Nゲージ蒸気機関車2008年のメモ>2008.3.1(ワールド工芸 C62汽車会社常磐線仕様)

ワールド工芸 C62汽車会社常磐線仕様

C62汽車会社常磐線仕様

2008.3.1

昨年10月に発売された、ワールド工芸の「C62汽車会社常磐線仕様」キットです。部品が多いのですが、その取り付けは楽なので相殺され、総組み立て時間は24時間くらいでした。


気の付いたこと

全般

今までと同様で、薄いランボードに前後2分割のボイラーを載せて固定する方式です。ワールド工芸のキットで最初に訪れる最大の難関で、(1)ランボードがなかなかまっすぐにならない、(2)前後のボイラーがまっすぐに接合しにくい、という難しさがあり(何も考えずにただくっつけるのはすぐできますが)、しかもそれが全体の出来栄えを左右するというものです。
なぜ難しいかといいますと、ランボードは柔らかいので車体の背骨としての基準になりませんし、ボイラーも前後2分割でまっすぐに固定されたものではなく、同じく基準にならないからです。

ランボード
ランボードのブリッジ

ランボードの一番後ろのブリッジ(写真矢印)は、あらかじめ切り取っておかないと、ボイラー後部(火室部分)を取り付けられないように思います。しかし、ここを切り取ると左右のランボードの高さが不ぞろいになりがちで、それはもう難しいのです…。

キャブ周辺
ランボードのブリッジ

キャブ床板はステンレス製になり、内部の段差とメカニカル・ストーカーが表現されています。また、台枠後部にあってキャブを支えている支持板もついており、キャブ下のディテールは従来品よりも格段に細かくなっています。

前デッキ
ワールド工芸のC62ではずっと省略されていた前デッキ傾斜部のステップが取り付けられました。前回のC57もそうでしたので、今後はこれが標準になるのでしょう。
ピストン棒
いつもおっかなびっくり、現物合わせで寸法を調整するしかなかったピストン棒(しかも、切り過ぎるとそこでアウツ)の切断寸法が説明書に記されました。たったこれだけのことでも組立者にとってはとても助かるのです。ディテールパーツの取り付けでも、一番時間がかかるのは、説明書に記されている位置に真鍮線を取り付けるため、現物合わせで調整することです。目安でもいいから寸法が記されていれば真鍮線の無駄もなく、どんなにいいことでしょう。
デフ
裏側の補強帯のディテールを折り重ねますが、先にデフの上部の斜めの部分を曲げ、裏側のディテールもその部分を曲げておいてから張り重ねたほうがよいようです。うっかりして重ねて固定してからデフの上部を曲げようとしてしまい、表面に少し跡がついてしまいました。
先台車・従台車
先台車はC57同様、中央付近からバネをはさんでシリンダー真下にネジ止めする方法に変わっています。従台車には0.2mm線を利用した復元バネが新たに取り付けられました。

KATOと

上から 上がワールド工芸、下がKATOです。
長さはKATO製品とぴったり同じです。※模型の発売はKATOのほうが後です。
前から

左がワールド工芸、右がKATOです。
顔つきの一風変わった46号機のようにしようと、ナンバーの位置は高くしましたが、主灯はもっと下げたかったという感じです。

しかしワールド工芸の前面造形は見事です。デフの間隔とボイラーの太さのバランスがぴったりです。煙室扉がプレスのため、扉ヒンジはちょっとごついので、ここはKATOのほうがすっきりしています。


完成

C62汽車会社常磐線仕様
C62汽車会社常磐線仕様

キットがうまく設計されていても、組む側の腕が…というわけで、途中であちこちが曲がったり歪んだりしてきてしまい、恥ずかしさの残る作例です。
でも完成品の値段は高いので、やっぱり頑張って自分で組み立てるしかありません。組み立てはいいんですが、いつも塗装がつらいです。私はほぼ黒1色にしか塗らないので、まだ簡単にやっているほうではありますが…。


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