注意が必要です。

機関車への取り付け

機関車に取り付けます。向こうがC11、手前がD51です。どちらも同じように取り付けられました。左右のリード線が反対側のダイキャストブロックに接触するとショートするので、ここだけは十分注意します。

レールに載せて、ゆっくり前進させてみます。光らないときは後退させてみます。後退して光るようなら極性が逆ですから、一度外して裏返し、差し込み直せばOKです。

どちら向きでも点かないときは、リード線がダイキャストブロックにきちんと接触しているか、ショートしていないかを疑います(ショートしていれば走りません)。直接パワーパックから左右のリード線に通電してテストしても点かないときは、LEDと抵抗器のハンダ付けがうまくいっていない、熱でLEDを壊した、抵抗値を間違えていて大きすぎるなどの原因も考えられます。

最後にボディーをはめるときは、LEDを破損しないよう、LEDと抵抗器がおかしな部分に挟まっていないか注意します。

点灯の様子

点灯の様子

旧パワーパック・スタンダードにて、スケールスピードでの光り方の様子を比べたものです。

左が未加工の製品(旧タイプ電球※)、右が同じ個体をLEDに交換したものです。見た目に倍以上明るくなります。ただし、私が使った電球色LEDの色は、名前からイメージされる「電球色」よりもずっと白っぽいもので、わずかに薄黄色がついているというようなものでした。この写真よりももっと白く見えて、やや蛍光灯に近いような気がします(白色LEDのような青白さは感じません)。色を追求するならLEDやレンズにクリアー系塗料を塗るとよいのでしょうが、手元の塗料がクリアーレッドしかなかったので試しませんでした。

※アリイの電球には新旧あり、新型は旧型よりだいぶ明るくなっています。

このまま室内灯に応用するにはもう一工夫いります。後退時に室内灯が消えては困るからです。単純にやるなら、LEDを2個用意して、極性を逆にしておくのが簡単そうです(取り付け場所との相談にもなりますが)。
実物にもいろいろありますが、ヘッドライトの色をうまく表現できた方がいらっしゃったら、ぜひご指導ください。自分で着色するなら、電球色LEDではなく、白色LEDをベースにしたほうがよいかもしれません。

●追記 上記の着色方法について、早速お知らせをいただきました。オレンジ色のマジックを使います。重ね塗りもできますし、アルコールで拭き取りもできるので具合良さそうです。すぐ試してみましたのでご紹介します。

マッキー(茶)
[1]近場で売っていた、最もオレンジ色に近いものとして「マッキー」の茶を買いました。
導光材を着色
[2]思ったよりペンが細かったので、LED側ではなく、車体内側に出ている導光材の端を塗りました。
点灯
[3]トミックスのキハ10系やキハ22系に似た感じの、柔らかい電球色になりました。元のLED色に比べると雲泥の差があります。お好みに合わせて黄色系にしてみたり、手軽に試してみることができます。

とても簡単ですし効果的でした。早速のお知らせ誠にありがとうございました。

●さらに追記 その後も色々と着色方法についてお知らせをいただいています。マジック派の方、多いですね。塗る場所もチップLEDに直接とか、導光材側とか色々です。オレンジに黄色を重ねて混色されている方もいます。やはり、手軽に色の調整を試せるのがマジックのよいところですね。
(おわり)


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